10/25の串田アキラR&Bライブで演奏されたテンプテーションズの
「ゲット・レディ」カバー。
これが演奏、歌唱とも余りにカッコ良くて、すっかり参って
しまったのだが。
テンプスの同曲を元ネタにしたと言われるR・ストーンズの
「ビッチ」も、それはそれで相当にカッコイイんだよね。
「パクリとは言わせんぞ」と言わんばかりの、ストーンズ流
フレーズや歌い回しがあって。
これは「インスパイア」の範囲内というか
影響を受け、その上でロックに発展させた・・・って気が
するんですよね。
「ホラ、元の曲には無いロックなパートがあるだろう?」と
言わんばかりに切り込んでくるギター。そしてヴォーカルの
シャウト。
最後の「イエーイエーイエー!!」の連発。
いやぁ、やっぱカッコイイ。
ストーンズは凄い。テンプスも偉大です。
そして変に義理堅いトコロもあるストーンズは、
1974年発表の「イッツ・オンリー・ロックン・ロール」に
テンプテーションズの曲「エイント・トゥー・プラウド・トゥ・
ベッグ」のカバーを収録。
シングルとしても発売し、テンプスに印税をもたらす事になった。
ブラック・ミュージックへの思い入れが大きいストーンズは
63年にボブ&アールが発表した「ハーレム・シャッフル」もカバー。
アルバム「ダーティ・ワーク」(1986年)からシングルカットし、
これまた名曲掘り起こしに貢献している。
それに先立って、ミック・ジャガーはD・ボウイと一緒に85年の
ライブ・エイド用に「ダンシング・イン・ザ・ストリート」を
カバーし、これまたシングル・ヒット。
R&B、ソウル名曲を世に知らしめる役割を果たしている。
※オリジナルはマーサ&ザ・ヴァンデラス。発表は1964年。
もちろん、ブルース方面でもデビュー当時はカバー中心だったし
ロバート・ジョンソンの「むなしき愛(ラヴ・イン・ヴェイン)」の
見事なカヴァーはライヴ・アルバムでも再現されている。
ロバート・ジョンソン絡みで言えば、
クリームは「クロスロード(ス)」をカヴァー。
テンポも曲調も違うんだから、歌詞をちょっと変えて作者を「Jack
Bruce, Pete Brown」とすりゃイイのに、そこは先人に敬意を表すかの
ごとく Robert Johnsonの名を記してあるし。
他の曲でも、Willie Dixonや、 Booker T. Jonesの名前がクレジット
されている。
この辺は男気を感じるんですよねぇ。
その点、レッド・ツェッペリンはねぇ・・・。
「ブラック・マウンテン・サイド」なんて、モロにバート・ヤンシュが
弾いた英トラッド「ブラック・ウォーター・サイド」。
そのうえ、ジミー・ペイジはギター・チューニングまで「そのまんま」
なのに、平気で自分名をクレジットしてるんだもんねぇ。
厚顔も甚だしいというか。
ブルース系の曲とか、歌詞を引用しまくってもクレジットは・・・。
いや、曲はメチャメチャ格好いいんですよ。
それだけに上納金を元ネタ側に渡さなかったツェッペリンには
落胆を隠せなかったと言いましょうか。
※後で訴訟になって和解したらしいですがね
クリームのJ・ブルースやJ・ベイカーがZEPを良く言わない理由って
案外この辺にあるのかも・・・。
そんな事を考える秋の夜で御座います。