あるBOX(改)

ボクシング、70年代ロック、ヲタ系、日々の出来事などをウダウダと・・・

ヴァン・ダー・グラーフのアルバム復習「ザ・クワイエット・ゾーン/ザ・プレジャー・ドーム」「VITAL」

2012年06月30日 | CD紹介(洋盤)
いよいよバンドも後期。
グループ名からも「Generator」が取っ払われました。

メンバーも変わって発表されたのが8枚目のアルバム
ヴァン・ダー・グラフ「ザ・クワイエット・ゾーン/ザ・プレジャー・ドーム」



1. Lizard Play
2. Habit of the Broken Heart
3. Siren Song
4. Last Frame
5. Wave
6. Cat's Eye/Yellow Fever (Running)
7. Sphinx in the Face
8. Chemical World
9. Sphinx Returns [Instrumental]

オルガンのヒュー・バントンとサックスのデヴィッド・ジャクソンという初期からバンドを支えてきた重要メンバーが脱退、
代わりにベースのニック・ポッターが復帰、そしてヴァイオリンのグラハム・スミスを迎え、音楽性は大きく変化した。



ヴァイオリンはキコキコと音色を奏で、ハミルのエキセントリックなボーカルを引き立てる。
う~ん。
やっぱり、このアルバムは入門盤としてはオススメできない。


そして、唐突に発表されたライヴ・アルバム「Vital」
リリースは1978年。
初期の名盤を聴いてきた者がこのライヴを聴くと荒々しい演奏にドギモを抜かれてしまう。
ハミルのギターは歪み、ヴォーカルは吼える。



ディスク:1
1. Ship Of Fools
2. Still Life (Live)
3. Last Frame (Live)
4. Mirror Images (Live)
5. Medley (Parts Of 'A Plague Of Lighthouse Keepers' And 'The Sleepwalkers') (Live)
ディスク:2
1. Pioneers Over C (Live)
2. Sci-Finance (Live)
3. Door (Live)
4. Urban: Part 1/Killer (Section)/Urban: Part 2 (Live)
5. Nadir's Big Chance

お馴染み曲も直ぐには識別できない。

も~、なんだか分からない。
VDGGの特徴でさえあったオルガンとサックスが脱退し、ハミルのギターとバイオリン中心で強引なライブ演奏。ベースも強力。

パンクが出現した時代、触発されて
実はパンク以上だったハミルの攻撃性が露呈されている。

パンクの連中だってハミルには一目置いていたのだ。

ただし、私はハミルの叙情性やエレガンスも好きだったので、
「静と動」の“動”を強調したサウンドには付いて行けなかった・・・というのが正直な感想。

また聴けば印象が違うかも知れない。
買いなおして聴いてみるかな・・・。

ヴァン・ダー・グラーフ・ジェネレイターのアルバム復習「ワールド・レコード」

2012年06月29日 | ライヴ
VDGGの76年発表の7作目。
「World Record」

次のアルバムでメンバー交代して曲の雰囲気も変わるので
再結成VDGG3部作の最後のアルバムと言える。

今作では、録音が自然すぎるくらい自然。
ピーター・ハミルのヴォーカルも「生歌」的で、目の前で歌われているような印象を受ける。

各楽器の音色も自然・・・というか普通に録ってミックスしたような音。
ハモンドも、いかにもハモンド・サウンド。
シンセというか、キーボードの音は面白い。
ZAPPAさんの「ピーチェズ...」みたいな音色も時おり飛び出す。

ドラムも普通の音。スネアとバスドラがしっかり録られたサウンドだな。
ギターも普通のディストーション・サウンドが聴かれる。逆に新鮮だ。
全体的に、普通のロックバンド的な音作りがなされているが、
これが、また逆にVDGGの突出した個性を浮き彫りにした結果になってて面白い。



1曲目「When She Comes」
試し弾きのようなオープニングにワクワク。
シンセっぽい響きに「このアルバムはシンセサイザー大胆導入かな?」と期待。
ただし、そこから演奏と歌が始まれば、もうVDGG節。
サビの曲調が明るめで、背景で高らかに鳴るキーボードのメロディが素晴らしい。

2曲目「A Place To Survive」は、ある意味でVDGG異色曲。
シンプルなドラムのイントロ、キーボードが奏でるリフ。これがアンディ・フレイザーが考えそうなアレンジで
「VDGGがフリーみたいな楽曲を演ってるじゃないか!」と私は驚愕。

歌に入ればハミルの呟きヴォーカル。
サビではVDGG節。印象的な装飾メロディも素晴らしい。

3曲目「Masks」
悠々としたサックスで始まり、ハミルも同様に歌う。
ギターのディストーションだろうか、歌に張り付くノイズのような効果が面白い。
相変わらず捨て曲が無いな、VDGGは。

4曲目「Meurglys III (The Songwriters Guild)」
お、久々に教会音楽風のオルガン?
・・・と思ったら、不協和音に突入。ハミルさんの歌を挟んでハミルさんのギター・ソロ。
これが味あって素敵だ。メロディも、音色も!
井上尭之バンド時代の尭之さんのようでグッと来ますな。

