海鳴りの島から

沖縄・ヤンバルより…目取真俊

2月2日の高江の様子

2013-02-02 21:51:21 | 米軍・自衛隊・基地問題

 ヤンバルクイナやノグチゲラ、アカヒゲの鳴き声が頻繁に聞こえるやんばるの森で夜明けを迎える日が続いている。霧が立ちこめる森に日が差し、朝露に濡れたエゴノキの葉や花が輝く様子を眺めながら、監視行動を続けている。2日は安倍首相が来県し、那覇では抗議行動が行われたのだが、今日は参加者が少ないだろうと思い、高江の方を優先した。

 1月30日水曜日から2日まで4日連続で工事が行われている。大米建設の作業員たちは北部訓練場内で泊まって工事現場に出てきていると思われ、それに対応した取り組みの強化が求められている。週明け以降、24時間体制での取り組みが予定されています。ぜひ多くの人のご参加をお願いします。

 2日はいつものバックホーのキャタピラー音とは違い、工事現場の南側で低くうなるようなエンジン音が響いていた。南側のり面の土砂崩れについて新聞やテレビで報じられているので、立ち入り調査が行われる前に修復作業を急いでいるのかもしれない。1日は造園工事の業者がメインゲートから出入りしていた。直径45メートルの接地帯を囲む15メートル幅の無障害物帯(のり面付近)にチガヤを植えつける準備をしている可能性がある。

 N4ゲート付近から、目隠しに使われているブルーシートを見ていると、右側の方が青色が鮮やかで新しいのに比べ、左側の方は色あせて汚れが目立つ。おそらくブルーシートが足りずに、どこかで使ってあったのを剥がして持って来たのだろう。工事現場の様子を知られないように、大急ぎで対処したのが見え見えである。しかし、県民の目から隠して工事を進めることは許されない。沖縄防衛局は早急に土砂崩れ現場への沖縄県や東村の立ち入り調査を認め、メディアに現地取材させるべきだ。

 防衛省の担当者は、赤嶺政賢衆議院議員の聴取に以下のように答えている。

Q.雨でN4が一部崩れていると聞いたが、事実か?

A.着陸帯の外の無障害物帯の一部が崩れている。幅8m×長さ15m=120㎡くらい。現在、崩れた土砂を覆うようにブルーシートをかけている。年末から年明けの雨によるものと聞いている。1月12日に確認したが、いつ崩れたかはわからない。復旧をやりかけているところ。表面が流れたので、人力で整形して、植生のためのシートをかけることになる。

 以上、引用終わり。設計図面を見ると、直径45メートルの接地帯とそれを囲む幅15メートルの無障害物帯をあわせて、直径75メートルの円形部分をヘリパッドとしている。つまり、防衛省担当者がいう〈無障害物帯の一部が崩れている〉とは、ヘリパッド本体が崩れているということにほかならない。工事の段階でそういう崩落が生じる状態で、巨大なオスプレイが離着陸をくり返したらどうなるか。

 問題が深刻だからこそ、沖縄防衛局は県民の目から事実を隠そうとしている。行政だけでなく、国会議員、県議会議員、メディアは事実の解明のため、立ち入り調査、現地取材を行ってほしい。N4の工事現場で発生した赤土流出は、貴重植物への被害だけでなく、県民の水瓶である福地ダムの汚染にもつながる。オスプレイの沖縄配備に反対というのなら、高江で起こっているこの重要な問題に、「保革を超えて」多くの人が目を向けてほしい。

 

 

 

 


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