読書と映画をめぐるプロムナード

読書、映画に関する感想、啓示を受けたこと、派生して考えたことなどを、勉強しながら綴っています。

「これから5年、いよいよ正念場」(船井幸雄著/徳間書店)

2006-08-18 17:28:11 | 本;ビジネス
第一章 世の中はまったく効率的。すべては必要、必然と考えてよい
第二章 マクロな見通し、大きな予測は、なぜかこれまで100%当たってきた
第三章 未来を予測するコツは、「びっくり現象」を解明すること
第四章 これで時流がわかる。未来型人間船井幸雄の一週間
第五章 これからこう生きよう。「百一匹目の猿現象」を起こそう

本書は船井氏がヴィクター・ソーン著、副島隆彦訳の「次の超大国は中国だとロックフェラーが決めた」に触発されて書いたという。いつものように著者の自慢話には目をつぶらなければならない。また、内容の大部分が過去の著作の引用になっている点もしかり。その残りの部分に本書を読む価値がある。

「この本を読むと、いまは多くの予言書でいっている『末法の世』にすでに突入しており、このままでは宇宙の大ルールである秩序維持機能と秩序形成機能が近々働き、地球人類は近未来に滅びるか、滅びないまでも原始人から再出発しなければならなくなる可能性が高まってきたと、私の知識からは判断せざるをえないのです。すでにその確率は、四十~五十パーセントはあるでしょう」と多少物騒な話だ。

「私の認識では、われわれがしっかりと生きていさえすれば、2020年頃には『みろくの世』といっていい、『すばらしい時代』が築けるはずでした。しかし、その確率はすでに六十パーセントくらいしかなく、下手をすれば五十パーセントを切りかねない・・・と思えるくらい『ソーン・副島本』は、私にはショックでした。そこで、それではわれわれはこれからそう生きるべきかを書いたのが本書です」。

本書にはそうした時代認識のもとに今後、世界の中で特に日本が演じなければならない役割について書かれてある。また、著名な外国人から日本、日本人を応援した以下の話を紹介している。

「ガルブレイス教授は、近代社会に蔓延している市場原理や競争原理に異を唱え、人間愛に基づいた経済を追求し続けた。その理想にもっとも近い国として、日本に並々ならぬ期待を寄せていた。氏は、『アメリカでは、幸福がより多くの財や富から成り立つという考え方にとらわれているが、日本はこうした状況を拒否し、人間らしい生活に重きを置く、新たな文明に向っている。日本は再び世界を先導するだろう』と語った。そして、『日本人がそのことに気づいていないのは残念だ』とも」。

「アインシュタインは、1922年、ノーベル賞受賞の報を受け取った一週間後、初めて憧れの国、日本の地を踏んだ。そして、その感激を言葉にした。『日本人は、どの国の人よりも知的で、芸術的で、思いやりがある』『この地球という星の上に、今もなおこのような優美な芸術的伝統を持ち、素朴さと心の美しさをそなえている国民が存在している』『日本は絵の国、詩の国であり、謙遜の美徳は滞在中もっとも感銘を受け、忘れがたいものになった』『日本人ほど純粋な人間の心を持つ人々はいない。この国を愛し、尊敬すべきである』さらには、『我々は神に感謝する。我々に日本という国をつくっておいてくれたことを』とまで語った」。

「ペリー提督は、『日本人は礼儀正しく、穏やかで、教養高く、学問、知識の点においても優れている。彼らはオランダ語やシナ語にも精通し、科学や世界地理にも詳しかった』と語り、『日本はすぐに最も恵まれた国の水準まで達するであろう』と予言した」。

「もっと古くには、フランシスコ・ザビエルが、『日本人より優れている人々は見つけられないだろう。彼らは善良で、悪意がなく、驚くほど名誉心の強い人々で、大部分の人々は貧しいが、貧しいことを不名誉とは思っていない』。

「ゴッホは日本人の美意識に魅せられ、『まるで自身が花であるように自然の中に生きる。簡素な日本人が教えてくれるものこそ、真の宗教ではないだろうか』と言った」。

「ドイツの偉大な建築家ブルーノ・タウトは、伊勢神宮や桂離宮など、機能と美しさを兼ね備えた建造物を見て、『この美しさを表現すべき言葉を知らない』と絶賛し、日本建築の研究に没頭した」。

「トルストイは日本文化や神道を研究し、徳富蘆花らとの交流を通じて、『人生理想の生活を現実に求めれば、日本の農夫の生活がこれに近い』という結論に行き着いた」。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