海鳴りの島から

沖縄・ヤンバルより…目取真俊

粉塵が舞い上がるK9護岸/K4護岸への抗議

2018-03-13 23:50:18 | 米軍・自衛隊・基地問題

 13日(火)は朝、カヌー7艇で松田ぬ浜を出発した。K2護岸では被覆ブロックの設置が始まっていたが、この日はまず、前日の事故について抗議した。オイルフェンスを越えて抗議していたカヌーに海保のゴムボートが衝突したもので、乗っていたカヌーメンバーは脳しんとうと頚椎捻挫のケガを負った。

 手漕ぎのカヌーからすれば、ゴムボートが高速で迫ってくること自体が脅威だ。GBから見下ろしている海保の保安官は何も感じないだろうが、カヌーの目線からは頭上にGBのへさきが覆いかぶさってくる。突っ込んでくる動力船には、カヌーはよけようがない。

 本来、市民の安全を守るべき海保が、米軍基地建設のために利用されているのも問題だ。森友学園関連文書の書き換え問題で安倍内閣が窮地に陥っているが、私利私欲にまみれ、腐りきった政権の下で、海の破壊と沖縄への基地押しつけに加担させられている末端の海保職員も哀れなものだ。1日も早くこういう対立を終わらせたい。

 前日の事故で海保は自己保身に駆られたらしく、この日はカヌーを絶対に入れさせないという構えで、オイオルフェンス沿いにゴムボートを並べ、中のカヌーを挟み込んで身動きできなくしていた。それでも2艇がK2護岸をめざして漕ぎ進んだが、海保に拘束されて松田ぬ浜に運ばれた。

 K2護岸で思うような抗議ができないまま時間を費やしても仕方ないので、大浦湾に出てK9護岸まで移動しながら工事の進捗状況を確認した。

 K9護岸では運搬船が運んできた砕石をトラックに載せる作業が行われていた。台船に積み直された砕石は真っ白で、ショベルカーでダンプカーに載せるたびに粉塵が舞い上がった。これで洗浄していると言うのは、沖縄防衛局のまやかしでしかない。各護岸周辺の海が白濁するのも当たり前だ。

 辺野古岬の作業ヤードには、大量の砕石が積まれている。天皇来沖に向けて機動隊の手が割かれるため、ゲート前からの資材搬入が制限されるという話がある。そうなっても対応できるように備蓄している面もあるかもしれない。

 しかし、ゲートからの搬入が1週間止まれば、砕石が足りなくなって護岸工事も止まる。ゲートでの座り込みはそれだけの力を持っているのだ。

 辺野古さこの先端部では、天気がいいのでブルーシートが巻き上げられ、名護市教育委員会による文化財の発掘調査が行われていた。名護市政が変わったが、ていねいな調査が行われるように市民は関心をもって作業の様子を見守りたい。

 春の陽光を受けて海の色が素晴らしかった。こういう海を眺め、カヌーを漕いでいると、目の前で進められる護岸工事の愚劣さがやりきれない。名護市民といっても、西海岸に住む大半の人はこの海をまじかで見ていないだろう。希望すれば船に乗ることも可能なので、ぜひまずこの海を自分の目で見てほしい。

 午後、仮設道路のK1護岸側では、これまで先端部に置かれたままになっていたクレーン車のブームをはずし、トレーラー車の載せる作業が行われていた。新しいクレーン車と交代して作業を再開するのか、明日以降の動きを注視したい。

 K4護岸では、ダイバーがいかだを使って鉄板を重ねたアンカーを海に設置し、護岸先端部の汚濁防止膜を広げる作業を行っていた。K4護岸を伸ばしていくために、前の方の作業範囲を広げる必要があるのだ。

 汚濁防止膜が広げられたあと、K4護岸では捨て石の投下が始まったので、カヌーチームはオイルフェンスを越えて抗議した。距離との関係でK2護岸への抗議が中心だが、K4護岸での抗議行動も増やしたい。

 午後3時過ぎに松田ぬ浜から見たK2護岸の様子。K2護岸のこちら側は被覆ブロックの設置が終わっている。その先の捨て石部分が露出しているところからK3護岸に入っていると思われる。午後はK2護岸の向こう側に被覆ブロックを設置する作業が進められていた。

 


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