テクの応酬は無いが、サックスとオルガンも演奏で参戦。最後はインストからレゲエのリズムでフェイドアウト。

5曲目「Wondering」
フルートで始まるVDGG得意パターンの曲。
シンセが使われており、聴きようによっちゃツェッぺリンの「イン・スルー・ジ・アウトドア」のような雰囲気も感じる。
それでも終盤はキーボードが教会音楽的に天空を舞い、コーラスも荘厳に重ねられ、タイトル名を連呼しながらフェイドアウトしていく。



劇的に曲調を変えてエンディングに持っていかないのが「親しみやすいVDGG完成」ってワケなのか・・・。

色んな意味で、音色に同時代性が感じられるアルバム。

充実作でありながら
VDGGの70年代が終わった事を示す作品かも知れない。

ヴァン・ダー・グラーフ・ジェネレイターのアルバム復習「スティル・ライフ」

2012年06月28日 | CD紹介(洋盤)
再結成第2弾(76年)。
この6作目「スティル・ライフ(Still Life)」を再結成後の最高傑作に挙げる人も多い。

タイトルは「人生こんなもんさ」的なモノかと思っていたが、「静物画」の意味だそうな。
内省的な曲が並ぶ、一聴して地味なアルバムだが、
個々の楽曲は、よりメロディアスに聴きやすくなり、孤高のヴォーカリスト=ピーター・ハミルの歌唱は円熟の域に達したようだ。

一聴して穏やかなようで、張りつめた緊張感ただよう、美しい作品だ。
ジャケットも素晴らしい。



1曲目の「Pilgrims」は、印象的なキーボードのリフから始まるミディアムテンポの佳曲。
ジェントリーなハミルな歌声。終盤はシャウト。
歌も演奏も緩急自在で抑制が効いている。人気曲だが、それも納得。私も好きな曲だ。

2曲目の「Still Life」は、まるで鎮魂歌のようなオープニングと歌い出し。
こんな暗い歌い出しの曲が他にあるだろうか。

・・・で、アルバム全体が「暗い」「地味」「内省的」となってしまうのだが、この曲もジワジワと盛り上がり
終いにゃ、ブ厚い演奏をバックにハミルさん絶叫。

途中でブチ切れた転調やガラリと曲調の変わる演奏が乱入するなど・・・の異様な展開は、再結成後は封印されてるワケで
(というか、解散前がエグすぎたので、それなりの事やっても目立たないんだな)

それでも淡々と曲を盛り上げ、最後はVDGG流のハード・ソングにしてしまうのだから
頭が下がると言うものです。

3曲目「La Rossa」は、静かなキーボードのオープニングから、やはりハミルの歌唱に合わせて
演奏に火が付くパターン。

4曲目「My Room(Waiting for Wonderland)」は、終始穏やかな曲調。
オーボエの音色が繊細で美しい。ベースレス構成のVDGGだが、この曲ではウッドベース的なサウンドがボトムを支えている。

5曲目「Childlike Faith in Childhood’s End」は
これまた淡々としたフルートの刻みで始まる曲だが、これまた時間経過と共に歌も演奏も盛り上がり
演奏はダイナミックに戦車の如く前進、そして静と動の曲調を行き交い、美しいメロディを重ねていく。
ここでも、ハミルのヴォーカルは感動的だ。



前作「ゴッドブラフ」に比べ、繊細で美しいと言われる「スティル・ライフ」だが
再結成後の基本路線は同じように感じる。
(アルバムごとの劇的変化は無し)

ハミルの絶叫と、ブ厚い演奏隊にも、
ここでは調和・抑制・洗練が感じられ、

やはり中期の充実作といって良いでしょう。

ヴァン・ダー・グラーフ・ジェネレイターのアルバム復習「ゴッドブラフ」

2012年06月27日 | CD紹介(洋盤)
いったん解散したVDGG
ハミルはソロ活動を本格化したが
75年、急にVDGGを再結成。そして発表したのが「ゴッドブラフ(Godbluff )」。

72年~74年の3年間
ロックの黄金時代と距離を置き、復活したVDGG。

メンバーは解散前と同じ
Peter Hammill:リードボーカル、ギター、ピアノ
Guy Evans:ドラムス、パーカッション
Hugh Banton:キーボード、ボーカル   
David Jackson:サックス、フルート



全4曲だが、弛みなしの楽曲は聴き応え充分。
演奏は「Pawn Hearts」に比べたら、さすがにテンションは落ち着いている。

そりゃ飽和状態を突き破って解散したバンドの再結成だから、以前の狂気を継続するなんて無理ってもんです。

オルガンも以前の荘厳さ、教会音楽っぽさが後退し、親しみやすさを感じる。
(私は荘厳で教会音楽的なキーボードが好きなんですが)

1曲目「The Undercoverman」。
強くディレイ掛かったエンドレスのようなフルートをバックに、囁くような小声で歌い出すハミル。
静やかなボーカルから、凛々しい歌声のへの転換、途中で割って入るサックス、美しいフルート、ヘヴィに低域部を支えるオルガン。
曲が進むにつれて演奏の熱が上がり、ハミルは時おり絶叫。

結局・・・
全体のコントロールは行き渡っているとはいえ、基本的なVDGGスタイルは変わらない。

前曲エンディングのキーボードから、そのまま静かに始まる2曲目「Scorched Earth」
ヴォーカルは前曲の勢いを維持したまま、最初から絶叫調。
相変わらずハミルのヴォーカルに合わせて演奏は盛り上がり、テンションは高い。
リズムはチェンジし、キーボードとサックスが鳴り響く。
最後は混沌とした音の塊から、(VDGGにしては珍しい)ギターのフィードバック音で終焉を迎える。



