智を開く

本当の「生きる力」を求めて…

「想い」を形に!

2011-03-30 19:46:30 | 風の旅人

「ボランティアに行こうと思うんだけど…」

旅人が言い出した時、ハハは嬉しかった。
そういう気持ちが息子の中に育っていたのか…
息子のことを頼もしく、またハハとして誇らしく思った。

しかし…
この未曾有の大災害時に、若干15歳の中学生がどこまで皆の役に立てるのだろう…
一方で、ハハはそんな疑問も抱いていた。
余震が続く中、二次災害に遭ったらどうするのか…
ケガをしたらどうするのか…
足手まといになるくらいなら行かないほうがましだ。

「かんちがいボランティア」もたくさんいるらしい。
そういう人たちは即座に帰されてしまうとか…
確かに、手ぶらで被災地に乗り込み「何か手伝わせてください」は無いだろう。
被災者の方々に負担をかけずに、現地にとって「プラスの貢献」だけをしなければ「ありがた迷惑」以外の何物でもない。
それはボランティアではなく、「自己満足」に過ぎない。
そういうことも、親としてよく言って聞かせていた。

旅人は埼玉県社会福祉協議会のボランティアに自ら登録した。
が、なかなか募集がない。
交通網の復旧も完全ではないし、現地の受け入れ態勢も整っていない。
だから、旅人はここ1週間、ずーっと腐っていた。
行きたくても行けないジレンマで毎日イライラしていた。

一方ハハは、正直、ホっとしていた。
このままやり過ごして、いつの間にか4月の始業式を迎えてくれたらいいのに…

しかし、旅人はあきらめてはいなかった。
ネットを駆使して、時々刻々情報収集をしていた。
「あのさぁ…いろいろ調べたんだけど…
宮城県なら県外からのボランティアを募集しているみたいなんだ。
まだ3か所くらいなんだけど…
とりあえず仙台までは新宿からバスが出てるから、それで行く。
その先は行ってみないとわかんないけど、たぶんバスなら行けると思う。
もし足がなくてもヒッチハイクとかすればいいし…」
頼もしいと言うべきか、無謀と言うべきか…
相変わらずだなぁ…
でも、おそらく、彼なら本当に何とかするだろう。

思い起こせば、雪のバレンタイン。
深夜に出かけて行ってなかなか帰ってこなかった旅人。
「うっ、腕が上がらない…」
翌朝よくよく聞いてみると一晩中雪かきをしていたらしい。
それも、自宅のマンション前の雪をかいているうちにどんどんどんどん進んで行って、ついにはローソンの下まで来てしまったらしい。
すると、ローソンの店員が必死に雪かきをしていた。
だから、それを朝4時まで一緒に手伝った…と。

旅人には、「ひとの役にたちたい」という想いがあるのだろう。
生徒会長になったのも、その想いがあったからなのかもしれない。
ハハは旅人の「意思」を尊重してやろうと思った。
息子を信じようと、決意した。

「この町は、私たち・僕たちが、必ず復興させて見せます!」
避難所となっている体育館で、やっとのことで行われた小学校の卒業式。
卒業生代表、若干12歳の少年の言葉の、何と力強いことか。

「被災地では、全ての方々が一丸となり仲間と共に頑張っておられます。
人は、仲間に支えられることで大きな困難を乗り越えることができると信じています。
私たちに、今、できること。
それは、この大会を精一杯元気を出して戦うことです。
がんばろう、日本。
生かされている命に感謝し、全身全霊で正々堂々とプレーすることを誓います!」
センバツ高校野球の開会式。
創志高校、野山主将による宣誓の言葉の、何と心に沁みることか。

手をこまねいて考えているだけじゃ、何も始まらない。

避難所では自らが被災者でありながら避難所の運営の一端を立派に担っている中学生や高校生たちがいっぱいいる。
がれきの撤去や物資の仕分けなど、旅人でもできることは何かしらあるはずだ。
今ハハができることと言えば、節電や義援金くらいしかないけれど…
息子を通じて被災者に直に役に立つことができるのであれば、旅人を支援する意味もある。
アウトドアショップの店員も、ボランティアに行くと知り、貴重なアドバイスをたくさんくれた。

そして、今朝。
寝袋と1週間分の食料や水などを持って、旅人は北へ向かった。

18時ちょうど、メールが来た。
「石巻着いたよ」

さすが、旅人!!
これから君の「想い」を、形にしておいで!!
ハハが、心で、支えているから…

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ボランティア

2011-03-19 13:15:02 | 風の旅人

地震以来、家族そろって夕食をとることが多かった我が家。
ある時、中3の旅人がポツリと言った。
旅人「ボランティアに行こうと思うんだけど…」

ハハ「……えっ?」
修了式まで休校となり、連日在宅の息子を少々うざったく感じ始めていたハハは、意表を突かれた。
旅人の発言は、いつも唐突なのだ。

ハハ「もしかして、東北?」
旅人「…そう」
ハハ「でも、中学生でも大丈夫なの?」
旅人「中学卒業したら社会人扱いでしょ?それに、調べたらボランティアに年齢制限はないみたいだし、春休み、どーせヒマだから…」
ハハ「でもね、今のように被災地の受け入れ態勢ができていない状態で行っても、かえって迷惑になるのよ」
旅人「わかってる。だから、まずボランティアに登録してみる」
お父さん「おーっ、行って来い、行って来い!」

