無線室

無線通信、特に受信に関する考察、実験、感想などを‥‥。

NECが小田急列車無線のデジタル化を発表

2013-02-12 20:03:12 | 鉄道無線
 前回お伝えした、日本経済新聞の報道による小田急電鉄の列車無線デジタル化。本日、NECニュースリリースを発表しました。

 それによると、全面稼働、すなわち完全デジタル化はやはり2016年7月を予定しています。この時期は、5月31日にアナログの救急無線が停波したあとです。
 総務省が策定した「周波数再編アクションプラン(平成24年10月改定版)」では、150MHz帯の列車無線は「平成28年5月31日で使用期限を迎える消防無線の空き周波数も利用して、デジタル狭帯域化の実施による多チャンネル化を進める」としています。ということは、現在の救急無線の周波数にデジタル波が割り当てられる可能性があるのです。
 すでに147MHz帯の割当は逼迫しており、周波数を移行しようにも空き周波数が皆無となっています。そこで、救急無線のデジタル化で空いた周波数を利用しようとしているのでしょう。

 さて、今回小田急に納入されるシステムの最大の特徴は、SDR(Software-Defined Radio/ソフトウェア無線)を採用したこと。細かな仕様の違いをソフトウェアで対応しています。
 首都圏の私鉄では、今や直通相手は1社だけにとどまりません。今年3月16日からは、東京メトロ副都心線を介して東武東上線、西武池袋線、東急東横線、横浜高速鉄道みなとみらい線の5社が直通運転を開始する予定。誘導無線である東京メトロ以外、ほかの4社はNEC式列車無線を採用しています。
 一応現状でも共通の操作機ですが、SDRにより装置全体のさらなる小型化が可能に。例えばこの中で1社でもデジタル化したとしても、ソフトウェアでどうにでも対応できることになります。

 今回の小田急への導入を機に、SDR無線機によるデジタル化が進むかもしれません。今後の動向に注意が必要でしょう。

小田急は2016年7月にデジタル化!

2013-02-10 13:26:48 | 鉄道無線
 小田急電鉄は昨年、設備投資計画で列車無線のデジタル化を表明しました。すでに、車両にはデジタル対応の無線機が搭載され始めています。
 設備投資計画には、車両側の整備を進めると明記されていました。その一方、基地局側の整備については明言していません。

 2月8日の日本経済新聞に、小田急のデジタル化に関する記事が掲載されました。ただ、全文を読むには会員登録をしなければなりませんが、デジタル化の実施時期は会員登録なして読むことができます。
NEC、小田急電鉄にデジタル無線納入

 NECは2月中をめどに、小田急電鉄にデジタル式の列車無線システムの納入を始める。列車と各列車の運転を管理する「運転指令所」が音声通話でやり取りする従来型システムの機能に加え、路線全体の運行情報などをデータ通信で運転手や車掌に伝えられる。

 小田急電鉄は2016年7月にデジタル式を全面稼働する。デジタル式では複数の列車に同時に指示を出すことができ、各列車と運転指令所との情報のやり取りがスムーズにな…

 非会員は、ここまでしか読むことができません。この記事によると、デジタル化は2016年7月に実施されるようです。
 2016年といえば、消防・救急無線やタクシー無線のアナログ使用期限がこの年の5月31日までとなっています。従って、3年後はいろいろデジタル化する「暗黒の年」になりそうです。

 それまでの間、思う存分聞けるだけ聞いて、記録できるものは記録しておきましょう。