3曲目「Arrow」はドラムのフェードインから始まり、サックスが鳴り響き、そこにハミルのシャウトが飛び込んでくる。
シャウトだダミ声だといっても、基本は野太さとは無縁の文学青年声だが、ややヒステリックな叫び声は凄い。
後半、演奏は戦車のように進むが、あくまで理知的である。

4曲目は「Sleepwalkers」。
印象的なリフにヴォーカルが絡む。演奏も余裕綽々。
途中でラテン調のダンサブルなリズムとフレーズも飛び出す。

以前より耳障り良い曲ながらVDGGらしさは失わない曲群。

やはり、さすがVan Der Graaf Generator
復帰後だって駄作なし。

ヴァン・ダー・グラーフ・ジェネレイターのアルバム復習「ポーン・ハーツ」

2012年06月26日 | CD紹介(洋盤)
71年発表の4th。VDGGの最高傑作とする人も多い。
ただし、私は前作でギリギリ守っていた一線を越えた「奇作」だとも思っている。

ある意味、あっち側に行っちゃってます。常人の作る音楽じゃありません。

収録も全3曲です。そんな長尺なソロを聴かせるバンドじゃないのに、1曲1曲が全部長いんです。
アナログ時代はB面1曲です。



1. Lemmings (Including Cog)
2. Man-Erg
3. A Plague Of Lighthouse Keepers (Medley)

ベースのニック・ポッターが抜けて、ベース部分はオルガンのヒュー・バントンが兼任しているのですが。
ドッシリと低音を支える専任ベーシストが抜けて、なんか不安定感が増したというか。音が地面から解き放たれてしまいました。

スペイシーな導入部から始まる「Lemmings」。美しいハミルの裏声ヴォーカル。
しかし一転してヒステリックに乱れ暴走するダミ声ハミル。

興奮を煽るドラム、オルガンの低音が不安感を煽り、空間を切り裂くサックス…。
最後はキーボードがメロディとは言えない音を発しながら延々と浮遊して、ドラムスの5連打で終了。
な、なんなんだコレは・・・。



そして名曲「Man-Erg」。
美しいピアノの前奏、高貴なハミルの歌声、バックを彩る教会風のオルガン・・・
「ああ、Refugeesの系譜に位置する耽美系のバラードだぁ」と天にも昇る気でいたら、一気に曲は盛り上がり
ハミルさんの声色がパワフルに変わる。

そして美しいピアノと歌声と荘厳なオルガン曲に戻る。
そしてまた盛り上がる。
浮遊するサックスソロと教会風オルガン。

ここまでは常識の範囲内。

天空から降りてくる叫び声のようなサックスの高音域が耳を貫き、ブチ切れたユニゾン演奏が炸裂する。
オルガンは暴れ回り、ハミルは叫ぶ。

混沌。狂気。そんな言葉が頭に浮かぶ。

そして再び美しき「静」のパート。
高らかな歌声、荘厳なコーラス、美しき伴奏が響き渡るクライマックスに、再び中盤の邪悪な演奏が交錯し、劇的にヴェートーベン的なエンディングで崩壊しながら音が散っていく様は、感動的ですらある。

最初は、その狂気に気圧されてしまったが、いまでは畏敬の念を持って「名曲」と言える壮絶ソングです。



そして、最後の「A Plague of Lighthouse Keepers」。
23分の大作。
ハープシコードを擦るような音を重ねたイントロ、これまた浮遊するような演奏をバックに崇高に歌い上げるハミルの声。

違和感なく組曲を繋いで大作として、これまた何かを超越した清々しさが曲に満ちている。

この時、ピーターハミルは20代の前半。
仲間にも恵まれたとはいえ、恐ろしい作品を作り上げたものだ。まさに鬼才、奇才の本領発揮。



こんなアルバム作った日にゃあ、そりゃバンドには「やる事」が残りません。
69年の2ndアルバムから、凄まじい加速度でバンドのエネルギーが膨張を遂げて、わずか3年で飽和の限界を突き破り、芸術と狂気の一線を越えてしまったのですから・・・。

そんな訳なのか
バンドは一旦解散します。
1971年という輝かしいロック黄金期にVDGGは一度シーンから姿を消してしまうのです。

他のバンドが73年あたりでマンネリ化、76年で行き詰まり・・・という道を歩む中、
ヴァン・ダー・グラーフ・ジェネレイターは、やはり孤高の存在としてファンの記憶に残る事になったのです。

ヴァン・ダー・グラーフ・ジェネレイターのアルバム復習「H To He...」

2012年06月25日 | CD紹介(洋盤)
そしてバンドは進化を続け
1970年にサードアルバム「天地創造(H To He,Who Am The Only One)」を発表。

1曲目は「Killer」。
割と分かりやすいサックス・リフとユニゾンするハミルさんのヴォーカルも常軌を逸しない範囲で個性を発揮。
演奏はスリリングで、オルガンの重い独特の音色や、オカズ炸裂ドラムにも参りました。
このオープニングソングのお陰で、「H To He...」は私にとって格好のヴァンダーグラーフ入門編となったのでした。



