無線室

無線通信、特に受信に関する考察、実験、感想などを‥‥。

JRデジタル無線、山形県内にも免許

2015-06-01 17:45:06 | 鉄道無線
 本日付で、総務省免許等情報検索が更新されました。その中で、現在JR東日本が地方線区で進めている列車無線のデジタル化に動きがあったのです。

 これによると、4月21日付で29局の基地局が免許されました。すべてがデジタル列車無線用ですが、中でも山形県内で初めてデジタル列車無線基地局が免許されたのです。
 鶴岡市内に4局、酒田市内に2局、東田川郡庄内町に1局の計9局。これらの自治体を通過するのは、羽越本線です。まだこの界隈のアンテナ建設情報が入っていませんが、すでに何らかの動きはあってしかるべきでしょう。

 一方、新潟県内でも同日付で新たにデジタル列車無線基地局が免許されています。注目なのは、三島郡出雲崎町や刈羽郡刈羽村に免許されていること。いずれも、越後線しか走っていない自治体です。従って、越後線もデジタル化の対象になるのは間違いないでしょう。
 また、以前からデジタル列車無線基地局の目撃情報があった仙台地区の東北本線や大糸線には、5月9日現在でまだ免許されていない模様。ただ、申請はしているはずですから、いずれは免許されるものと思われます。

 着々とデジタル化の準備は進んでいますが、実際に運用を開始したという情報は入っていません。もしかしたら、支社単位で一括してデジタル化する可能性もあります。
 それまでの間、心してワッチに励むことにしましょう。

やはり大糸線はデジタル化へ

2015-05-18 21:54:54 | 鉄道無線
 以前、大糸線の列車無線にデジタル化の兆しがあることをお伝えしました。その後の様子が明らかになったのです。

 大糸線細野駅構内に、新たに支柱が立てられたとこちらのツイッターで報告があったのは4月29日。2週間がたち、続報が入りました。
 それによると、支柱の横にクリーム色の箱が置かれ、「在来線列車無線(デジタル)装置 小型基地局装置1形」と書かれているとのこと。箱にはビニールがついたままになっていることから、中身はまだ空と思われます。また、アンテナは取り付けられていないようです。
 実際の運用開始はまだ先と考えられますが、着実にJR東日本管内でのデジタル化が進行中。次はどこになるのか、戦々恐々としてきました。

E721系と大糸線

2015-04-29 23:05:05 | 鉄道無線
 現在、仙台地区の東北本線で列車無線デジタル化の準備が着々と進められています。沿線に基地局が建設されており、車両にもデジタル無線機が装着されているようです。
 そんな中、こちらのブログでは701系のデジタル無線機について書いています。そこで、気になる記述を発見しました
少なくとも、首都圏で使用しているものをベースにコスト削減を図っていると予想。ただ、一部には首都圏で使用していた物と全く同じ受話器(子機・デジアナ切替付き)を付けている車両もあった(E721系で確認)。
 E721系は、A8chを使う仙台空港鉄道乗り入れのため、A/Cタイプ無線機を装備しています。これが、デジタル化に伴って首都圏と同じタイプに置き換えられたというのです。
 「子機」ボタンもあるということですが、実際に子機を搭載しているかどうかは明らかになっていません。今後、確認が必要でしょう。

 一方、新潟地区、両毛線、仙台地区でのデジタル化に加え、新たにデジタル化の動きがある路線が判明しました。それは大糸線です。
 こちらのツイッターによると、大糸線細野駅で真新しい金属製の支柱が立てられたとのこと。写真をみると、八木アンテナを4本取り付けられそうな金具が装着されているようです。また、別の写真では、安曇追分駅でも既存のCタイプと同じマストに細野駅と同じような金具が取り付けられています。
 今のところ、無線局等情報検索では新たなデジタル列車無線基地局はヒットしません。これからどうなるのか、そして次はどこなのか、注視しなければならないようです。

JR在来線列車無線、不感地帯が4000km

2015-03-28 22:47:33 | 鉄道無線
 共同通信社は、JR在来線の列車無線に関する記事を配信しました。共同通信社に加盟する各新聞社も、同じ記事を掲載しています。
4千キロ超区間で列車無線が不備 JR在来線、指令所との通信

