無線室

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JR西日本、防護無線と乗務員無線の配線を間違える

2013-07-12 00:21:04 | 鉄道無線
 JR西日本は7月11日、「無線装置のアンテナを接続する配線が誤って接続されていた事象について」と題したニュースリリースを出しました。これによると、防護無線機と乗務員無線機が逆に空中線共用器(デュープレクサー)に接続されていた車両があったというのです。

 NHK山口放送局のニュースによると、この車両は下関総合車両所新山口支所所属のキハ47-3006。改造を行って出場した今年6月13日以降、24日間にわたってこの状態が続いていたとのこと。7月6日に運転士が乗務員無線の不具合を申告するまで、山陰本線や山口線、芸備線で約5000km走行していたそうです。
 ご存じの通り、防護無線は373.2750MHz、乗務員無線(Cタイプ)は414.4250MHz、414.5500MHz、415.2000MHzの3波を使っています。デュープレクサーは370MHz帯と410MHz帯のバンドパスフィルターが内蔵されているはずなので、逆に接続すると感度が低下してしまうのです。乗務員同士の通話なら問題ないかもしれませんが、基地局から遠いところでの司令との通話では、感度が低下してしまいます。そんなことで、運転士が不具合を申告したようです。

 原因は、施工ミスだった模様。無線は列車で唯一の連絡手段なので、こういったミスはなくしてもらいたいものです。

14 コメント

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空中線共用器 (仙石CTC)
2013-07-16 17:16:48
AR8200様、こちらの記事にもコメントさせて頂きます。

当方、昔鉄道ジャンク店で空中線共用器を購入しまして現在も使用しております。

正式名称は「空中線共用器S形」と言いまして、製造メーカーは無線機も製造している三菱電機です。

この共用器、さすがはプロ用で指定した周波数以外はザックリとカット致します。

「乗務員(Cタイプ)」のコネクタから受信機を接続しましたら、仙石線や空港鉄道で使われている352MHzの列車無線は全く聞こえませんでした。

逆に、「列車無線(A・Bタイプ)」のコネクタからはCタイプは全然受信出来ません。

当方、以前面白い実験をしてみました。

乗務員のコネクタにアマチュア無線機を繋いで430MHzのレピータにアクセスしようと送信しましたが、全くアクセスしませんでした。

同じ400MHz帯でも、アマチュアバンドもバッサリカットする様です。

本当に列車無線と乗務員無線、それに防護無線の周波数しかスルーしないみたいですね。

プロ無線の凄さを、まざまざと見せつけられました。

一度、分解しようとネジを外しましたが、あの共用器は沢山のネジで固定されている為、途中で断念致しました。

しかも、外装を外すと銀色のフィルターボックスが頑丈に取り付けられており、トリマー等がきちんと調整がされている様なので、これ以上の解析は諦めました。

もし、AR8200様がこの共用器を購入されましたら、箱の分解はお辞めになられた方が宜しいです。

尋常ではない程のネジの多さに、閉口した次第です。
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さすがプロ用 (AR8200)
2013-07-16 22:26:42
仙石CTCさん、こんにちは。

プロ用のデュープレクサーは、アマチュア用とは違い、使用する周波数をピンポイントでピークになるように調整しています。
従って、ちょっとでも周波数がずれるとバンドパスフィルターから外れてしまいます。
関係ない周波数からのカブりを排除する目的もあるようです。
プロ用は信頼性が第一のようですね。
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カブリは無し! (仙石CTC)
2013-07-17 08:44:52
当方の近所に、タワーを立ててるOMさんがおります。

この方、普段はHFと2メーターが主体なのですが、たまに430メガに開局する為当方がCタイプを聞いていると丸々カブってしまいます。

しかし、空中線共用器を接続するとそれがバッサリとカットされてCタイプの通話しか聞こえません。


OMさんが何級の方かは分かりませんが、かなり強い電波である事は間違いないでしょう。

「恐らく50Wクラス?」

そんなに強力な電波でも、Cタイプの周波数のみをスルーします。

ただ、Cタイプ受信中にOMさんが喋ると被ってしまうのだけは仕方ありません。

とはいえ、Cタイプ受信には欠かせないアイテムになっております。

因みに、列車無線「A・Bタイプ」の周波数をずらすとデジタル警察電話の基地局周波数が有りますが、それはさすがにスルー致しますね。

尚、「列車無線」「防護無線」の両方のコネクタからも365MHz帯の入換無線は受信出来ません。

双方の周波数から離れている為、やはりカットしている様です。


追伸です、

AR8200様は既にご存知かとは思いますが、JR東日本管内のCタイプは現在チャンネルが「上り」と「入換」の二波しか使われておりません。

下り列車でも、「上り」チャンネルを使っております。

当初は新潟支社のみで行われておりましたが、それが各支社へと伝わった様です。

寝台特急の発車合図も、下り列車でも「上り」を使います。

時々、「下り」で無線機の確認試験通話を聞いた事は有りますがそれ以外では使用されていない様です。

「指令呼び出し」は、昔と変わらず「入換」チャンネルです。
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Cタイプ (AR8200)
2013-07-17 12:32:28
仙石CTCさん、こんにちは。

Cタイプの運用方法は、新潟支社方式が全社的に普及したようですね。
西や四国のように、路線ごとにチャンネル固定とまではいかないですね。
いずれにしろ、基地局におけるCタイプ3波分のメンテナンス費用を少しでも削減したいのかもしれません。
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チャンネル固定 (仙石CTC)
2013-07-20 12:46:09
JR西日本のチャンネル固定は、一体誰が考えたのでしょうか?

