有田芳生の『酔醒漫録』

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近藤道生さんの「お別れ会」に出席

2010-07-29 09:42:12 | 人物

 7月28日(水)ホテルオークラ東京の「平安の間」へ。近藤道生さんの「お別れ会」に出席。近藤さんは大正9年生まれで、6月30日に90歳で亡くなった。昭和17年に大蔵省在籍のまま、海軍主計大尉に。戦後は国税庁長官から博報堂社長などを歴任、最高顧問を務めた。近藤さんからお話を伺ったのは昨年のこと。いずれ書くことになる単行本『X』の主人公である木村久夫さんとゲーテの「ファウスト」についてインド洋のカーニコバル島で語り合っている。お元気だった近藤さんの凛々しい遺影に献花。

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田口八重子生存情報の意味

2010-07-26 09:52:49 | 政談

 7月25日(日)26日から参議院議員としての任期がはじまる。拉致問題でのアプローチもこれまでとは異なる立場を求められている。田口八重子さんの生存情報が北朝鮮筋から伝えられている。平壌の万景台区域にある統一戦線部が管理しているアパートに韓国人拉致被害者と暮らしているという。この情報源が北朝鮮関係者だと公表したのは韓国の「拉北者家族会」代表だ。ハノイで行われたASEAN地域フォーラムに出席した北朝鮮代表団のひとりが金賢姫元死刑囚について「国と家族を裏切った者」と語ったことは、大失言かと思ったが、もしかしたら戦略的意味合いがあるのかもしれない。大韓航空機爆破事件は「でっちあげ」で、金賢姫など北朝鮮にはいないと主張し続けてきたのに、ここにきて田口さんの生存情報を流すことは、「6か国協議」への復帰表明とともに日本との対話を促すメッセージだからだ。情報の信憑性は9月になればわかるだろう。北朝鮮では大使もふくめた大きな人事移動が行われるからだ。ASEAN地域フォーラムでの金関連発言が「失言」なら、団長である朴宜春外務大臣の責任も問われる。

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金賢姫の存在を北朝鮮がはじめて認めた

2010-07-24 10:43:28 | 政談

 7月23日(金)韓国政府関係者に会った。金賢姫元死刑囚来日について韓国では「どうして日本政府は国賓待遇したのか」という疑問がいちばん大きいという。全体主義国家で工作員に抜擢されたことに同情の余地はあるものの、元テロリストの滞在に前首相の別荘を使ったことの違和感は日本にあるだけではない。移動時のリムジンは中国の胡錦涛国家主席来日時に使ったものだ。中井洽拉致問題担当相が招請を進めてきたが、当初は5月の予定だったという。金賢姫元死刑囚について、北朝鮮はこれまで存在そのものを否定あるいは韓国生まれなどとしてきた。事件そのものも「でっちあげ」と言ってきた。ところがハノイで行われているASEAN地域フォーラムに出席した北朝鮮代表団のひとりが「国と家族を裏切った者」と語ってしまった。先日の不安定研究会でもある出席者が、「金賢姫は韓国生まれじゃないか」「(遺体が発見されていないので)事件はなかったのでは」と言い古されてきた疑問を語った。北朝鮮当局が(失言とはいえ)事件そのものをはじめて認めたことは歴史的出来事だ。暑い中を白金にある土屋鞄に行ってきた。「ダレス鞄」(アメリカのダレス国務長官が使っていた鞄がモデル)を見たが、「いいな」と思ったものの、購入を保留。広尾まで歩いて喫茶店で水分補給。暑い日々が続く。