毎日ゴロゴロしながら、実は色々考えていたのね…
ハハは、旅人のことを、ちょっぴり誇らしく思った。

被災地の避難所では、中学生や高校生が自分のできることを見つけて自主的にボランティア活動をしているという。
日本もまんざら捨てたものではないのかもしれない。
こんな若者がたくさん増えたら、日本の将来はきっと明るいはずだ。
…そんな感慨にふけるハハであった。

その後、旅人は埼玉県社会福祉協議会にボランティア登録をした。
まだボランティアの募集はないようだ。

そんな中、今日、福島県の双葉町というところから1800人がさいたまスーパーアリーナに避難して来るという記事を新聞で見た。
早速問い合わせをしようと思ったところ…
「アリーナでのボランティアは、近隣の方の支援により充足しています」
とのこと。

旅人「太平洋岸の被災地は難しいかもしれない。
交通網もまだ整備されていないし…
これからきっと日本海側に避難する人が増えると思うから、日本海側に行こうかな…」

旅人の修了式は24日です。 

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休講のお知らせ

2011-03-14 22:21:49 | AYA academy

本日3月14日、東北関東大地震の余震および輪番停電発表の影響で、アヤアカデミーは全面休講と致しました。
今後も計画停電に加え、交通機関の運休、さらにはガソリンや食品・生活必需品不足等に伴う市民生活そのものの混乱は必至です。
このような状況の中、子どもたちの安全を第一と判断し、教室は引き続き今週いっぱい休講とすることに致しました。
19日土曜日実施予定であった年長受験生「到達度チェックテスト」及び次週のフィードバック保護者面談も併せて中止とさせて頂きます。
休講 3月14日(月曜日)~3月19日(土曜日)
なお、振り替え授業につきましては、めどがついた段階で改めてご連絡致します。
4月以降の授業につきましても状況を判断して後日ご連絡致します。
皆様にはご迷惑をおかけ致しますが、何卒ご理解・ご協力をお願い致します。

しかし、私たちの困難など、被災者の方々の苦悩に比べれば微々たるものです。
テレビで被災地の映像を見るにつけ、その悲惨な状況に涙が止まりません。
お亡くなりになった方々のご冥福と、一刻も早い行方不明者の救出、そして被災地の復興を心よりお祈り致します。

私たちは今、節電などできることから少しでも被災者の方々の支援ができるよう、共に頑張りましょう。

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学年末試験終了!

2011-03-10 21:30:05 | 開智っ娘

プライマリーの学年末テストがやっと終わりました
ほっと一安心
娘のテストで、親が「終わった~」と喜ぶのもどうかと思いますが…
実は今回の学年末は、ハハが娘の勉強を見なければならない状況だったのです。
…と言うのも、3学期になってから娘は体調を崩しがちで…
リンゴ病(伝染性紅斑)、風邪、インフルエンザB型…と、感染症のオンパレード
結構な日数、学校を休んでしまったのでした。
(もちろん公欠扱いにはなりますが…)
当然、欠席分の未習内容は家庭でフォローしなければなりません。
学年更新準備などに追われるハハとしてはなかなか時間が取れず…

娘は周りのママたちによく言われます。
「お母さんが先生なんだから、勉強を見てもらえていいわね~」
…ところが、これが、全く違うんです。
夜も授業があり、帰宅が午後10時を回ることもあるハハは、子どもたちの勉強を見ることはほぼ不可能なのです。
連絡物やプリント類は専用の「トレー」に入れておくことになっているので、帰宅後ハハはそれらに目を通す程度です。
自慢じゃないけれど、毎日の宿題はもちろんのこと定期テスト勉強さえも見ることができません。
他のお子さんのことに精一杯で、自分の子どもに時間が取れない。
これって、「教師」の宿命なのかもしれませんね。
ハハも小さい時はそうでしたから…
でも、周囲は「先生の子どもだから勉強を見てもらえるし、成績も良いに決まっている」と見るんですよね。
そういう世間の目がイヤでした。

学校の宿題も次日の準備も、我が家では全て子どもたちは「自己責任」でやらねばなりません。
小学校に入った時からそういうことになっているので、それが「当たり前」になっています。
忘れ物をしても、それは自分の責任。
でも、それでいいと私は思っています。
手取り足取りしていると、自立を妨げかねません。

教室で忘れ物をした子どもは大概こう言います。
「ママが入れ忘れた」
……?
そういう時はいつもこう言い返します。
「まぁ、なんて悪いママなんでしょっ!」
すると子どもは一様に悲しそうな顔をします。
そうして忘れ物をしたのは、誰が悪いのかを気づかせるようにしています。
「自分の勉強道具は自分で準備する」という意識が大切だと思うのです。

 

※ 写真は、娘作 「サッカーのシュートをする人」

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