荒川三歩

東京下町を自転車で散策しています。

埋もれ地蔵

2015年10月26日 | 散文
荒川脇の小路を走っていたら、お地蔵さんが立っていました。

と言うより、埋まっています。
胸まで・・・。

お地蔵さんだけじゃなく、他の石碑も埋まっています。

お地蔵さんには新しい赤い前掛けが掛けられており、コップにお水があげられているので、きちんとお世話しているようです。

白っぽい石は、お地蔵さんと他の石碑ほど埋まっていません。

○○信士と書かれているので、墓標のようです。

ここはマンションの緑地の一角で、お地蔵さんの後ろにも空地がありますが、このようにフェンスで仕切られているので、特別な場所のように思います。
周辺を見回しても、説明板のような物はありません。

以下私の想像です。
ここは元々墓地でした。
マンションを造成する際盛り土をして整地しますが、
ここだけ低いまま放置しておくと、子供が落ちたりして危険だし、水はけも悪くて不衛生だし、第一お墓とお地蔵さんをそんな境遇に放置する訳にも行かないし、等々考察の結果、一緒に盛り土をしたものではないでしょうか?
但し、お墓が地中に埋まってしまうので、墓標だけ盛り土の上に据え替えたのではないでしょうか?

さて、お墓の主はどういう謂れの人でしょうか?
おそらく、荒川を造る(荒川は人造の河川です)時に、大きな事故に遭った人達の墓ではないでしょうか?
被災した人夫の棟梁である○○信士と身元不明の労働者達が、この仕切られたスペースに葬られているのではないでしょうか?
そこに、被災者の霊を弔う為と、水害防止(すぐ前が荒川土手で、この辺りは海抜ゼロm地帯です)を祈ってお地蔵さんが建立されたのではないでしょうか?
それをマンション建設時に埋めて、現在このように供養している・・・。

そんな事を考えるほど、ちょっと強烈な埋もれ地蔵(勝手に名付けました)です。
コメント
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