あるBOX(改)

ボクシング、70年代ロック、ヲタ系、日々の出来事などをウダウダと・・・

最近の収穫:水谷公生「A PATH THROUGH HAZE」CD

2016年02月21日 | 邦楽
1960年代後半から1970年代初頭にかけ、柳田ヒロらと様々な
ニュー・ロック系のセッションに参加した水谷公生さん。

ニュー・ロックを愛好し、日本の同ジャンルを研究している
ジュリアン・コープは、この時期の水谷のギターワークを
「日本のフランク・ザッパ」とし、最重要ギタリストと見做し
しているとの事。
※ティアドロップ・エクスプロ-ズのVo.コープさん、
 「シャット・ユア・マウス」のエンディングと同時に
 銃に撃たれたかのように床に倒れこむ姿が印象深いが
 いまは日本のニューロック研究本まで出していらっしゃる。
 パンク以降に出てきたミュージシャンが日本のアートロック
 研究なんて面白いねぇ・・・。
 倒れこむパフォーマンスはジム・モリソン(ドアーズ)の
 影響まる出しだが・・・。



その水谷公生さんが発表した唯一のソロアルバム
「A PATH THROUGH HAZE」。中古盤で購入。

金曜日、金属恵比須のイベントに参加できなかった
寂しさから、週末は新宿を徘徊。

ディスクユニオンのジャパニーズロック・コーナーで
発見し、「おお、これがあの!」と裏ジャケを見たら
「Kimio Mizutani」の名前のほかに
「Takeshi Inomata」drum
「Masaoki Terakawa」Bass
~というリズムセクションの名前が続く。

即買いで御座います。
レコード原盤の発売は1971年。

時期で言えば「LOVE LIVE LIFE + ONE」とほぼ同時期。

内容はジャズロック。
ロック畑のギタリスト水谷さんが、先鋭的なジャズ系
ミュージシャンとセッションを繰り広げた印象。

「LOVE LIVE LIFE」ほどフリージャズっぽくは無いが
個々のギターフレーズと、その音色はグッと来ます。
※確かにザッパ的なギター音が聞こえる時あり。
 ジョン・マクラフリン(g)の影響も感じられる?

マイルスは電化に於いても多くのフォロワーを生んだと
言われるが、多くがジャズ系だった日本のスタジオ
演奏家も大いにミュージシャンシップを刺激されたと
言えるだろう。

当時の英米ロック・ミュージシャンもジャズをバック・
グランドにしてる人が多いので、日本の先鋭的ジャズ
ミュージシャン(特にリズムセクション)が本気で
ロックに接近したら、そりゃ面白い事になるでしょう。

全体的にはジックリ曲が進むアルバムかな。
ロックとジャズの両ミュージシャンがお互いの領域に
足を踏み入れ、それこそが先鋭的と言われた時代。

彼らが境界線を溶かした結果、ユニークなアルバムが
誕生した印象だ。

ムーグやオルガンのサウンドも、今聴いたら実に時代
掛かっており、最高だ。



紙ジャケ再現版では開いた中にメンバー写真あり。
後の日本音楽界に影響を残す需要なプレイヤーだ。

A PATH THROUGH HAZE 1971年
参加ミュージシャン
水谷公生:ギター/アコースティックギター
佐藤允彦:オルガン/ピアノ/ムーグ・シンセ
鈴木宏昌:エレクトリック・ピアノ
寺川正興:ベース
武部秀明:ベース(水谷氏とはキャリア初期からの盟友)
猪俣 猛:ドラム
伊集加代子:スキャット・ヴォーカル
外山ストリングス・カルテット
江藤ウッド・カルテット
柳田ヒロ:オルガン(ノークレジット)

70年代日本の主要なロックアルバムにプレイヤーとして
参加し、70年代後半から1980年代にかけては、歌謡曲から
ロックまで幅広いジャンルで編曲家として活動する水谷氏。

太田裕美を始めとするアイドル歌手から、浜田省吾ら
ロック系のアーティストなど、数多くの作品に参加。
その過程において「時代が作らせた」1枚と言えるでしょう。



購入した帰りは新宿キリンシティで祝杯。
もちろんビールはキルケニー。

ジャケットを眺めながらライナーノーツを読み、
オニオンリングをツマミながらのエールビールは最高だ。

浮世の悩みを忘れさせてくれるねぇ・・・。

ディスクユニオンでYUKA & CHRONOSHIPのサードCD購入

2016年02月21日 | 邦楽
金属恵比須が出演する3月のジャパニーズ・プログレ・
バンドによる室内フェス
21stCentury Prog Rock Stars FEST-新世代への啓示-



そこに出演する「Yuka & Chronoship」も、なかなか
評価が高いバンドだ。

バンドのHPを見ても凝りまくったアートワークに
目を奪われる。

CDショップの紹介も興味深い記述が目立つ。

2009年の結成。常にプログレッシヴ・ロックに拘り、
英国を意識した作品創りを心掛けてきたバンドと
言われている。

幾つかの海外フェスに参加して注目を浴びた点など
金属恵比須に通じるが、積極的な海外プロモーションが
功を奏し、遂にイギリスデビューを果たしたという。

英レーベルから全世界へ向けリアル・タイムで新作が
リリースされるという事は、かつて日本のバンドが成し
得なかった初の快挙と言われる。

アートワークにロジャー・ディーンを起用したセカンド
アルバムにて足掛かりを作る事に成功。
※え?


 それじゃフェスのフライヤーに載ってたバンドロゴは
 本家ロジャー・ディーンだったの!?
 しまった、良く見りゃ「Roger Dean」の文字があるわ!

2ndアルバムはネイビーとブルーのグレデーション
上にバンドロゴが乗っかるというシンプルなモノなれど。
ロジャー・ディーンの御威光は強力だ。

そして、バンドが最も重要視していたサード・アルバム
「The 3rd Planetary Chronicles(第三惑星年代記)」。

その凝りまくったジャケット・アートは、これまた圧巻。



サード・アルバムにちなみ、「第三惑星(地球)」に
起こった人類の歴史の中で、科学的、技術的革命を
テーマにしたコンセプト・アルバム。

CD解説は伊藤政則氏。
初回盤のみジャケットのアートワークと連動した、未発表
楽曲キー・ビジュアルを使用したミニ・ポスターとモノ
トーンのカード2種が封入されている。
※カードは未来と過去が混在するタロットのような印象だ。



楽曲はビジュアルアートのイメージ通り、シリアスだ。
(もっと聴き込まなければ全容は把握できないが)
劇的な展開変化やハードさで畳み込むというより、
シンフォニックなムードが全編を包んでいる印象を受けた。

ライヴでの再現力にも注目だ。
海外フェスで鍛えた演奏力・表現力に期待ですね。