あすきなまこブログ

七宝焼を焼いています。

野生のヒヨちゃん

2010-04-29 23:22:33 | いきもの
えーと、その後の成り行きは、にどまりのブログに詳しく書いてあるので、よかったらそちらをごらん頂くことにして…。

新・にど風呂 鳥獣保護センターにて

たぶん、筋肉を食われてしまった翼は、元通りに飛べるほどには戻らない。
ヒヨドリは、とてもたくさんいる鳥だし、農業被害だって出しちゃうわけだし(わたしだってブルーベリーを守ろうとしたし…)怪我が治るまで、そっと飼い続けたとしても、きっと誰にも咎められないだろう。

でも、今、うちには、他人の出入りがある。それも小学生だし、秘密が守れるとは思わん。
それに、万が一だけど、もしもこの野鳥から人間へ何らかの感染があったら、わたしは責任を取ることはできない…。「この鳥と、個人というだけではなくて、人間社会全体に影響が出ます。」と、職員の人にも言われた。
今は少し、話題が下火になっているけれど、鳥インフルとか流行っていたころは、野鳥の餌台を庭に作るのもはばかられたようだ…。近所の人から苦情を受けて、ささやかな楽しみなのにそれを奪われて悲しかった…みたいな話を聞いたこともある。

…というわけで、鳥獣保護センターに預けて帰った。職員の人は、とても丁寧に診てくれたし、ヒヨドリは人に慣れやすく、餌も食べるようなら、いろいろな治療も試みやすいと言われた。猫の牙が入ったところがパンパンに腫れているとのことだったから、抗生物質などももらえるかもしれない。

あのまま、わたしがあのヒヨドリをそっと飼ったとしても、結局看取るだけになったかもしれない。
野生のものは、野に在るのがいちばんなんだろう…。野の中で、わたしの知らないたくさんの鳥が食ったり食われたりしているだろう…。

…だけど、道に落ちているかわいい鳥を拾って、勝手に飼うことは、もう禁じられている世界に、わたしは住んでいたのだな…と知った。

もしも、治ったら、あのヒヨドリは野生に帰される。無事、帰したら、ハガキで連絡をくれると、職員の人は言った。でも、それ以外の経過は、こちらからはお知らせしません…電話で、問い合わせてもらったら答えます、とのことだった。

あれから、まるひと月経った。ハガキは来ない。
電話をする気にもなれない。

ただ、その鳥獣保護センターのそばに、雨に濡れながら、赤い椿がたくさん咲いていた。もしも放してもらったら、きっとあの花の蜜を飲むだろう…と思った。もう、椿の季節は過ぎたけど、静かな山だった。なぜか遠くに連れてきてしまったけれど、あの山もきっとよいところだ。

…そんなことも思って自分を慰めたけれど、しばらくわたしは、失恋したような気持ちになっていたのでした…。
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怪我したヒヨドリ

2010-04-29 20:36:11 | いきもの


次の日の朝、ヒヨドリはまだ生きていた。くちばしが濡れていて、水を飲んだ形跡もあった。
ちょうど買っていた、清見オレンジを少し切って入れてやった。

昼ごろ見たら、怪我してるのに、とてもよく食べていて、このまま飼えそうな気がした。
ネットでいろいろ調べてみたら、ヒヨドリは、農作物を荒らすので、狩猟許可が出ているらしい。だったら、そっちの方のお役所に聞いたら、飼養許可も出るんじゃないかな…とぼんやり考えつつ…。


さて、にどまりは、ヒヨドリのこと、…かなりの深手みたいだし、多分ひと晩もたないだろう…と思っていたらしい。でも、朝おきて、元気にみかんまで食べた…と話すと、彼も飼う気になって、いろいろ聞いてみたほうが早いと思って、県の鳥獣保護センターに電話してくれた。

…そして、知った事実は…、「岡山県では、野鳥の捕獲、飼養は一切禁止されています。」

…県によって違うらしいのだが、とにかく岡山県ではそうらしい。確かに、一部許可などしたら、悪用して野鳥を捕獲して売りさばく人とか出てきそうだ…。

傷の様子を話すと、もしも神経を痛めているようだったら、処置は早いほうがいいとのことだったので、すぐに鳥獣保護センターに連れて行くことにした。この日も雨が降っていた。池田動物園の裏手の、細い山道を少し登ったところに、その建物はあった。

                                      つづく
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あの鳥はもう死んだのかな

2010-04-29 16:04:18 | いきもの
いつも、わたしは割に好き勝手に生きてて、自分は自由な方だと思っていた。
わたしのことを縛るものは、ほんの数えるほどしかないし。

でも、まだ寒い雨の中で、わたしはそんなにも自由じゃないことを知った。
三月の最後の日の夕方に、片羽を痛めたヒヨドリを拾った。
その子の話をそろそろ書こう。

自分は、なかなかに矛盾に満ちた存在だということも知った。だってその小雨の中、なんで外に出てたかっていうと、ブルーベリーの鉢植えに、ネットをかぶせようかなって思ってたわけだ。たくさん白い花が咲いてて、これ、実がなったらどうせトリさんの餌食になっちゃうんだよね…、主にヒヨドリのね…って思って。
以前、100円ショップで買っていた青いワイヤーネットがあったので、これをうまいこと組み立ててなんとかならないかしら…って思ってごそごそやってたら、塀のむこうを自転車でよろけながら通るおばさんが見えた。「あんた、こんなところにいたら通れんじゃない…。」とかなんとか言いながら。なんじゃろ?と思って、道に出ていくと、道の真ん中にヒヨドリがうずくまっていた。そして、路地に逃げていくねこの後ろ姿も見えた。
はい、考えるより体が先に動きますた。落ちている鳥は拾ってしまうのよ…。(このごろ「ヒナを拾わないで!」っていうキャンペーンしてるけど、これは、怪我をした成鳥だからセーフですね。)

にどまりに頼んで、保護用のダンボール等の手配をしてもらう。うずら用に使っていたわらもあったし、水入れもあったし、ペット用のあんかもあったので、よいおうちができた。空気穴がいくつか開けられていた。待っている間、ずっと抱いていたのだが、とてもおとなしかった。後で見ると、抱いた手のひらに血がついていたから、かなり痛かったのかもしれない。

玄関のところで、ひと晩、様子を見ることにした。        
                                              つづく
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