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噂のキャッチボール

2010-07-23 09:15:38 | 政談

 100722_141401 7月22日(木)金賢姫元死刑囚に2000万円から3000万円が支払われると報じたのは「日刊ゲンダイ」だった。その根拠を調べると韓国在住日本人ジャーナリストのようだ。「韓国でそう言われている」というのだ。ところが日本でその噂が報じられると、韓国の「中央日報」が報じた。「日本の日刊ゲンダイによると」と書いて根拠とした。高世仁さんに伝えると北朝鮮問題ではよくあることだという。噂のキャッチボールが「事実」として確定していく。チャーター機も2000万円説から1000万円説もあったが、実際は後者だと朝日新聞は報じた。金賢姫元死刑囚招請の詳細について調査する方法を国会関係者に聞くことにした。それにしても「大山鳴動してネズミ一匹」も出なかった金元死刑囚招請騒ぎ。政府はどんな想定をしていたのだろうか。パフォーマンスと揶揄されても仕方がない。「週刊女性」の取材ではじめて議員会館の自室(416号)に入った。狭い会館が広くなったことへの批判がある。しかし現実は国際標準になったということではないか。これまでの会館には何度も入ったことがあるが、資料であふれ返っている部屋が多かった。仕事場として狭すぎたと思う。しかしこんどの会館で違和感を覚えるのは、机、椅子、ソファー、本棚までが完備されていることだ。衆参すべての部屋が画一化。まるで官給弁当のようだ。トッピングさえできない。最初に持ち込んだのは弘兼憲史さんに描いてもらった似顔絵。自分らしい部屋に改装するつもりだ。表参道のジムで泳ぎ、あれこれと電話連絡。弘兼さんとも久しぶりに会話。

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金賢姫元死刑囚招請への疑問

2010-07-22 10:40:14 | 政談

 7月21日(水)神保町の松島清光堂で新しい名刺を依頼して、「伊峡」で野菜炒め定食。新橋の共同通信で不安定研究会。山崎博康・共同通信論説委員から「スパイ団摘発は『近代化』へのエール?」という話を聞く。ロシアが資源輸出依存経済からハイテク立国へと向うことができるのか、アメリカとの「リセット」(09年7月の首脳会談)がいかに進むのかなどが気になるところだった。会議では私が拉致問題に取り組むために関係者が何人か集まってくれた。意外な、しかし的確なアドバイスを聞いたうえで金賢姫元死刑囚について話し合った。鳩山由紀夫前首相の別荘で被害者家族と会うことには、警備上の問題というだけでは済まない。北朝鮮にすれば金元死刑囚は「暗殺対象」だ。それを守るために民主党前代表の別荘を使うことは、北朝鮮に「挑発的」なメッセージを伝えることになったのではないか。情報では22日には軽井沢から帝国ホテルに移動するとも聞いている。ならばそもそも滞在先は最初から都内でもよかったはずだ。さらに問題は「機密情報」がメディアに漏れていること。招請に1億円かかり、金元死刑囚には3000万円の謝礼が払われるとも報じられた(4月の黄元朝鮮労働党書記来日のときは2000万円の予算)。機密費はこうしたときに使われるのだろう。真偽のほどはわからない。しかし韓国紙でもすでに「事実」として報じられている。問題は金賢姫元死刑囚を日本に呼んで何をするかだ。被害者家族に会うことは必要だ。しかし横田滋、早紀江さんは「新しいことはなかった」と語っている。横田めぐみさんの消息についても一度だけ会ったことなどはすでに明らかになっていることであり、「特定失踪者」についても「見たような気がする」だけでは、意味がない。国会に呼んで詳しく話を聞くことなどをしなければ、いったい何のための訪日なのかとあえて言わざるをえない。飲食店経営に失敗し、韓国でも孤立している金元死刑囚がいくら「真摯」であっても、ビジネスとして拉致問題が扱われるならば、まったくもって本末転倒だ。