そして2曲目「House With No Door」。
「Afterwards」や「Refugees」の系譜を継ぐリリシズム溢れるバラード。
ピアノのイントロ、後半のサビで聴かれるハミルの裏声、中間部の美しく優しいフルート・ソロ。
詩も一聴して分かる、救いようのない孤独、どん底の暗さ。美しいほどの。
これも、ある意味わかりやすい秀曲。

3曲目の「The Emperor In His War Room」では、ロバートフリップがゲスト参加。
当時エレクトリック・ギターを使ってなかったハミルの代わりに後半のギターソロを聴かせる。
※これがロングトーン絡めまくりの「いかにも」なソロで。フリップさんのファンは必聴です。



4曲目の「LOST」は10分を越える重々しい大作だが、途中で暴れ出す演奏隊の分裂気味な音色が胸に痛い。
終盤「I love you」と繰り返すハミルの悲痛な叫び。
「I Love you」と歌うのがここまで似合わない歌い手がいるだろうか。
「LOST」という曲名からして、
愛する相手が去った「失恋ソング」と思わせるが、それをここまで高貴に大仰に歌い上げ、演奏で盛り立てるのは凄い。
ただし、ハミルさんの場合の「You」は自分の中に居るもう一人の自分だったりするから始末が悪い。
VDGGの曲はハミルの自己対話ソングが大半・・・って気がします。



5曲目は「Pioneers Over C 」
「Sea」ではなく「C」。いかにもVDGGな言葉選びという気がします。
SFチックだなと思って歌詞を見たら宇宙での話で。

1983年に宇宙へ飛び立ち、銀河と1000の星を眺めた「私」。
しかし、「私」は落ちて行く。空へ。地球へ。地表へ。

Somebodey Help me

――ああ
またしてもブラッドベリ的な世界・・・。

「私」は宇宙飛行士か。それとも宇宙船そのものか。

宇宙空間を浮遊するような演奏、終末を迎える「私」の精神状態のような不安定さ、不気味なカオス。

歌唱も演奏も崩壊寸前ながらギリギリの一線は守り
それは、このアルバム全体の印象にも繋がる。



アヴァンギャルドでも無いし、ジャズロックでも無いし、シンフォニックロックでも無い。
荘厳でVDGG以外は作り出せない世界、楽曲群。

技巧的にも無理をせず、出来る範囲で独創的な作品を作り上げる。
2ndアルバムで見せたVDGGスタイルを確立した1枚と言えるでしょう。

ヴァン・ダー・グラーフ・ジェネレイターのアルバム復習「1st」「2nd=精神交遊」

2012年06月24日 | CD紹介(洋盤)
8月の来日公演が決まった英プログレッシヴ・バンド=Van Der Graaf Generator(略してVDGG)

バンド結成は古く、1967年。中心メンバーはヴォーカルのピーター・ハミル。
スラリとしたハンサム青年ハミルのナル入った哲学的で内省的な歌詞、静と動を行き交うヴォーカルと、それに付随して変化する演奏隊の織り成す個性が、一部のプログレ・ファンから熱狂的に支持されたバンドである。
※本当は私のような人間は聴いちゃいけないのかも知れないが、好きなものは仕方ないのである

本来トム・ジョーンズ系の骨太ヴォーカルが好きな私からすると、当初ハミルさんの文学青年的なヴォーカルは線が細く感じたが
これが一旦ハマると堪らないのである。

結成直後、バンドはメンバーが定まらず
なんとか、68年に1stの「エアゾール・グレイ・マシーン(The Aerosol Grey Machine)」を発表。



68年ですから、サイケ入ったフォーク・ロック。
以降のアルバムとは趣が異なる1枚で、まだ個性は確立されていない。
しかし、後のVDGGらしさの発芽は聴き取れる。

01.「Afterwards」はリリシズム溢れるバラード調の佳曲で、
  後年まで歌われ続ける「グループ第一歩の曲」。
09.「Necromancer」は後の混沌曲の原型が感じられる。
  だいたい、こんな曲名を普通のバンドは付けない。

そして
キング・クリムゾンのデビュー・ギグでショックを受けた多くの英国ミュージシャンが「オレたちもヤらなきゃ!」と奮起した1969年。

VDGGもカリスマ・レーベルへ移籍し、独自で個性的な音楽を確立する。

ハミルの静と動を行き交うヴォーカルとアコースティック・ギター、ヒュー・バントンの教会音楽風のオルガンと、デヴィッド・ジャクソンのサックスやフルート、混沌サウンドでは変拍子を乱打するガイ・エヴァンスのドラムを核とした楽曲である。

テナーとアルト二本のサックスを同時に吹き鳴らすデヴィッド・ジャクソンの演奏は、ライヴでもサウンドの厚みを増すのに有効だったと言われる。

その音楽スタイルが見えたという意味では、YESに例えるとサードの「The Yes Album」に当たる(と私が思う)VDGGセカンド「精神交遊(The Least We Can Do Is Wave To Each Other)」(69年)は見逃せないアルバムだ。



そういや、私はYesのサード・アルバム大好きなんだよなぁ。
その後の黄金期で花開く芽や蕾が至るところに香っているから。

よって、VDGGセカンドも大好き。
1曲目の「Darkness」は、曲名通りの真っ暗な雰囲気の演奏から始まり、ハミルさんの歌が静かに重なり、
曲の盛り上がりと共にサックスとオルガンのアンサンブルが重層感を増し、ハミルの歌声も荒れ始め、クライマックスと共に全崩壊。
・・・もうVDGGスタイルです。

