有田芳生の『酔醒漫録』

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安倍政権崩壊の責任は小泉前首相にあり

2007-09-13 10:55:15 | 政談

 9月12日(水)安倍晋三首相の退陣会見を見てから六本木へ。アスミック・エースでウディ・アレンの「タロットカード殺人事件」の試写を見た。スカーレット・ヨハンセンの雰囲気がいい。終ったところで田中康夫代表と電話で情報交換。中野で政界関係者などと食事をする。いちばん責任があるのは安倍晋三を総理に押し上げた小泉純一郎前首相であり、それを認めてきた自民党議員だ。政治家としての実績といえば拉致問題で強硬な態度を取ってきたことが国民的支持を得る理由でもあった。拉致問題が安倍政権を成立させたのだ。ところがアメリカは拉致問題を置いてでも北朝鮮との融和路線を取る。安倍政権は事態の進行にうまく対応できず、拉致問題でもただスローガンを繰り返すしかなかった。参議院選挙で大敗し、消化器系の健康悪化が進み、シドニーでは点滴を打っての執務だったというから、もはや限界にあったのだろう。政権放り出しは無責任であるとともに哀れでもある。昨日から小泉再登板の動きが、とくに「チルドレン」(お子ちゃまという意味だろう)を中心に起きている。遠くない解散・総選挙で生き残りを図るためだ。しかし、体たらくの安倍政権の「生みの親」としての責任があり、規制緩和路線で国民生活を破綻させてきたのが小泉前首相であることは何度強調してもいい。

 「改革」という美辞麗句のもとで実際に進行したことは「悪化」であった。コメンテーターのなかには、小泉チルドレンの意図に乗る者もいるが、現在の政治状況にあって小泉再登板を期待することは、まさに亡国路線を推し進めることにほかならない。その小泉前首相の本音をある関係者から聞いた。気持ちのなかでは政界再編を望んでいるようだが、しかしそのために自分から動くつもりはないという。かつぎだす動きがあっても総理として再登板は選択しない。常に小泉待望論があることで政治的影響力を発揮したいのだ。安倍首相の後継が誰であれ、解散・総選挙の日程が具体的になってきた。最短では11月の臨時国会会期末か来年1月の通常国会召集直後、あるいは3月の予算成立直後の可能性がある。そのポイントは自民党内の論理ではなく、世論の動きだ。すでに新聞論説や識者の意見として「国民に信を問え」との声が大きくなりつつある。これから行われる各社の世論調査で解散・総選挙を求める声が7割、8割となったとき、いっきょに政局は動く。自民党幹部などが「解散はまだまだ」と語るのは、政治のダイナミズムから眼を反らしたいだけの単なる願望にすぎない。