俺もお前も人生の敗北者

とりあえず否定から入るネガティブ思考で常にB級嗜好なATOPのブログ

沈まぬ太陽

2009-10-29 01:13:27 | レビュー
映画『沈まぬ太陽』★★★★

仕事終わりに会社の同期と一緒に見てきました。
レビューというより感想を。

本作はかなり長い。そう3時間22分もある超大作である。
長すぎるので途中10分間の休憩があるぐらい長い。
当然、いつも以上にお尻が痛いのは言うまでもない(何。
さらに言えば映画2本長さを1本分のお代で楽しめる(ぉ。

それはともかくとして。
かなり長い映画ではあったものの、
食い入るように見ていたのでそんな長く感じませんでした。
原作は読んだことありませんが、
人間の本質、日本的組織の体質を上手に映画いていたように思います。

まぁ崖っぷち企業であるJ●Lがモデル…かどうかは定かではないが、
とにかく話しはフィクションである。もちろん団体名もね。
超映画批評でも書かれていましたが、これを映画化したことに拍手である。

そして、とにかく俳優が素晴らしい。
彼らの熱演によりこの映画は成立していると言っても過言ではない。
原作読んだことないのに本物らしさを感じます。
なんとなく予想できる人物像っていうか、らしさがでてました。
彼らに拍手です。とくに渡辺謙、三浦友和、松雪泰子、香川照之に。
もちろん、西村雅彦もいやらしさが存分に出てて良かった。


さて、ちゃんとした感想はここまで。
こっからは勝手に思ったことをつらつら書いていきます。

私は思いました。
私はあんなにはなれない。
絶対になれない。(もちろん、なる必要はない)
何かを犠牲にしてまで信念を貫けるだろうか。
何かを犠牲にしてまで正義を貫けるだろうか。
主人公・恩地(渡辺謙)が言う「矜持」は私にはない…。
こんな可もなく不可もなく、
事なかれ主義にご都合主義が蔓延した社会で
あそこまで一途に己の信じることを貫くだけの
意地もないし、矜持・プライドもないし、勇気もない。
ライバル・行天(三浦友和)が「私はいつも一歩引いてしまう」って
悲しくつぶやきますが、多くの人はそうなんだと思います。
その弱さに負けて、弱さを隠したまま向き合わずに
年を重ねていってしまうから、みな狡猾になっていくのでしょうね。


恩地の息子が言います。
「僕等とは違うんだ。お父さんとお母さんは逃げずにいきてきたんだから」。
この言葉を聞いたときには思わず涙してしまいそうでした。
その涙の意味はなんなのか見終わった今考えていました。

家族愛に触れたっていうのもあるんですが、
やっぱり人間最後に残る…いや一番胸を張れる、
賞賛されるところは「誇り」なんだろうっていうすがすがしさと、
僕等とは違うという言葉の僕等に含まれる私という存在が、
とても恥ずかしく思えてなんだと思います。


う~ん、会社って何なんでしょう。
会社って何か、組織っていったいなんなんでしょう。
今年から働き始めた私にとって難しいテーマでした。
もちろん、働いたことのない人には全く分からないテーマだと思いますが。
私にも分からないんですが、でも働こう。精一杯働こうと思いました。
会社のためとか良くわかりませんが、自分が思うままに、
自分が考えるままに精一杯汗をかいていこうじゃないかと思いました。
個人的には勝手にモチベーションが上がりました。

この半年間、会社のためになんか一度も頑張ったことありませんが(何、
逆に「何のために苦労して働いているの?」と聞かれると困ってしまいます。
何の為なのでしょうか…自分のためだと思いますが、
それを自信を持って答えにできないように思います。
お客様のためなのかっていうとそれも違う気がします。

この映画を見て考えてみました。
なんで自費で資格の勉強なんかしているのか。
なんで見ず知らずの人に付いていって必死に説明するのか。
メーカーに電話しまくって納期無理してもらったり、
アホみたいに残業して食欲もなくて帰宅直後に速攻寝たり、
外反母趾が痛くて眠りから急に目を覚ましたり(靴を買えば済む話)、
特に指示も受けていないのに売り場のことにあれこれ意見したり、
勝手に売り場改造したり、在庫数勝手に変えたり…。
いやもちろん、なんでかっていえば自分が選んだことだからっていうことと、
最終的には自分からしていかないと自分の世界は変わらないからだと思う。
自分のいる環境は自分でしか作れないんだよね。自分が作らないといけない。
それに、単純な話で、そういうことするのが好きなんだろうね。
まじめではないのだけど、根っからの仕事人間なのか、
変に一途なのかもしれないですね、好きなものに対して。

それが何のためかなんて考えることはナンセンスなのかな。
会社のためでもないだろうし、お客様のためでもないだろうし、
まぁある程度自分のためだとは思うのだけど、
別に私自身それをしなければならない理由はないからね。

とにかく。
自分から動かないとこの世界どうしようもないんだと思う。
正しいと思ったことをするしかないんだと思う。
明日からまたなんかやっていける、
立派に胸張って生きていける、
なんかやらずには死ねない、
そんな気分になる映画でした。

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