「こういう”モノ”を作りましょう」「そして、その"モノ"を使いましょう」は、オブジェクト指向の見事な説明です。
けれども、実体として存在する"モノ"と考えましょうと、なぜわざわざ言わなければならないのでしょうか。
オブジェクトは、「物体」、「対象」、「客体」などさまざまな意味を持った言葉です。
このなかで「対象」あるいは「客体」をあてはめてみると、オブジェクトとは「意識や行為が向けられるもの」なのです。
プログラムは、もともと意識や行為の表明や実行なので、それにわざわざ「指向」をつなげた呼び方は、もっともらしさを狙った看板用語ではないのかと思えてきました。
そうなると、”モノ”と考えてどうかしようというのも、もっともらしさのお手伝いということになります。
これはことによると、プログラミングを専門的な難しそうなことに思わせておいて、あまり多くの人には手を出させず、一方では小学校にその名を使ったゲームもどきの教材を作って売り込もうという、深慮遠謀を秘めた表現ではないのかという気もしてきます。