無線室

無線通信、特に受信に関する考察、実験、感想などを‥‥。

東京メトロ銀座線がデジタル化?

2014-04-22 02:07:01 | 鉄道無線
 東京メトロは、4月21日に「列車無線用ケーブル設置に伴う銀座線の輸送障害について」と題したニュースリリースを発表しました。

 それによると、4月19日と21日の早朝、末広町―神田間に新設した列車無線ケーブルの一部が定められた範囲よりも車両側に設置されていたことが判明。そのケーブルの撤去を行ったため、始発から運転を見合わせたとしています。すなわち、列車無線ケーブルが建築限界に抵触していたということになるのです。
 ここで気になるのが、「新設置した列車無線ケーブル」というもの。銀座線は現在、指令側185.0kHz、列車側155.0kHz、非常発報135.0kHzの誘導無線を使用しています。文字だけの情報では「誘導無線の通信線の交換か?」とも思えてしまいますが、NHKニュース映像を見る限り、LCXを敷設しているのです(画像はニュース映像より)。


 現在、銀座線は車両の置き換えを実施中。従来の01系から、2011年に登場した1000系へ更新しています。
 3月27日に発表された2014年度事業計画では、銀座線へのホームドア設置を計画。車両を1000系に統一した上で、ホームドアの導入を図るようです。
 そうなってくると、事業計画に記述はありませんが将来的にワンマン運転も視野に入れている可能性があります。となれば、南北線や丸ノ内線、副都心線のように列車無線でデータ通信を行うことが予想されるのです。

 実は、1000系の登場を紹介した一部鉄道雑誌の諸元表に、「空間波無線:準備工事」との記述がありました。この件に関して、本ブログでは以前にも取り上げています。どうも、このときの予想が現実味を帯びそうなのです。
 データ通信は、丸ノ内線や副都心線のように誘導無線で行うのではなく、V/UHFを使ったLCXで行うと考えれば、今回のミスで明らかになった新設の列車無線ケーブルがどういう意味をなすのか明らかでしょう。しかも、総務省は「周波数再編アクションプラン(平成25年10月改定版)」で「150MHz帯を使用する列車無線については、(中略)長波帯を使用する誘導無線からの移行需要があることから、(中略)狭帯域デジタル化の実施による高度化を進める」とデジタル化推進に舵を切りました。
 従って、事業計画には具体的な記載はないものの、これらの状況証拠から鑑みて銀座線の列車無線を誘導無線からLCXによるデジタル化を行っているとみてよさそうです。そして、銀座線を皮切りに誘導無線を使っている各線のデジタル化も進んでしまうかもしれません。

 あくまで予想なのでどうなるかわかりませんが、誘導無線のデジタル化は仙台市地下鉄で実績があります。事実、誘導無線はインバーターなどからのノイズで通話がしにくくなっているようです。
 そう簡単に誘導無線の灯が消えることはないでしょう。でも、覚悟はしないといけないのかもしれません。

鉄道無線の受信もメジャーに?

2014-04-21 23:25:31 | 鉄道無線
 少し前の話題になりますが、nanapiに「もはや一括りでは表せない…多種多様に専門分化した36種類の『◯◯鉄』まとめ」という記事が掲載されました。昨今の細分化された鉄道趣味を、「◯◯鉄」として36種類にまとめたものです。
 ここでの36種類は、以下の通りとなっています。
  1. 撮り鉄
  2. 音響鉄・録り鉄(とりてつ)
  3. 乗り鉄
  4. 降り鉄
  5. 受信鉄
  6. 車両鉄
  7. 模型鉄
  8. 蒐集鉄
  9. 押し鉄
  1. スジ鉄・時刻表鉄
  2. 駅鉄
  3. 廃線鉄
  4. 配線鉄
  5. 線路鉄
  6. 設備鉄
  7. 運転鉄
  8. 保安鉄
  9. 歴史鉄
  1. 描き鉄
  2. 架空鉄
  3. 駅弁鉄
  4. チビ鉄
  5. ママ鉄
  6. 会社鉄
  7. 海外鉄
  8. 法規鉄
  9. 葬式鉄
  1. 軍事鉄
  2. 哲学鉄
  3. 鉄警鉄
  4. SL鉄
  5. ゲーム鉄
  6. 寝鉄
  7. 駅寝鉄
  8. 盗り鉄(とりてつ)
  9. クズ鉄
 この中で、鉄道無線の受信を「受信鉄」として紹介しています。しかも、気になるのはその順位。何と、5番目に取り上げられているのです。
 単純に人気順ではないと思われますが、どういうわけか上位に来ています。もちろん、最後の2つは人としてもってのほかですが(苦笑)。
 鉄道趣味の中ではディープ度が高いとされる鉄道無線の受信を最初の方に持ってくるあたり、作成者本人や周囲でワッチしている人がいるのかもしれません。そうでなくても、鉄道無線の受信がメジャーになりつつあるのではないかとも考えてしまいます。
 なお、ここでは「受信鉄」という呼び方ですが、ほかにも「無線鉄」や、三才ブックスの『鉄道無線を聞いてみよう』では「聞き鉄」など、いくつかの呼び方があるようです。この記事では、最後に「命名分類法にも種類があるので、一概にここでの名称が当てはまるとは限りません」という注釈がついています。

 いずれにせよ、鉄道無線の受信が鉄道趣味の1つとして認知されてきているのは間違いないでしょう。