ベイエリア独身日本式サラリーマン生活

駐在で米国ベイエリアへやってきた独身日本式サラリーマンによる独身日本式サラリーマンのための日々の記録

ナガラヤ

2023-12-14 12:26:38 | 食材
ナガラヤとは、フィリピン産の豆菓子である。デイリー・シティ市やコルマ市、そしてサウス・サンフランシスコ市などのサンフランシスコのすぐ南のエリアにはフィリピン系移民が多く、周辺にはフィリピン系のお店をよく見かける。それはかつて住んでいたサンノゼやサン・マテオ辺りにはない雰囲気なので、孤独で無趣味な似非30代独身日本式サラリーマンのよい退屈しのぎになっているというものだ。フィリピンといえば数年前に、ドゥテルテという大統領の強烈な政治が話題になっていたが、今はあまりニュースを聞かない。調べてみると彼は既に政界を引退し、今は娘さんが副大統領なのだそうだ。フィリピンの大統領任期は5年で、再選は禁止されているのだという。



この豆菓子の特長は以下の通りだ。参考にしてもらいたい。



①パシフィックスーパーのお菓子コーナー
ナガラヤを見つけたのはやはりフィリピン系スーパーのパシフィックスーパーである。このパシフィックスーパーマーケットは、一見したところでは他のアジア系スーパーと特に大きな違いを感じない(ピナパイタン・ミックスの回を参照のこと)。しかしお菓子のコーナーに立ち入ると少し様子が違い、『おやおや?』という気分になる。そう、フィリピンの公用語であるタガログ語の筆記様式はラテン文字(ABC)なので(もともとは違ったようだが・・)、西洋と東洋が入り混じったようなデザインの袋菓子が並ぶ。これが固有の文字を持つ他のアジア諸国のお菓子の装丁に比べて雰囲気が違うのだ。



②ナガラヤを見つかる。
フィリピン人はスナック菓子が好きなようで、お菓子コーナーにはフィリピン直輸入と思われるスナック菓子がけっこうある。そしてどれを試そうかと眺めると、日本人ならすぐに“ナガラヤ”が目に止まる。何故ならナガラヤだけが日本語表記であるからだ。袋の正面にはでかでかとカタカナで“ナガラヤ”と書いてある。手のひらサイズより少し大きいその袋を手に取ってよく見れば、それは砂糖でコーティングしたピーナツ菓子である。筆者は『またか!』と絶句した。読者諸氏は覚えておられるだろうか。同様の菓子が日系移民のヨシゲイ・ナカタニ氏によりメキシコで開発されて“ジャパニーズスタイル”のお菓子として現地で一般化している(タリーン~コーティッド・ピーナッツ の回参照のこと)。筆者はすぐさまこのナガラヤを購入した。




③ナガラヤを買って食べる
ナガラヤはたいていのフィリピン系スナック菓子と同様に、オリジナル味に加えてアドボ(フィリピンの家庭料理で酢や醤油やニンニクでマリネした肉や魚のこと)味やガーリック味、スパイシー・ガーリック味などの種類がある。どれも旨いがニンニクが強めでたくさん食べると食傷気味になるので、基本はオリジナル味をお勧めしたい(フィリピンの人はニンニクがたいそう好きなようだ)。オリジナルのナガラヤは黄色い袋だ。これが甘じょっぱいコーティングとカリカリとした食感が絶妙で、たいへんにおいしい。間食用にもよいし、酒のつまみにもなれる。最近の筆者は職場でこいつをポリポリと頬張って昼食にしている。




このナガラヤは、フィリピンではかなりメジャーなスナック菓子のようだ。フィリピンはスペイン、アメリカ、日本に立て続けに占領された苦しい歴史を持つ(国名もスペイン国王からとったもの)。そのためナガラヤは日本の植民地時代の産物なのかと調べると、そうではないようだ。売り出されたのは1968年と比較的新しい。名前の由来を根気よく調べていくと“ナガラヤという名前は、日本の技術パートナーの名前から採用した”との一文が見つかった。発売当初にはカバヤ食品が関わっていたとの記載もあった。だがカバヤ食品さんのウェブサイトからはその情報は見つからなかった。ここまでメジャーな商品ならば、『実は開発には○○が関わった!!』などのサイトがあってもいいものを、全く出てこない。2023年も終わろうとしている。だが世界にはまだまだ、調べても分からないことの方が多いのである。

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