ビター☆チョコ

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エンジェル (DVD観賞)

2008-09-23 | 洋画【あ】行

1900年初頭、イギリスの小さな町で、食料品店の娘として生まれたエンジェル・デヴェル(ロモーラ・ガライ)。
物心ついてからずっと、近くにある「パラダイス屋敷」で暮らすことを夢見てきた。

エンジェルが生まれ持った文才と想像力は、エンジェルの指先から物語として次々とあふれ出し、
やがて16歳で作家としてデビューすることになる。
一躍売れっ子の作家となったエンジェルは、欲しいものはなんでも手に入れようとする。

美しい衣装。
夜ごと繰り広げられる華やかなパーティ。
そして、ついに幼い頃から憧れ続けた「パラダイス屋敷」を手に入れることもできた。

出版される本は、どれも評判を呼び
エンジェルに厳しい言葉をかけるものなど誰もいなかった。
そんなとき、たったひとりだけ
周りにいる人々とは違う男と出会う。
上流階級出身の売れない画家エスメ(マイケル・ファスベンダー)だった。

愛するエスメと暮らすパラダイス屋敷。
それは、エンジェルが思い描いていた「幸せ」そのものだったのだが。。。
エンジェルの「握力」の強さが、愛するエスメをつぶしていく。

物を書いたり作り出したり
そういう才能に恵まれた人は
どこか、自己中心的なところがあるものなのかもしれない。
自分が一番というぐらいの自信を持っていなければ
とても、なにかを生み出すエネルギーは出てこないものなのかもしれない。

しかし、その自信が
ひとつの綻びからもろく崩れ去って
やがて。。自分も滅ぼしてしまうという。。物語。
ある特殊な人の物語だというのが
この映画を観た先週の感想だったのだけど
ある出来事が、この映画の感想を変えてしまった。

程度の差はあるけど
誰だって知らず知らずのうちに、
これからの人生に
自分に都合のいいような筋書きを用意しているんじゃないだろうか。
その筋書きの中では
自分が主人公になってしまっているから
予想外の展開になった時の落胆は、ちょっと痛いものがある。
誰かの幸せを願って描いたはずの筋書きが
自分のためのものだったことに気がついて愕然とするのだ。

ここから、どういう道を選ぶのか。
軌道修正するのか。
あるいは、どこまでも自分が主人公で行くのか。
どの道を行くのかの選択が、大きな分かれ道なのかもね。

握力の強さだけじゃ幸せにはなれない。よね。












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