 駅間を走る列車と運行を管理する指令所の間で鉄道無線の通じないJR在来線の区間が昨年4月時点で4千キロを超え、総延長の24%に上ることが28日、共同通信の取材で分かった。各社は主に携帯電話を代用しているが、災害時は一般利用の集中で回線が途絶し、緊急停止などの指令が伝わらない恐れがある。

 海沿いの列車が津波にのまれた東日本大震災では、無線による情報が乗客の避難に役立った。全国的に通信手段の多重化は万全とはいえず、今後の大災害を見据えた整備の動きも出ている。

 鉄道無線では沿線の基地局を介し、指令所が列車と常にやりとりできる「列車無線」が重要な役割を担う。
 JR各社の路線網は、都市部から山間部まで広範囲にわたっています。列車無線は、沿線の全区間で安定した通話が求められるのです。ところが、実際には不感地帯が多く、携帯電話に頼っている部分もあります。
 A/BタイプやDタイプはさておき、JR各社が国鉄時代に整備されたCタイプは、元はといえば乗務員や近隣駅との連絡に使われる乗務員無線でした。そのため出力は大きくなく、基地局をこまめに設置しないと全区間での安定した通話は望めません。
 ただし、そうなると膨大な費用がかかります。赤字ローカル線を多く抱えると、そのあたりのコストが重荷になってしまうのです。
 携帯電話を使うにしても、大災害が発生したら通話規制が実施されると連絡が難しくなります。だからこそ、自前の通信回線が必要になるのです。

 JR各社は、今後このあたりを改善するでしょう。現に、JR東日本はデジタル無線のDタイプ導入を推進しています。JR四国も、先の記事のように列車無線を整備すると表明しました。
 鉄道の安全な運行には、鉄道無線はなくてはならない存在です。どのように改善していくか、見守っていきましょう。

大山ケーブルカー&JR四国

2015-03-27 21:12:20 | 鉄道無線
 大山ケーブルカーを運営する大山観光電鉄は3月24日、新型車両を導入すると発表しました。ニュースリリースによると、今年10月1日にデビューする新型車両は、リチウム電池を搭載することで駅間の架線を廃止、充電は駅に設置する剛体架線で行います。そして、枕木上面に敷設した通信線を用いた誘導無線を導入するというのです。
 大山ケーブルカーは、現時点では周波数未判明となっています。今回の新型車両導入で、周波数判明に一歩近づくのかもしれません。

 一方、JR四国2015年度事業計画を発表しました。それによると、鉄道施設の整備に関する計画として、運行中の列車の乗務員へ迅速に情報連絡を行える列車無線設備の整備を進めるとしています。
 これだけでは、現状のCタイプを強化するのか、それとも別の方式の列車無線を導入するのか、判然としません。どちらの解釈も成り立ってしまうことから、もう少し情報が欲しいところです。

 両社の新たな無線がどうなるのか、注視していきましょう。

京急、デジタル無線試験を夜間に実施へ

2015-03-20 22:03:28 | 鉄道無線
 京浜急行電鉄(京急)は、列車無線を誘導無線(IR)から空間波無線(SR)への更新が予定されています。基地局アンテナは各地で建設され、デジタル列車無線機を搭載した車両も登場しました。
 そんな中、3月16日に「夜間走行試験の実施について」と題したお知らせを発表したのです。
当社では,列車乗務員と運輸司令の間での通話品質を向上し,安全性の向上を図るため,「列車無線装置」の更新を進めております。

このたび,列車無線の機能確認を行うため,終列車後に走行試験を行います。沿線の皆さまには大変ご迷惑をおかけいたしますが,何卒ご理解・ご協力をお願いいたします。
 日時は4月1日から6月末までの予定で、終列車後から始発列車までの間、京急線内全線で実施するというもの。実際にはどうなるかわかりませんが、おそらく全線一括ではなく日時と区間を区切って試験が行われるものと思われます。

 この期間中、注目の周波数が判明するのです。以前の記事の通り、基地局は146.43125~146.85000MHzのうちの数波となるでしょう。
 沿線の皆さん、是非ともデジタル列車無線の周波数を探し出してください。