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「長い時間でしたね」

2010-07-21 10:02:35 | 参議院

 7月20日(火)「長い時間でしたね」。当選証書授与式が行われた総務省講堂。座っている私の肩に手を置いて声をかけてきたのは新党改革の荒井広幸さんだった。3年前に比例区で落選したときに唯一慰労会を開いてくれたのが荒井さんと滝まことさんだった。「長い時間」か。当選してもさしたる感動がなかったのは、この3年で2回落選したからだろう。「感動」よりもずっと落ち着いた感情がある。それを「責任感」などという言葉でくくりたくない。どこか違うのだ。「何なのだろう」とずっと思っていた。それが荒井さんの短い言葉で実感となってきた。そう、「長い時間」だったのだ。そこにはこの3年間歩き続けた現場から見えてきた課題や多くの人びととの交流や私の思いなどもすべて含まれている。時間が空いたので表参道のジムで泳ぐ。体重を計れば昨年末より6キロ減量。ズボンの裾をときどき踏んで歩く根拠はここにあった。銀座に出て教文館で竹中治堅『参議院とは何か 1947~2010』(中公叢書)を入手。新橋の喫茶店で半藤一利さんの『いま戦争と平和を語る』読了。ツイッターにこう書いた。〈日本は昭和8年に国際連盟を脱退するが、政府が俊巡しているとき、日本中132の新聞社が「早く脱退すべし」と共同声明を出している。軍の機密費で買収された歴史は形を変えていまに続いている。〉新宿で山口広、紀藤正樹弁護士と打ち合わせ。大山の事務所へ。議員会館の部屋が416号室と決まった。

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「良識の府」としての参議院を

2010-07-17 10:48:49 | 参議院

 7月16日(金)「おめでとうございます」と未知の方々から声をかけられる。「当選記念」にと銀座の山野楽器でジョン・コルトレーンの「ブルー・トレイン」を、教文館で半藤一利さんの『いま戦争と平和を語る』(日本経済新聞出版社)を入手。新橋を歩いていたら「アリガさんだっけ、おめでとう」と男性から声をかけられる。「いまから飲みに行くの?」と聞くので「いえ仕事です」。「テレビ局に連れていってよ」とずっとついてくる。その間しゃべりっぱなしで、選挙運動中の三原順子さんとのツーショット写真などをケータイで見せてくれる。本当かどうかは知らないが「おれはみんなの党の党員でね」などとも語っていた。スタッフの車に乗って日本テレビ。「太田光の私が総理大臣だったら…秘書田中」に出演。この番組が生放送するのははじめてのこと。池谷幸雄さんの選挙中の逆立ちが話題になり、「そこばかり報道する」メディアを少しばかり批判したら、「だったらやらなければいいじゃない」と「田中総理」。その直後に別室にいる池谷さんが逆立ちをしていた。いくら頼まれたからって仕方ないなと思ったものの、あくまでもタレント路線で行くのならご本人の自由だ。当選議員や落選議員が「時間がもう少しあれば」と発言していたことに違和感を覚えた。候補者にはすべて「17日」という時間が平等に与えられていたのだから。福島瑞穂さんから普天間問題でいっしょにアメリカに行かないかと誘われる。石破茂さんと雑談。「みんな無所属で立候補して、政策で一致できる議員がいっしょになればいいんです」という。方向としては賛同する。もともと参議院が「良識の府」と呼ばれたのは、羽仁五郎さんなどの「知識人」が無所属で当選して活躍してきたからだ。大山に戻り、長男と酒を飲む。目下の思案どころは事務所体制の構築だ。

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「有田芳生『37万票』の意味」

2010-07-17 09:44:05 | 参議院選挙

310(画像をクリックすると拡大します)
岩見隆夫さんとは雑誌編集者時代からのつきあい。3年前に落選したときに「これから」を相談したことがあります。今度も「何を読んでおけばいいですか」との問いに、「これはと思う議員と話をすることだ」とのアドバイス。いまのところいないのが残念です。羽仁五郎さんたちのような魅力ある議員がいまは見えないのです。20日に当選証書の授与式があり、いよいよ本格的始動です。

