無線室

無線通信、特に受信に関する考察、実験、感想などを‥‥。

JR在来線列車無線、不感地帯が4000km

2015-03-28 22:47:33 | 鉄道無線
 共同通信社は、JR在来線の列車無線に関する記事を配信しました。共同通信社に加盟する各新聞社も、同じ記事を掲載しています。
4千キロ超区間で列車無線が不備 JR在来線、指令所との通信

 駅間を走る列車と運行を管理する指令所の間で鉄道無線の通じないJR在来線の区間が昨年4月時点で4千キロを超え、総延長の24%に上ることが28日、共同通信の取材で分かった。各社は主に携帯電話を代用しているが、災害時は一般利用の集中で回線が途絶し、緊急停止などの指令が伝わらない恐れがある。

 海沿いの列車が津波にのまれた東日本大震災では、無線による情報が乗客の避難に役立った。全国的に通信手段の多重化は万全とはいえず、今後の大災害を見据えた整備の動きも出ている。

 鉄道無線では沿線の基地局を介し、指令所が列車と常にやりとりできる「列車無線」が重要な役割を担う。
 JR各社の路線網は、都市部から山間部まで広範囲にわたっています。列車無線は、沿線の全区間で安定した通話が求められるのです。ところが、実際には不感地帯が多く、携帯電話に頼っている部分もあります。
 A/BタイプやDタイプはさておき、JR各社が国鉄時代に整備されたCタイプは、元はといえば乗務員や近隣駅との連絡に使われる乗務員無線でした。そのため出力は大きくなく、基地局をこまめに設置しないと全区間での安定した通話は望めません。
 ただし、そうなると膨大な費用がかかります。赤字ローカル線を多く抱えると、そのあたりのコストが重荷になってしまうのです。
 携帯電話を使うにしても、大災害が発生したら通話規制が実施されると連絡が難しくなります。だからこそ、自前の通信回線が必要になるのです。

 JR各社は、今後このあたりを改善するでしょう。現に、JR東日本はデジタル無線のDタイプ導入を推進しています。JR四国も、先の記事のように列車無線を整備すると表明しました。
 鉄道の安全な運行には、鉄道無線はなくてはならない存在です。どのように改善していくか、見守っていきましょう。

大山ケーブルカー&JR四国

2015-03-27 21:12:20 | 鉄道無線
 大山ケーブルカーを運営する大山観光電鉄は3月24日、新型車両を導入すると発表しました。ニュースリリースによると、今年10月1日にデビューする新型車両は、リチウム電池を搭載することで駅間の架線を廃止、充電は駅に設置する剛体架線で行います。そして、枕木上面に敷設した通信線を用いた誘導無線を導入するというのです。
 大山ケーブルカーは、現時点では周波数未判明となっています。今回の新型車両導入で、周波数判明に一歩近づくのかもしれません。

 一方、JR四国2015年度事業計画を発表しました。それによると、鉄道施設の整備に関する計画として、運行中の列車の乗務員へ迅速に情報連絡を行える列車無線設備の整備を進めるとしています。
 これだけでは、現状のCタイプを強化するのか、それとも別の方式の列車無線を導入するのか、判然としません。どちらの解釈も成り立ってしまうことから、もう少し情報が欲しいところです。

 両社の新たな無線がどうなるのか、注視していきましょう。

京急、デジタル無線試験を夜間に実施へ

2015-03-20 22:03:28 | 鉄道無線
 京浜急行電鉄(京急)は、列車無線を誘導無線(IR)から空間波無線(SR)への更新が予定されています。基地局アンテナは各地で建設され、デジタル列車無線機を搭載した車両も登場しました。
 そんな中、3月16日に「夜間走行試験の実施について」と題したお知らせを発表したのです。
当社では,列車乗務員と運輸司令の間での通話品質を向上し,安全性の向上を図るため,「列車無線装置」の更新を進めております。

このたび,列車無線の機能確認を行うため,終列車後に走行試験を行います。沿線の皆さまには大変ご迷惑をおかけいたしますが,何卒ご理解・ご協力をお願いいたします。
 日時は4月1日から6月末までの予定で、終列車後から始発列車までの間、京急線内全線で実施するというもの。実際にはどうなるかわかりませんが、おそらく全線一括ではなく日時と区間を区切って試験が行われるものと思われます。

 この期間中、注目の周波数が判明するのです。以前の記事の通り、基地局は146.43125~146.85000MHzのうちの数波となるでしょう。
 沿線の皆さん、是非ともデジタル列車無線の周波数を探し出してください。

新潟地区でデジタル波をキャッチ

2015-03-16 17:25:26 | 鉄道無線
 新潟地区の信越本線で、列車無線のデジタル化が進められています。基地局はおおむね建設が終わっており、あとは電波が発射されるだけとの状態になっていました。
 そんな中、デジタル波をキャッチしたという一報が入ったのです。2ちゃんねる鉄道総合板にある「鉄道無線 3局目」というスレに、このような書き込みがありました。
654 :名無しでGO!:2015/03/15(日) 18:55:19.73 ID:guk0sGMm0
新潟市東区でD3ch受信。
 たった1行の書き込みですが、重大な意味を持ちます。周波数はD3chとのことですが、首都圏と同じ基地局が352.55000MHz、352.61250MHz、352.64375MHzの3波かどうかは不明です。
 運用開始日や区間も含め、今後の調査が必要になるでしょう。

常磐線でもデジタル化の動き

2015-03-06 22:00:57 | 鉄道無線
 三陸特でデジタル列車無線に出れるわけがない!!さんから、以下のような目撃情報をいただきました。
常磐線にも新しいマストが建てられています。

区間は勝田以北でピカピカ光る、例のマストになります。

まだアンテナがついていないのでしばらく先になるとは思いますが、ローカル線区にもバンバンデジタル列車無線が導入されていきますね。
 現状では、勝田を境に南側の上野までがD4ch、不通区間を含めて北側の岩沼までがCタイプとなっています。これが、勝田以北でもデジタル化する兆しが出てきたというのです。
 北限がどこまでか定かではありませんが、高萩までなのか、いわきまでか、あるいは不通区間ぎりぎりの竜田までか、非常に気になります。不通区間に挟まれた原ノ町─相馬や、不通区間より北側の浜吉田─岩沼もどうなるかも注目です。
 高台移転や、収束が見えない福島第一原子力発電所のからみで、全線運転再開のめどは立っていません。このあたりも含め、デジタル化の区間を見極める必要がありそうです。

 JR東日本管内では、幹線級の路線でデジタル化の動きがあります。今後は、上越線や羽越本線などでもデジタル列車無線用の新しいマストの目撃情報が現れるかもしれません。