そして2曲目の「Refugees」。
1stのAfterwardsから引き継がれるリリシズム溢れるハミルの歌唱、クールで優しいフルートの音色、ジェントリーなチェロ、盛り上がりを支えるクラシカルで教会音楽的なオルガン。
堪りません。名曲です。

なお、カリスマレーベル代表のトニー・ストラットン・スミス氏は、この曲が大好きで
こういう曲をモノにしたグループを輩出した事は、さぞ嬉しかったでしょう。

3曲目の「WhiteHammer」も荘厳なオープニングと中間部の混沌としたインプロヴィゼーションの対比が絶妙な、これまた「もう一つのVDGGスタイル」。

静寂と混沌を行ったり来たりする展開が、後の「Man-erg」の原型とも言えるが、「WhiteHammer」はトランペット(というか、コルネット)の音色が室内音楽的な荘厳さを感じさせ、これはこれで別の聴き応えがあるのでした。

ああ、来日公演でこの辺の曲やってくれないかなぁ。
ジャクソン脱退したのならゲストで管楽器プレーヤー入れてさぁ・・・。

大人計画「ウェルカムニッポン」

2012年06月24日 | 芸能
現時点での大人計画最新作「ウェルカムニッポン」を 
WOWOWで放送してくれたので録画して連れと観た。

9.11被害に遭いかけたところを日本人男性に救われた米国人女性が
3.11の大震災後に音信不通となったその男性を探しに来日する・・・というストーリー。



まず
いきなり本物の外国人女性が主役で登場してきて驚いた。

今回は「他の一般芸能人は出ない」って触れ込みだったし
元々のメンバーが好きな私たちは、「どうなるの?」と思ったが
まぁ、ほぼ素人さんみたいな金髪女性なれど、しっかりセリフは仕込んでたし
言葉が、たどたどしくても「日本語がカタコトの役」って事で
それはそれで新鮮に観れたなぁ・・・という印象。

ニューヨークから彼女が訪れたのは場末感が溢れる「ワダチ区」。

ああ、もう「THE 大人計画」。
どうしようもない人たち。救いのない物語。

今回は「場面や時空がとんでもなく飛ぶなぁ」とかの印象もあったが
「THE 大人計画」が観れたから満足。

「それ、自分たちがやりたいだけじゃん!」みたいなシーンもあったが
「THE 大人計画」が観れたから満足。

「放送上、不適切と思われるセリフや描写が含まれている作品」を
可能な限り流してくれたWOWOWさん、有り難う御座います。

ヴァン・ヘイレン、来日

2012年06月23日 | 洋楽
UDOさんのメルマガで知りましたが
ヴァン・ヘイレンが来日するのですね。

どうしようかなぁ、以前の公演は見に行ったしなぁ・・・と悩みながらも
「デイヴ・リー・ロス復帰」の文字で少しトキめいた私でした。

そして、例によって色々とネットでグループの近況を調べたら
なかなか凄い事になってますな。



まずは、2007年8月
L.Aのホテルでの会見で「ボーカルにデイヴィッド・リー・ロス、ベースにウルフギャング・ヴァン・ヘイレンを迎え、活動を再開する」と正式発表。
(M・アンソニーはS・ヘイガーのツアーに参加してV・ヘイレンをクビになったそうな・・・)

9月27日~12月11日までアメリカ・ツアー実施。

2012年2月7日、12枚目のアルバム「ア・ディファレント・カインド・オブ・トゥルース」をリリース。

2012年5月、エディ・ヴァン・ヘイレンが2011年春に舌ガンが再発している事を公表。
秋には一部切除手術を受け、以降は定期検査を受けてるとの事。



2012年の来日公演予定は
11月20日 大阪市中央体育館
11月27日 東京ドーム
11月29日 日本ガイシホール

チケットは・・・高い。
12500円!安くて9000円。

しかし、エディがガン再発を告白して、デイヴ・リー・ロスが復帰して、エディの息子がベースを弾く公演
やっぱ見とかなきゃなぁ・・・と思うのです。

以前見たのはサミー・ヘイガー(Vo)時代でヒット連発の充実期だったが、
それでも「ユー・リアリー・ガット・ミー」や「ジャンプ」をダイヤモンド・デイヴの声で聴けるのなら・・・。

チケット買うか。

風邪

2012年06月22日 | 生活
のど風邪をひいた。
ツバを飲んでも痛い状況になった。
熱も出たので仕事も休んだ。

ちびスケも熱を出してお休み。私ほどじゃないがノドに腫れあり。
ふたりで病院へ行った。

ちびスケは溶連菌感染も疑われたので検査したが、異常なかった。
両者とも抗生剤もらい、帰宅してから服用。

ちびスケは目覚しく回復。
次の日は熱も下がり、ピンピンしてた。

私は、熱こそ下がったがノド痛は完治せず。
のど飴舐めてマスクして仕事場へ。

ああ、今日も昼食はノド越しの良いトロロそば・・・。

コメント御礼&井岡は八重樫を接戦で降す

2012年06月21日 | ボクシング
昨夜、大阪・ボディメーカーコロシアム行われたプロボクシングWBC・WBA世界ミニマム級王座統一戦は
WBC王者・井岡一翔が、3-0の判定でWBA王者・八重樫東を降し、日本初の統一王者となった。

