以前「本能寺」で仮定法をご覧頂きましたが、あれは主役を「偶数個連鎖」にしましたので、矛盾切り返しの仮定法でしたが。しかし、主役を「偶数個連鎖擬き」にしますと新しい手法になると思います。今回も同じような場面が出現しましたので、おまけ欄に記しました。
今回の題材は、いちごナンプレ研究所 さんの作品で、ツイッターでの難易度ポイント414Pで目標タイム120分の次の図です。
よく見ると7が不在ですので、私はこの作品を「留守番」と名付けました。上級者でも120分ではとても解けない超難問です。
候補数字を書き出しますとこの図になります。整理しますと、
3で進めて、
1で進めて、
この図から解き始めますが、この本文の主役は Bahamut です。従って、これからご覧頂く数手は Bahamut のための下地です。
4の偶数個連鎖です。4から右へ 強・弱・強・弱・強・弱 で、4は削除されます。よく見ると、これは Swordfish でもあります。どちらを使っても結果は同じです。
4の偶数個連鎖です。2から右へ 強・弱・強・弱・強・弱 で、2は削除されます。これも Swordfish です。
3の奇数個連鎖です。3から下へ 強・弱・強・弱・弱 で、3は削除されます。
3の強リンクが在ります。
これに4の強リンクを繋げます。
更に3の強リンクを繋げますと、
▢の3と▢の3は一心同体になります。故に▢の3と▢の3のそれぞれと同じ領域に在る▢に対抗として3が入ります。従って3は削除されます。
3の強リンクに5の強リンクを繋げます。
これに2の強リンクを繋げます。
これが最後で、4の強リンクを繋げます。全ての数字が強リンクですので、赤グループまたは青グループのどちらかの数字が確定します。ここで眠っていた Bahamut が目を覚まします。
第3列をご覧下さい。5が入れるマスを探します。▢には3と4のどちらかが入りますので、5は入れません。ですので▢と▢のどちらかに入るのですが、
▢と▢のどちらに入っても5なのです。これが何を意味するのかお分かりでしょう。そうです。この作品には5は存在しないのです。5が存在しなければ他の全ての青数字も存在しないことになります。
存在しない青数字は削除されます。これが Bahamut の威力です。
4で進めて、
3で進めて、
8で進めて、
1で進めて、
7で進めて、
5で進めて、
1で進めて、
二国同盟で、
二国同盟で、
7で進めて、
9で進めて、
5で進めて、
6で進めて、
9で進めて、
3で進めて、
8で進めて、
正解です。
この作品を理詰めで解くには、この本文の手順と、おまけ欄に記した偶数個連鎖擬きを使った手順しか無いと思います。別の手法で解いた方はその手順を教えて頂けると有難いのですが。
おまけです。
冒頭にも記しましたが、「謀反」と名付けた偶数個連鎖擬きを使用した新手をご覧下さい。
本文で3の奇数個連鎖を使った後の図です。
2本の強リンクを見つけます。この2本を繋げた時に偶数個の Loop になり、偶数個連鎖にならない場合が攻め時です。
2本の強リンクのそれぞれの先端が同じ領域に在り、弱リンクになっている場合にその先端の数字は削除されるという手法です。上図の場合には▢の3が該当します。
従って、3が確定するという手法です。
これを仮定法で証明すると。
2本の強リンクを繋げた時に3と3が交互になるようにすると、
六つ目の3が何処に入っても、左上の3から下へ 強・弱・強・強・弱・弱 で偶数個連鎖にはなりません。つまり偶数個連鎖擬きになります。この理由ははどちらかの強リンクの色分けが違うからです。
右側の強リンクの色を反転してみると、第5行に3がダブりますので、削除されます。おまけの最初に申し上げた通りになります。
つまり、3が確定します。
3が確定しますと、芋づる式に 8・1・4・7 が決まります。
ダメ押しです。
「本能寺」の場合は、
信長座と光秀座が合体した図です。
▢を信長座▢を光秀座とすると8個型の偶数個連鎖擬きになります。(なぜ偶数個連鎖にならないのかは「本能寺」本文をお読み下さい)
▢ブロックで先端が同居して弱リンクですので、7も7も削除されます。
第9行でも先端が同居して弱リンクですので、7も7も削除されます。
削除されますと、
信長座では7が確定し、光秀座では7が確定します。
この「謀反」偶数個連鎖擬き は結構使い道が有ると思います。
次回はツイッターでの難易度ポイント404Pの、ろばくん 作の対角線ナンプレで次の図です。
今度はヒント数字に9が居ません。それで私は「留守番Ⅱ」と名付けました。通常問題として挑戦しましたが、無理だったので対角線の条件を使って解きました。それでも難しいですヨ。
ご覧頂きまして有難うございました。