校長先生が、立志式のおはなしで、彗星を見つけたひとの話をしていらっしゃいました。
校長先生が、前に他の学校にいたころ、彗星を見つけて、自分の名前をつけたアマチュアの天文家を招いて、立志式に向けての講演をしていただいたことがあったみたい。
そのひとは「星が好きなら、今は星を見てはいけません。」って言われたらしい。
「今、星ばかり見て時を過ごしたら、かえって星から遠ざかってしまいます。今は、たくさん勉強して基礎を固める時です。星は、なくなりません。星は、待っていてくれます。」
そういうおはなしを、中学生に向かってされたそうです…。(又聞きの又書きなので、こまかいとこ違っているかもしれませんが…)
…なんか、切なくなっちゃったなあ。
好きなら、今は見てはいけない…なんて。そんなことできるかなあ…。
わたしは、今でこそ余生のような生活を送っているけどさ、昔は、とても焦っていたよ。
今、やらなきゃ、いつ死ぬかもわからないよ?…って思っていたよ。
星は、ほんとうに待っていてくれるのかな。そんなにのんびりしてて大丈夫かな…。
星なら、待っていてくれるかもしれないけど、今、描きたいこの気持ちは、描かなければ、霧のように消えうせてしまうかもしれないよ…なんて思っていたなあ…。
実際ね、たとえわたしが描いても、もう読んでもらいたいひとが死んじゃってる…みたいなことは、すでに起こっている。生きていても、もう会えないひともいる。
人間は、星よりも儚い。