序盤からストレートパンチの井岡、接近して回転の速い連打を放つ八重樫・・・という展開。
中盤以降は見栄えの良いジャブを繰り出した一翔が、終盤の打撃戦にも耐えて3―0の判定勝ち。

八重樫からすると、瞼の腫れ癖も痛かったなぁ。
両者とも様々な場面を想定しての準備をうかがわせる攻防は見ごたえ充分。
試合が近付くにつれて日本ボクシング界全体で盛り上げようとする姿勢も見えたし、試合そのものも熱戦だったし、満足の6/20で御座いました。



――以降
せっかくコメントいただいたので、記事上でレスさせて貰いますね。

To幸雄さん
>八重樫がどこかで 1ポイント取ってれば引き分けでしょ 残念
>入札かしらないけど大阪 tbsに持って行かれたのは 失敗でしたね 
――私は115-113で井岡でしたから、そんな感じでした。
TBSの力の入りっぷりが色んな意味で(悪い意味じゃなく)作用したんでしょう。

>井岡は上あげるらしいけど
>対ロマごんは焦らずにね
――さすがに「強豪マッチを」と言いつつ現実路線で行くでしょう。
今回は「プラス・アルファ」は見えませんでしたが、それは次回に持ち越しですね。

To KOKOさん
>ミニマム級統一戦!色々と……思うことがありましたね…
>まず、長渕剛を色々なぞってる、チンピラフレーバー強めの薬師寺さんが常識人として振舞わなければ
>ならない場面の連続にTVの前で苦笑い。
――地元でディーラーやジム経営やってる薬師寺氏は、いろいろ演技が出来ますね。

>『辰吉は悪くない!』とあえて言いましょう(笑)呼んだヤツが悪い(笑)
――分かってましたもんねぁ、ああなるの。

>Jrと要の芸能人枠は…別に文句言う気はないです。
――私は芸能人に疎いので「ああ、なんか、そういう人たちが来ている」という印象でした。

>さて、肝心の試合。接戦だったことは間違いないでしょう。自分は115-113で八重樫としました。
――引き分けを挟んで両者の2ポイント勝ちが許容範囲でしょうか。

>実況も酷すぎるとは言いませんが、やはり井岡よりでした。何度も目のことばっかいいやがって
――井岡のジャブと「コンパクトなパンチ」を強調してましたね。
実際は八重樫もワイルドなフックに交えて細かいアッパー・フックをヒットさせていたんですが・・・。
左目だって、終盤も井岡の右に左グラブが反応して弾いてたから「見えてた」と思いますよ。

>八重樫、肉体改造大成功。(略)今回は最後まで回転力衰えず。
>王座奪取試合のようなヤバいパンチももらわず。もらってもひるまず『加撃を伴う前進』で、
>序盤から目が腫れはしたものの、ダメージは感じさせず、手数も井岡より多かったように見えました。
――もっと掻き回す展開があれば、ポイントも明白に取れたんでしょうが惜しかったですね。
打ち合いでも八重樫の強打を浴びて、バランスの良い井岡の身体が流れたり、足が揃ったりする珍しいシーンもあり。

八重樫陣営からすると「あそこでもう一発当たっていれば」と思うでしょうが、その辺は勝負のアヤだから仕方ないところ・・・。

>井岡の攻撃は世界戦2試合の鮮烈KOがまだ印象に強く残っているだけに、今回は地味に映りましたが。
>元々ハードパンチャーではないし、相手が相手だとこんなものでしょう。
――終盤、粘る八重樫から鮮やかにダウンを奪ってこそ「持ってる選手」と思いましたが、
やっぱり、こんなものでしょう。
終盤は逆に井岡の方がスピードとスタミナが落ちましたし、やはりミニマムは限界なんでしょうね。

>今回の試合を最後にL・フライに上げるということですが、それに関して疑問が2、3あります。
>まず同門の宮崎の入る『隙間』をどう残すか?確実にどっちかはロマゴンことローマン・ゴンサレスと
>戦わざるをえません。
――ここは回避するでしょう。やや出来不出来のあるローマン・ゴンサレスですが、勝ちっぷりの良い日はとてつもなく強いですから。
宮崎をフライに上げてのダブル世界戦など、様々なアイディアを練っている最中かも知れません。

>某スポ紙の記事で気になったのですが、『勝者は10日以内にどちらかの王座を返上』との決まりが
>あったそうな…なんだそりゃ?IBFやWBOじゃないのに?何で??
――「またか」という印象ですね。
散々前評で煽っておいてソレかよ・・・と。

渡辺二郎さんの時も、散々「日本初の統一戦」と煽っておいて、結局は「リングに上がった時点で剥奪」だったし。

せっかくメディアや拳闘界が一緒に盛り上げた価値ある試合、上手く根回しして最後まで価値を維持できないんですかねぇ・・・。


To Unknownさん
>薬師寺や辰吉 呼ぶのはいいよ、局だって数字必要だからね
>だけどCMがパチ屋でしたけどね
>(永谷園が戻ってきたら)正常に戻ったと思いましょう
――今はスポンサー探しも大変ですね。最近、目だったのは、ネット証券とかかなぁ。