確かに、基地局の無線機は指定されたチャンネル分だけ設置すれば良いのですから。

これはJR東日本のシステムよりも費用が安く済みますし。

あの青い「限定ボタン」を押すと指令には無線が流れないというやり方、

誰が考えたのか気になりますねー。

確か、あの音はDTMFの「A」キーの音です。

こちら仙台地区でも、指令が電波を出すと「A」音が流れますが列車からはあの音は出ません。


所で、西に乗り入れている東の車両(485系等)は限定ボタンは付いているのでしょうか?

デジタル無線機の受話器しか設置されていないと思いました。

青いボタンが一緒に受話器に付いているのならば、話は別ですが。

限定ボタンを押さないで、そのまま通話テストを行ったら指令に丸々聞こえますね。

でも、当該列車の通話テストに関しては指令は黙認しているのでしょうか?

謎ですね。
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限定ボタン (AR8200)
2013-07-20 13:52:41
仙石CTCさん、こんにちは。

九州や北海道には、限定ボタンは存在しないようです。
限定ボタンは、司令が乗務員同士の連絡を聞かなくてもいいように、基地局で司令の回線をブロックするための信号を送るためにあります。
Cタイプは、乗務員無線に列車無線の機能を追加させたことから、司令員は司令への呼び出しなのか乗務員同士の通話なのかを常に注視する必要があるのです。
限定ボタンがあれば、少なくとも乗務員同士の通話を聞かなくて済むことで、司令員の負担を軽減することが可能になります。
ただ、司令員も限定ボタン押し忘れて乗務員同士の通話を行ってしまうことは想定していると思います。
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ありがとうございます (仙石CTC)
2013-07-20 17:55:30
確かに常に無線をモニターしているのは大変な事です、

JR貨物の無線機は乗務員同士の通話は有りませんから、限定ボタンは必要無いのでしょうね。

昔からCタイプは聞いてはおりますが、他社の列車無線の内情については殆ど知らない為、参考になりました。

JR四国の無線機にも限定ボタンは有るのでしょうか?

以前、鉄道雑誌に四国の車両の運転台の写真が載っておりましたが、無線機を見るとマイクには青いボタンが見当たりませんでした。

昨年のアンパンマントロッコが来た際に、運転台を見れば良かったのでしょうが、それが出来なかった為、把握出来ませんでした。

ただ、阿武隈急行同様に国鉄時代から有る古い無線機を未だに使っているのは存じております。
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限定ボタン (AR8200)
2013-07-20 21:08:03
仙石CTCさん、こんにちは。

四国の車両でも、西日本区間に乗り入れる5000系は共通仕様の223系と同じB/Cタイプ兼用機が搭載されているため、限定ボタンを装備しています。
一方で、1500系のCタイプ機は限定ボタンがないことを確認しています。
限定ボタンは西日本に乗り入れる車両にしかなさそうな気がしますが、いかんせんおいそれと確認できないため、あくまで推測であることをご了承ください。
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乗り入れの関係ですか (仙石CTC)
2013-07-20 21:24:13
そうなりますと、本州に渡る必要の無い四国の車両には限定ボタンが無い事になりますね。

思い起こせばJR四国発足の頃、瀬戸大橋開通前は島内の車両は無線アンテナが付いておりませんでした。

特急車両のキハ185系でさえ、アンテナ台座のみの設置で無線はホイップアンテナで通話しておりました。

アンパンマントロッコが東のエリアで走った際は、キハの運転台備え付けの無線機を使わずに、車掌が無線機を持ち込んで発車合図を行っております。

(あの場合、自走扱いではなく客車として機関車に牽引されておりましたので)

それと、YouTubeで初めて可搬式のデジタル無線機を見ました。

見た感じ、受話器よりも本体(電池?)がやたら大きく見えたのが忘れられません。
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可搬型 (AR8200)
2013-07-20 23:20:52
仙石CTCさん、こんにちは。

可搬型は、車載機にバッテリーをつないだような形になってしまいますね。
いわば、モービル機を無理矢理持ち出して使うような感じでしょう。
B/Cタイプ機にも可搬型が存在し、形は車載機そのもので、ブルートレインで使われていたようです。
30年くらい前の携帯電話であるショルダーホンのように、容積の8割はバッテリーではないでしょうか?
でも、その当時はニッカド電池しかありませんが、今は小型で大容量のニッケル水素やリチウムイオンがありますので、ショルダーホンに比べればバッテリーの容積比率はもっと下がっているかもしれませんね。
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