新潟地区でデジタル波をキャッチ

2015-03-16 17:25:26 | 鉄道無線
 新潟地区の信越本線で、列車無線のデジタル化が進められています。基地局はおおむね建設が終わっており、あとは電波が発射されるだけとの状態になっていました。
 そんな中、デジタル波をキャッチしたという一報が入ったのです。2ちゃんねる鉄道総合板にある「鉄道無線 3局目」というスレに、このような書き込みがありました。
654 :名無しでGO!:2015/03/15(日) 18:55:19.73 ID:guk0sGMm0
新潟市東区でD3ch受信。
 たった1行の書き込みですが、重大な意味を持ちます。周波数はD3chとのことですが、首都圏と同じ基地局が352.55000MHz、352.61250MHz、352.64375MHzの3波かどうかは不明です。
 運用開始日や区間も含め、今後の調査が必要になるでしょう。

常磐線でもデジタル化の動き

2015-03-06 22:00:57 | 鉄道無線
 三陸特でデジタル列車無線に出れるわけがない!!さんから、以下のような目撃情報をいただきました。
常磐線にも新しいマストが建てられています。

区間は勝田以北でピカピカ光る、例のマストになります。

まだアンテナがついていないのでしばらく先になるとは思いますが、ローカル線区にもバンバンデジタル列車無線が導入されていきますね。
 現状では、勝田を境に南側の上野までがD4ch、不通区間を含めて北側の岩沼までがCタイプとなっています。これが、勝田以北でもデジタル化する兆しが出てきたというのです。
 北限がどこまでか定かではありませんが、高萩までなのか、いわきまでか、あるいは不通区間ぎりぎりの竜田までか、非常に気になります。不通区間に挟まれた原ノ町─相馬や、不通区間より北側の浜吉田─岩沼もどうなるかも注目です。
 高台移転や、収束が見えない福島第一原子力発電所のからみで、全線運転再開のめどは立っていません。このあたりも含め、デジタル化の区間を見極める必要がありそうです。

 JR東日本管内では、幹線級の路線でデジタル化の動きがあります。今後は、上越線や羽越本線などでもデジタル列車無線用の新しいマストの目撃情報が現れるかもしれません。


仙台地区701系にデジタル無線搭載

2015-02-07 15:56:03 | 鉄道無線
 ついに、仙台地区でデジタル無線に置き換えた車両が登場したようです。こちらのブログで、701系にデジタル無線が搭載されたことが書かれています。
 この記事によると、デジタル無線を搭載したのはF2-26編成で、E129系と同じ受話器になっているようです。また、ダイバーシティ用のアンテナが運転台に増設されました。同時に、ワンマン機器の更新も行われたようです。
 今後、仙台地区でのデジタル無線搭載が本格化するかもしれません。どのくらいのペースで取り付けられるのか、要注目でしょう。

HB-E210系の無線機

2015-02-02 13:59:09 | 鉄道無線
 5月30日に運行開始予定の仙石東北ラインに投入される、HB-E210系ハイブリッド気動車。先頭車に2本1組の列車無線アンテナが装備されていることから、どのような無線機を搭載しているのか気になっていたところです。そんな矢先、こちらのブログでその写真が掲載されていました。

 写真を見ると、首都圏と同型のA/C/Dタイプ無線機のようです。仙石線を走行する都合上Aタイプは必須となり、なおかつCタイプ区間のデジタル化を想定しているため首都圏と同型になったのでしょう。
 ボタン配列から表示類まで一致していますが、注意すべきは「子機」ボタンの存在。C/Dタイプ無線機には「子機」「デジタル/アナログ」ボタンが省略されているので、実際には子機を搭載していないと思われます。首都圏と共通化することで、コストを削減しているのではないでしょうか。

 余談ですが、このブログに参考としてEF500形電気機関車の無線機の写真も掲載。気になったのは、受話器の傍らに写っているチャンネル表です。
 受話器の下に隠れているのはアナログ、受話器の上にはデジタルのチャンネル表となっています。よく見ると、デジタル化しているのは写っている範囲でD3chとD4chだけなのです。
 3号線区のD4chは存在し、4号線区のD2chが書かれていないということは、2009年7月19日~10月10日の間に撮影されたものと考えられます。ブログには撮影時期は明記されていないものの、おそらくこの期間内で行われた公開ときのものでしょう。

 仙台地区では、新製車両初のデジタル無線機搭載車が登場と相成りました。今後、既存車両がどのようにデジタル無線機に置き換わっていくのか要注目です。

【2月2日22:06追記】
 仙石CTCさんより、HB-E210系は仙台地区での「新製車両」としては初のデジタル無線搭載車とご指摘をいただきました。一部語句を追加します。仙石CTCさん、ありがとうございました。