>実況 解説は相変わらずダメね
>白井先生、郡司先生 岡部、平原の時代見てるから
――今回はNTVのも見れましたしね。

>あっそれと あのぐらいの腫れでギャーギャー言うなって
>バスケス対六車 朴対大熊 みてるからね
――地上波のゴールデンで格闘技やらなくなって久しいですからね。
ウチの家族も出血や腫れを見て「かわいそう」と言ってました。

本日、井岡vs八重樫戦

2012年06月20日 | ボクシング
ボクシングの日本人世界王者同士の対戦が
今晩、大阪市のボディメーカーコロシアムで行われる。

WBC王者の井岡一翔(23才/井岡)とWBA王者の八重樫東(29才/大橋)。
日本人世界王者が両団体の王座統一戦に臨むのは史上初。

19日には計量が大阪市内で行われ
井岡はリミットいっぱいの47・6kg、
八重樫は47・5kgで、ともに1回でパス。

日本選手最短のプロ7戦目で世界王座を奪取し、既に2度の防衛を果たしている井岡は今回の対戦について終始強気なコメント。

昨年10月、激闘の末に王座を奪取した就いた八重樫は自然体を強調している様子。

引き分けの場合は、両王者がそれぞれのタイトル防衛になるそうで。
パッキャオvsブラッドリーにならってか、陣営からは「接戦の場合は再戦も」との声も。

戦績は井岡が9戦全勝(6KO)、八重樫は17戦15勝(8KO)2敗。



マスコミ、当人たち共に「主役は井岡」の論調で
八重樫さえも、それにを認めているようだが、私はそうとも思えないんですよねぇ・・・。

まず、八重樫が挑んだ当時のイーグルは充実期だったし
あの時のイーグルに井岡が挑んで勝てたかどうかは分からないし。

現在の戦力で考えても
ハンドスピードは互角だと思うし、回転力は八重樫が上だと思うし

まぁ、底を見せていない部分は井岡にはあるし
奪取試合で前半からダウンを奪って完勝したり、最新の防衛戦でも初回KOするなど
「持っている」部分は侮れませんがね。

八重樫の引き出しの多さも試合を作るうえでは重要な要素。
忙しく出入りして掻き回しポイントを挙げた上で、
試合の終盤、前に出てくる相手へカウンターを合わせたら完勝パターン。

ここで気になるのが八重樫の肉体改造。
完勝パターンに持って行くには持久力と耐久力の向上が不可欠。

あと、八重樫の口を開ける「クセ」。
これが直ってなかったら、どんなにリードしていても一瞬でオジャンになる可能性あリ。

予想ですが・・・

ここはひとつ、八重樫の終盤ストップ勝ちと言っておきましょう!

沖佳苗さん、ニチアサに復活!

2012年06月19日 | アニメ・特撮
あの「フレッシュ・プリキュア」で主役キュア・ピーチの声を演じた沖佳苗さんが
ふたたび日曜朝8時30分のアニメに戻って参りました!

しかも、結構主要キャラです!

――テレ東だけど。



あ、いや
テレ東さんもアニメに力を入れる立派なTV局様なんですけどね。

モロに「スマイル・プリキュア」の裏番組なんですよね。

ご本人もブログで「プリキュアさんの裏ですが・・・」と
少し恐縮されておりましたが。

「メタルファイト・ベイブレードZEROG」という
ベイブレード最新シリーズに登場する少女ブレーダー、紅蓮(くれない れん)役なんですね。

けっこう困ったちゃんなキャラなんですが。まぁ、でも
バトルですから。

沖さんの「たああああああ!」とかの掛け声が聞けるワケですよ。

ラブやんやピーチはんの活躍が思い起こされるやありまへんか!

今週はこっそり録画して見ました。
来週以降は、どうしよう・・・・。

最近のヘビーローテション YESの「危機」

2012年06月18日 | CD紹介(洋盤)
先日、オリジナルメンバーと異なるとはいえYesのコンサートに出掛け
「やっぱ凄げぇ!」と感嘆したワタクシ。

特に「同志」なんてアコースティックギターやメロトロンの音色再現という意味じゃ、全盛の
70年代コンサートより良く出来てるんじゃないか・・・なんて感じ入った。

それからは同曲が収録されているアルバム「危機」を良く聴いている。



『危機』は
プログレッシブ・ロックバンド=イエス5作目のスタジオ・アルバムで
リリースされたのは1972年9月13日だが、
録音されたのが1972年4月~6月と、ちょうど40年前の今頃

前々作「ジ・イエス・アルバム(サード)」で作り上げたプログレッシヴな曲調を
前作「こわれもの」(1971年)で更に発展させ、もうどこの国の曲だか分からない表題曲を詰め込み
LP両面で3曲という大作主義を完成したとんでもないアルバムである。
合計の収録時間は、37:47。

黄金期と言われた、この当時のメンバーは
ジョン・アンダーソン(Vo)、スティーヴ・ハウ(G)、クリス・スクワイア(B)、リック・ウェイクマン(Key)、ビル・ブラッフォードの5人(D)。



A面
1. 「危機」
"Close To The Edge" 18:50
i) 着実な改革 "The Solid Time Of Change"
ii) 全体保持(トータル・マス・リテイン) "Total Mass Retain"
iii) 盛衰 "I Get Up, I Get Down"
iv) 人の四季 "Seasons Of Man"
 Jon Anderson, Steve Howe

