海鳴りの島から

沖縄・ヤンバルより…目取真俊

島ぐるみ会議のみなさんの応援を受けながら

2015-06-03 22:04:21 | 米軍・自衛隊・基地問題

  3日は午前9時頃、瀬嵩の浜から14艇のカヌーで海上抗議行動に出発した。南風が強く、フロートに向かって漕ぐときには逆風となったが、風と波に逆らってスパッド台船の近くまでカヌーを漕いだ。

 手前のスパッド台船まではフロートから70メートルくらいだろうか。海には掘削用の棒(パイプ)が降りていて、午前、午後とボーリング調査が行われていた。奥の方のスパッド台船には、まだ同じ棒は下りていない。プライベートビーチの沖に停泊しているクレーン付台船(第八十八福丸)は、ガイドパイプが海に降りているのが確認できた。

 フロートのそばからスパッド台船上の作業員に向かって、抗議や呼びかけを続けた。午前11時過ぎに県道の方からシュプレヒコールが聞こえた。島ぐるみ会議のみなさんがバスでゲート前から移動してきて、ボーリング調査の状況を見ながらカヌーチームや船団を連応援してくれている。

 午前11時半前、カヌーでフロートを越えてスパッド台船を目ざした。だが、4重のフロートを越えてカヌーを入れるのは難しく、フロートの上を渡ったり、下を潜って中に入ったところで、6人が海上保安庁のゴムボートに拘束された。フロート内で拘束が続いたあと、6人はゴムボートで瀬嵩の浜の近くに運ばれ、12時10分頃解放された。

 昨年の夏は小さなフロートが1列だけだった。それと比べれば、カヌーで越える難しさは格段に増している。沖縄防衛局がここまでやるのは、カヌーメンバーがそれだけ力をつけたからでもある。最初は小さなフロート1列さえカヌーで越えることができなかったのだから。こういうのを越えるには何より場数を踏んでやり方を見つけ、体でおぼえるしかない。

 名護市民、沖縄県民は民主主義のルールを守って選挙で民意を示した。それを踏みにじって海底ボーリング調査を強行する政府・沖縄防衛局に対しては、フロートを越えてでも抗議の意思を示さなければおさまらない。

 辺野古に新しい基地を造るか、普天間基地を固定化するか。そういう二者択一の選択をでっち上げ、力尽くでボーリング調査を進める。そのためにフロートを何重にも張り巡らして市民を排除する。そういう政府の強権的な姿勢こそがおかしいのであり、それを容認することはできない。

 いまスパッド台船が立っている位置が埋め立て箇所の縁にあたる。黙っていれば数年後には目の前の海が消える。10年後には新基地が完成してMV22オスプレイが飛び回る。県民の圧倒的多数が反対しているのに、作業を強行している日本政府・安倍政権に対して、おとなしくしていたら沖縄はいいように利用されて捨て石にされるだけだ。

 ウチナンチューぬぐすーよー、腐りヤマトゥぬ政府んかい、うしぇーらってぃやないびらんどー。

 海保に拘束されたのを気遣い、カヌーチームのメンバーを激励するために、島ぐるみ会議のみなさんが瀬嵩の浜に来てくれた。ふだんゲート前にいて海上での抗議行動を目にする機会は少ないが、スパッド台船が瀬嵩側に設置されているいまは、距離はあるがじかに目にできる数少ない機会である。ぜひボーリング調査の現場を自分の目で見てほしい。

 3日はゲート前に早朝から多くの人が集まり、工事車両や海保の車両を入れないために座り込みを行っている。

http://www.okinawatimes.co.jp/article.php?id=118244

 県道からの抗議の声はスパッド台船の作業員や海保のゴムボートにも届いている。陸と海で連帯して海底ボーリング調査を止めましょう。

 瀬嵩の浜で昼食をとり、午後は晴れてはいるが時折突風が吹く天候だったので、カヌーメンバーも全員抗議船に乗ってボーリング調査に抗議した。美ら海号ではカヌーメンバー全員でリレートークをして、作業員のみなさんに作業の中止や遅延を訴えた。午後3時に行動を終えてカヌーチームは瀬嵩の浜へ、船団は汀間漁港へ戻った。

 


この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 海底ボーリング調査再開への... | トップ | 海底ボーリング調査と海保へ... »
最新の画像もっと見る

米軍・自衛隊・基地問題」カテゴリの最新記事