ファンも出演者もベテランぞろいのイベント。
暑さの中で健康不安もあったが、少なくとも私が見る限り病人騒ぎは無かった。
私はポカリスエット系の飲料を持ち込み、要所要所で水分とミネラルを補給。
観客によってはビールとオツマミを何度も売店で調達してる者も居た。
※演奏中に世話しなく席とトイレ、売店を行ったり来るする観客が近くに居たのには
閉口したが・・・
VDGGは、まだ明るい間に登場。
セミが鳴く日比谷公園でVDGG演奏が始まるという、なんともミスマッチな状況。
不思議な感覚・・・。
1曲目は欧米ツアーでもオープニングで演奏されてたという「インターフェラエンス・パターンズ」。
無機質なピアノとオルガン音の交錯からドラムの乱入という前衛的な演奏。
ベースレスだが、低音はバスドラとオルガンのベースペダルで補う。
これは70年代からのVDGGの特徴だが、ステージ上では異質さが視覚的にも増幅される。
2曲目は「スコーチド・アース」
チッタでは1曲目に演奏された曲だが、実は結構リズムが危なっかしい。
3曲目は「文章」
ここでもトリオ編成のヘヴイな演奏。
4曲目は「スリープウォーカーズ」
イントロで歓喜するファンの声。
チッタでは演奏されなかったゴッドブラフからの曲。
ここでハミルさんは丸腰でスタンド・マイク前へ。
プリント用紙を持ち出しては眺める仕草に「ああ、70年代の代表曲も連日歌わないと歌詞が出てこないのか・・・」と嘆いた私だったが
途中からプリント用紙を振り回しながら歌い叫ぶハミルさんのテンションが凄くて
「まるで自分の詩を叫ぶアジテーターだ!」と逆に感動させられました。
なにをやってもキマるハミルさん、やはり一流の芸術家だ。
「スリープウォーカー」は途中で夢見がちなラテンリズムが挿入されるのだが、そこでもハミルさんは身体をフワフワと揺らしながらステージ上を浮遊。
もう、私は完全にノックアウト寸前です。
そして、再びエレクトリック・ピアノ前に戻ったハミルさん。
高貴なピアノフレーズを弾き始める。
5曲目「マン・アーグ」
あの素晴らしい歌メロを少し崩して歌われたのは、やや残念だったし
中間部の錯乱フレーズはアルバムヴァージョンよりスピードを落としての演奏だったが
それを割り引いても凄まじい演奏だった。
エレクトリック・ピアノは乱打され、オルガンは荘厳に鳴り響きノイズを吐き、ドラムは正確に刻まれながらも時に荒れ狂う。
ハミルは囁き、歌い上げ、叫び、声を振り絞る。
ヘヴィさを増した中間部は、エンディングで再度現れた時も腹に響くほどで。
激情のエンディングを迎えた瞬間には大きなカタルシスと感動があった。
本日のハイライトは、まさにこの曲。
観客はスタンディング・オベーション。
VDGGファンが一気に立ち上がり、他の観客も一人また一人と立ち上がって拍手する様は壮観だった。
他のバンド目当てで来た人にも、この曲が尋常じゃないって事は理解されただろう。
70年代のBBCライブも発表されてるが、正直それより凄いと思いました。
休憩を挟んで登場したゴブリンは、「サスペリア」のサントラで有名な伊バンド。
5人体制で演奏するナンバーはハードロック的でもあり、曲を重ねるたびにダブルキーボードの音色が際立った印象を受けた。
シモネッティさんのデジタルシンセで奏でられるチャーチオルガンのサウンドが、「プログレらしさ」を感じさせてくれて嬉しかったです。
暑い夜だった。
正直、演奏者が倒れないか心配だったが、彼らはタフだった。
私も頑張った。
まぁ、23日・25日と値段は高いイベントだったが、感激の度合いを考えたら惜しくは無い。
むしろ元を取った感すらある。
あっちもこっちもいつまで元気か分からんからな。
「いまのうち観といて正解だった」てな事になりかねないし
観といて悔いないイベントで御座いました。
出演バンドの皆さん、主催の皆さん
お疲れ様でした。有難うございました。
プログレフェスは第10回をメドに開催されて行くそうですが
来年のメンツも楽しみです。
期待しています。
チッタさんのイタリアン・プログレのフェスも楽しみにしてます。