9月27日(木)「ザ・ワイド」もあと1日となってしまった。最後まで「発生ネタ」(今回は時津風部屋でのリンチ殺人事件)を報じるため、予定されていた特集が短くなっている。視聴者にはわからないが、その作業を求められたスタッフはぎりぎりまで大変だっただろう。この木曜班は「有田が行く」という企画を担当してくれていた。選挙に出たため、残念ながら実現できなかった二つの企画がある。一つは特攻隊の生き残りである松浦喜一さんのインタビューを中心に「あの時代」を描くことであり、もう一つは美空ひばりさんにまつわるスクープだ。すでに取材を進めていた。この「有田が行く」ではアメリカで性犯罪者の処遇を取材したことがいちばんの想い出となっている。性犯罪者にGPSを装着することや薬物治療など、アメリカでの性犯罪者処遇は厳しい。大阪の「ペッパーランチ」という店で起きた性犯罪の判決を報じるVTRのなかに、このアメリカ取材のエッセンスも入っていたが、時津風部屋問題で放送することはできなかった。それほど視聴率が落ち込んでいるわけでもないのに終了することに疑問を呈する人もいる。しかし森羅万象「はじめ」があれば「終わり」がある。常時100人を超えるスタッフがそれぞれの新しい道を歩き出す。まさしく「同志」が離れ離れになっていく。意気高く進みたいものだ。「ザ・ワイド」の想い出とテレビ界の現状について、週刊誌に原稿を書くことにした。こんな気分のときには竹内まりやだ。「Denim」というアルバムの「みんなひとり」「終楽章」「人生の扉」が心に染みる。