無線室

無線通信、特に受信に関する考察、実験、感想などを‥‥。

JRデジタル列車無線の周波数割当

2010-07-10 22:10:48 | 鉄道無線
 7月4日に首都圏のJR列車無線が、7月9日に旅客一斉情報が相次いでデジタル化しました。最後まで残っていたアナログ列車無線である7号線区、すなわちA5chは7月7日に停波。旅客一斉情報も、7月8日終電後に数回短く電波を発射し、デジタル波と入れ替わっています。
 早速、デジタル波の割当をご紹介しましょう。

周波数アナログchデジタルch
352.537501(停波)
352.54375
352.550002(停波)
352.55625
352.562503(停波)
352.56875
352.575004(停波)
352.58125
352.587505(停波)
352.59375
352.600006(停波)
352.60625
352.612507(旅客一斉・停波)
352.61875
352.625008(停波)旅客一斉
352.63125
352.63750
352.64375
352.65000
352.65625
352.66250
352.66875

※周波数の単位はMHz。
※移動局の周波数は、上記周波数の16.5MHz下。
※「-」は未使用のch。


 デジタル化で、A/Bタイプの周波数では「ガー」というノイズしか受信できなくなってしまいました。その周波数が、どのチャンネルの電波なのかを突き止めるときなどにご活用ください。

旅客一斉情報もデジタル化、JRアナログ閉局

2010-07-09 04:01:51 | 鉄道無線
 Xデーがついにやってきてしまいました! 首都圏JR列車無線のデジタル化に続き、352.6125MHzの旅客一斉情報もデジタル化してしまったのです。

 7月8日終電前から、旅客一斉情報をワッチしていました。各線で、相次いで線路上へ旅客が転落して防護無線を発報・復位があったようです。そして、アナログ旅客一斉情報最後と思われる情報は、0:00ころの中央快速線における旅客救護。これ以降、放送は流れませんでした。
 終電後、1:30過ぎに調整用とおぼしき電波が数回発射。それからおよそ1時間後には、旅客一斉情報の周波数でデジタル波が開局しました。同時に、デジタル波が開局していなかった352.58125~352.61875MHzにもデジタル波の開局を確認。今現在もデジタル波が継続して送信されていることから、アナログの復帰はなさそうです。

 終電後から初電までの数時間で、車両に取り付けられたアナログ旅客一斉情報の受信機を取り外すのはまず困難。しかし、デジタル受信機を覆い隠すようにアナログ受信機をマウントしているE233系だけは、どうしてもアナログ機を撤去しなくてはいけません。
 それ以外の車両は、ほとんどがアナログ機とデジタル機を並べて取り付けています。とりあえずアナログ機の電源だけ遮断して、撤去はあとでじっくり行うことになりそうです。

 これをもって、3年かけて実施されたJR東日本の列車無線のデジタル化は完了しました。デジタル化は「輸送障害の低減」を目的にしていますが、これで本当に輸送障害が低減したのか要注目ですね。
 有用な無線が聞けなくなってしまいましたが、今後の首都圏のJR運行情報は私鉄や地下鉄で補いましょう。私鉄や地下鉄の大多数は、まだまだアナログですから‥‥。

ついに7号線区もデジタル化

2010-07-04 15:20:24 | 鉄道無線
 7月4日初電から、A5chに相当する7号線区のデジタル化が実施されました。先ほど中央・総武緩行線209系500番台の運転台にあるモニターを確認したところ、「無線:D5ch」の文字が‥‥。これにより、今まで7回に分けて行われた首都圏JRの列車無線のデジタル化が完了しました。

 最後に残されたのは、旅客一斉情報。こちらは、7月8日をもってアナログの運用が終了するとのことです。
 運転台にはアナログ・デジタル両方の旅客一斉情報の受信機が設置されていますが、これまではアナログ機のみに電源が入っていました。しかし、今日現在でデジタル機にも電源が入っています。このことから、旅客一斉情報は7月8日までアナログ・デジタル併用しているものと思われます。

 7号線区もデジタル化し、最後の砦である旅客一斉情報も残りわずかとなりました。それまでの間、しっかりとワッチしておきましょう。

誘導無線アンテナの新製品

2010-07-02 02:17:40 | 受信機・アンテナ
 長波帯を使う誘導無線は、微弱な電波も相まって線路沿いでないと受信できません。携帯できるような長波用のアンテナは、ティーアール無線研究会のIRアンテナしかありませんでした。ただ、このアンテナはBNC接栓なので、最近のハンディ受信機の主流であるSMA接栓には、変換コネクターを使用する必要があるのです。
 この製品が唯一の「誘導無線用」をうたうアンテナでしたが、ここ最近相次いで新製品が登場しています。今回は、その情報をお送りしましょう。

 まず、マイクロ・パワー研究所のハンディ受信機用地下鉄誘導無線対応「高感度バー・アンテナ」です。アンテナ本体につまみが付いており、目的の周波数に合わせて感度を調整するようになっています。
 また、受信機にはアンテナ本体から伸びるケーブルで接続。SMA接栓なので、最近のハンディ受信機に直接つなげられます。
 大きさは大小2種類があるようで、当然大きな方が感度が上のようです。価格は大小どちらも5,000円で、別途送料500円がかかります。

 一方、『ラジオライフ』8月号に掲載されていたのは、KRFの地下鉄誘導無線用同調式アンテナ「IR-700」です。IR-700にもつまみが付いており、感度を調整する仕組みになっています。アンテナ本体から伸びるSMA接栓のケーブルで受信機に接続するのも、高感度バー・アンテナと一緒です。
 IR-700は秋葉原の老舗無線ショップ、富士無線電機で取り扱っており、価格は7,350円。なお、検索してもメーカーサイトや製品情報はネット上にはありませんでした。かろうじて、三才ブックス営業部のブログ「ラジオライフとゲームラボの営業ブログ」に掲載があるのみです。

 ところで、この2製品を見比べると、そっくりではありませんか! 対応周波数に若干の差はありますが、もしかしたらOEMなのかもしれません
 でも、気になるのは価格差。全く同じものだったら、私なら安い方を選んでしまいますが‥‥。

 いずれにせよ、なかなか受信しづらい誘導無線が聞きやすくなるのはいいですね。JR列車無線の完全デジタル化が目前に迫っている今、誘導無線に目を向けた方がいいかもしれません。

【2014年1月30日追記】
 現在は「ミズホ通信研究所」ブランドで販売されているマイクロ・パワー研究所のハンディ受信機用地下鉄誘導無線対応「高感度バー・アンテナ」は、KRFの「IR-700」とは無関係とのことです。訂正いたします。