海鳴りの島から

沖縄・ヤンバルより…目取真俊

迷走5号台風の対策に追われる作業員たち。

2017-08-02 23:56:14 | 米軍・自衛隊・基地問題

 8月2日はカヌー13艇で松田ぬ浜を出発した。抗議船は3隻が出港し海上行動を行った。迷走していた台風5号が奄美・沖縄方面に向かっている。キャンプ・シュワブの沿岸と海上では、作業員たちが台風対策に追われていた。

 映画館前の仮設道路の工事現場では、道路の先端部を根固め用袋材で囲む一方で、周辺に設置した網付きの単管を片付けていた。

 仮設道路の先端部付近にある排水路の前も袋材で波を防いでいる。その延長線上にある別の排水路では測量が行われていた。

 大浦湾の方を見に行くと、タグボートでバージ船を曳航し、大浦湾から出ていくところだった。続いてクレーン付き台船も大浦湾を出ていった。両船とも南下したので、中城の港湾に避難したようだ。

 長島周辺では作業和船がオイルフェンスや汚濁防止膜をアンカーからはずし、米軍のレジャービーチに引き揚げたり、クレーン付き台船の上に載せていた。大浦湾にはほかにも鉄棒やロープをつけたフロートが設置されている。作業員たちはその対処もしなければならない。

 沖縄防衛局がこれだけ大規模にフロートやオイルフェンスを設置しているのは、カヌーや抗議船がフロートを越えて抗議してきたからだ。台風のたびにその撤去と再設置をしなければならず、それに費やす時間は作業の進行の遅れとなる。その積み重ねが大事なのだ。

 力が足りなくて完全に阻止することはできなくても、そこであきらめてはいけない。たとえわずかでも工事を遅らせ、状況の変化を作り出す。そういう粘り強いたたかいこそが大切なのだ。華々しくたたかって散る、という刹那主義は、ひ弱な精神の自己満足でしかない。

 映画館前に戻ると、根固め用袋材の投下は終わり、浜に設置してあった塩ビパイプの撤去作業をしていた。この日は午前中で海上行動を終えたが、午後の満潮時にフロートやオイルフェンスの撤去作業が行われたのではないかと思う。

 髑髏の絵が描かれた浜の仮設道路は午前中、作業が行われていなかった。ここは根固め用袋材の設置が甘いように見えるのだが、これで台風を迎えるつもりだろうか。

 ゲート前では連日、沖縄県警による不当逮捕が行われている。名護署前では支援集会が開かれた。接見した弁護士から、公務執行妨害の容疑で逮捕されたAさんは、無実を訴えてたたかう意思を示している、と報告があった。

 辺野古や高江の抗議行動に参加すると逮捕される。そういう恐怖心を与えて市民を萎縮させるのが、警察権力の狙いである。広大な米軍基地だが、ゲートを封鎖されると人と物資の出入りができず、機能が停止する。基地にとって最大の弱点はゲートなのだ。

 だから警察権力はゲート前の抗議行動に対する弾圧を強化し、新基地建設阻止の運動を潰そうと躍起になっている。それに抗する一番の力は多くの人がゲート前に集まることだ。同時に弾圧をはね返す具体的な行動が必要である。機動隊の暴力に泣き寝入りしてはいけない。

 海上行動ではカヌーメンバー各自がカメラをもって海保の暴力を撮影し、メディアやインターネットで告発すると同時に、裁判に訴えて対抗措置をとった。ゲート前でもそのような取り組みの強化が必要だろう。それを担う志ある人が、辺野古に駆けつけてほしい。


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