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民主党「大敗」の責任はどこにあるのか  2

2010-07-16 10:30:31 | 政談

 7月15日(木)近所の知人から「おめでとうございます」と挨拶されたあとでこう言われた。「投票方法がわからなくて、『民主党 有田芳生』って書きました」。比例区は個人名か政党名を書くからこれが有効票にカウントされたかどうか気になった。民主党本部のNさんに調べてもらうと有効票だという。ホッとした。「民主党 ヤワラちゃん」でも有効だという。市ケ谷で岩見隆夫さんのインタビューを受ける。最初にこんな会話。「取材が殺到したでしょう」「いえ全然」「おかしいねえ」。岩見さんは私がトップ当選したことを政治の現状のなかで肯定的に意味付けたいという。知名度があるだけの「有名人」を候補者とする時代は終わったというのが岩見さんの見解だ。17日の毎日新聞「近聞遠見」に掲載される。選挙の敗因については消費税問題の唐突な提案とともに政治家への有権者の「眼」についても語った。鳩山由紀夫前首相は「政治とカネ」や普天間飛行場移転問題で発言がブレにブレた。菅直人首相もまた税制改革発言で言い訳をせざるをえなかった。政治家にとって一貫性はもっとも大切な資質ではないか。マックス・ヴェーバーのいう「情熱と判断力の二つを駆使しながら、堅い板に力をこめてじわっじわっと穴をくり貫いていく作業」(『職業としての政治』、岩波文庫版)だ。政権交代後の変化を有権者は大いに期待した。日本が「かつてない民族的閉塞感」(岩見隆夫『政治家』、毎日新聞社)に陥っているからだ。ところが有権者にすれば鳩山前首相も菅首相も「堅い板に力をこめてじわっじわっと穴をくり貫いていく作業」をしているようには見えない。かくて失望感が広がり、それが投票行動に現れた。比例区では16議席に留まったが、菅内閣が誕生したときには20から21議席まで届くだけの支持率があったにもかかわらずだ。わずか1か月でも世論=投票傾向は大きく変わる。

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民主党「大敗」の責任はどこにあるのか

2010-07-15 10:49:49 | 政談

 7月14日(水)民主党「大敗」の責任はどこにあるのか。議席数は民主党が10減らし、自民党が13増やした。政治が結果である以上、敗北の責任は菅直人執行部にある。しかしクイズ番組のような二者択一では現実の複雑さは見えてこない。比例区得票は民主党は1845万票で自民党の1407万票より438万票多い。一方1人区で民主党は8勝20敗。この勝敗が決定的だった。その理由が唐突な消費税論議にあったことは、現場を歩いて有権者の声を聞いていれば実感でわかることだ。ましてや農村部の多い1人区は、小泉「構造改革」によって疲弊したままだから、不安感は大きく広がったはずだ。あるシーンを思い出す。6月17日に民主党本部で公認証書の授与式が行われた。挨拶した菅直人首相は、1998年の参院選挙直前に橋本龍太郎首相(当時)が「恒久減税」について肯定から否定発言にトーンダウン、選挙で敗北したエピソードを語った。「選挙は最後までわからないんです」といった発言を聞きながら「そうだな」と思ったものだ。驚いたのはそれからわずか4日後に菅さんが消費税をふくむ税制の抜本改革を提唱し、「消費税10パーセント」の自民党案を参考にすると語ったことだ。ここで一挙に潮目が変わった。私が主として行動した都市圏でも賛否両論だった。現場感覚からいえば商社勤務などの知人などは「必要」というが、私が出会った大山ハッピーロードの商店や主婦などは多くが「不要」だという。実感的には反対の方が多かった。税制改革を提言することは必要だが、どこまで周到に準備された発言だったのか。多段階売上税にはヨーロッパのようにインボイスの導入が必須だが、設計図はデッサン程度の代物だった。しかし朝日新聞や読売新聞の論調は、明らかに消費税増税に傾いていた。いまでもそうだ。たとえば14日の「読売」は社説で「税制抜本改革 ひるまず消費税論議を進めよ」、15日の「朝日」は1面で「消費税論議 気迫込めよ」と書いた。両紙とも世論調査で消費税増税は「必要」が「不要」より多いということを根拠としている。「朝日」は前者が49パーセント、後者が42パーセントで、「投票者の2人に1人が『10%もやむなし』の立場だった」と書いた。消費税増税を誘導する世論操作だ。財政再建を税制改革と合わせて議論をすることは大きな課題だ。そのときにも不公平感を少なくする制度設計が必要である。

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