B面
2. 「同志」
"And You And I"  10:09
i) 人生の絆 "Cord Of Life"
ii) 失墜 "Eclipse"
iii) 牧師と教師 "The Preacher The Teacher"
iv) 黙示 "The Apocalypse"」
Jon Anderson; themes by Bill Bruford, Howe, Chris Squire

3. 「シベリアン・カートゥル」
"Siberian Khatru" 8:57
 Jon Anderson; themes by Howe, Rick Wakeman



1曲目の「危機(Close To The Edge)」は、YESのみならず、プログレッシブロックを代表する超名曲。
小鳥のさえずり声や小川のせせらぎ音などのSEで始まる同曲は、4つの章からなる組曲形式と
言われるが、繋ぎが自然なので一気に聴けてしまう。アナログLP時代はA面1曲だった。 
18分を超える大作。

イントロのSEの後、全楽器が好き勝手に演奏する展開、一瞬だけ挿し込まれるコーラス。
やっと統合性を取り戻し、楽曲をリードするギターのリフ。
レゲエみたいなラインさえ奏でるベース。どこの国の音楽だ?楽園か?違う星か? 

そこに「天使の声を持つ」ジョン・アンダーソン登場。
ユートピア思想の持ち主ジョンさんの詩は、「崇高で壮大で哲学的」らしいが、対訳読んでも意味は分からないし、たぶん英語圏のリスナーも意味不明だろう。
私は色彩豊かで崇高な曲の雰囲気と一緒に感動したし、それが正しいYESファンの「聴く姿勢」ってもんだ。

圧巻は中間部。
アンダーソンが「I Get Up, I Get Down」と澄んだ声で歌い上げ、荘厳なチャーチ・オルガンが鳴り響き、(アナログ)ムーグ・シンセの重低音からのアップダウン、そこから続くシンセソロからハモンド・オルガンのソロ。



そこからバンド全体が終盤を盛り上げ、ジョン・アンダーソンが終章を歌い上げ、感動のクライマックスへ登りつめるカタルシスは奇跡のようだ。
そして、再び小鳥のさえずり声や小川のせせらぎ音の中で曲はエンディングを迎える。

とんでもない曲だ。
3分ポップに比べれば難解と言えば難解だが、18分で100年分の物語を昇華させてるとも言える。
音質も72年という時代を考えれば、とんでもなく良い。

プロデュースはイエス、エディ・オフォードの共同作業。
オフォードさんは 、サウンドエンジニアとしても相当イイ仕事をされている。

「危機」という曲に関しては、現代でも再現不可能だろうな。
まず、中間部のシンセ重低音がデジタルシンセじゃ物足りない。ライヴでは腹に来るくらい重低音じゃないと感動できなそうだし。
キーボードソロやシンセソロも相当に多重録音してるから、歴代キーボーディスト(ケイ、ウェイクマン、モラーツ他)が総顔合わせして弾かないとスタジオ・ヴァージョンの再現は無理だろう。
全盛時のライヴでもギターにサポートしてもらってたしなぁ。

なんとか、生きてるうちに「危機再現コンサート」とか見たいものだ。



なお、
LPのB面にあたる「同志」「シベリアン・カートゥル」も相当の佳作で。
アコースティックな「同志」と対照的な「シベリアン・カートゥル」は当時のコンサートのオープニングを飾ったカラフルな滑走ソング。
いずれも多くのファンがイエスの代表作に選ぶ定番曲だ。

結局「危機」というアルバムは
各メンバー、バンドそのものが加速度的に成長して行った結果完成した奇跡的名盤であり、時代を超えた芸術作品と言って良いだろう。

「もうこれ以上の作品は作れない」とばかりに本作の発表直後に脱退したドラムのビル・ブラッフォードは、他のメンバーに相当悪く思われたようだが、これだけの傑作作ったら後が苦しいと思うのも当然だしねぇ。



なお、「危機」は全3曲という大作LPでありながら、(前作「こわれもの」の高評価もあり)予約だけでゴールド・ディスクになったアルバムでもあった。
チャートの最高順位は、アメリカで3位、イギリスで4位。

芸術作品でありながら商業的にも大成功を収めた・・・凄い時代ですなぁ。

「危機」は最初のCD化に続き、リマスター盤も何度か発売されているが
音質も向上していると言うし、私もそろそろリマスター盤を購入するかな。

ちびスケと髪切りに

2012年06月17日 | 生活
髪が伸びたので親子で髪切りに行った。

私は短髪に。
ちびスケは肩ぐらいの長さに。
まだまだ泥遊びとかするから伸びると汚れるのよ・・・。

あと、うちのチビすけは産毛が結構あって
成長したら薄くなると思ってたら、あまり変わらないんで
顔剃りやってくれる理容師さんトコに行く事にした。

私の行きつけの理容店。
リーズナブルだけど丁寧に切ってくれるんで有り難い。

普段は混んでるんだが、たまたま上手いこと2人並んで切って貰えた。
結局ちびスケが先に終わったが
それでも、もう本とか読んで静かに待ってるから安心だ。

ふたり終わって手を繋ぎ帰宅。
今日のテレ朝はゴルフやっててプリキュアは休みだから
借りてきた「おじゃ魔女どれみ#」のDVDを見て夕ご飯。

もちろん進研ゼミのドリルも数ページやってね。
そうしないと、ウチの「チチ」が怒るからね・・・。