無線室

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東京メトロ副都心線

2007-10-21 15:13:32 | 鉄道無線
 来年6月に池袋~渋谷が開業する東京メトロ副都心線。池袋・新宿・渋谷の3大副都心を結び、並行するJR山手線・埼京線の混雑緩和が期待されています。

 この副都心線ですが、今月発売の鉄道雑誌によると、誘導無線を用いた列車無線を使用するとのこと。現在「有楽町線新線」として開業済みの小竹向原~(新線)池袋や、路線を有楽町線と共用する和光市~小竹向原も誘導無線を用いていることから、副都心線でも誘導無線が使われるようです。
 すでに副都心線用の車両として、東京メトロは10000系を、直通運転する東武は50070系を登場させたほか、東京メトロ7000系、西武6000系、東武9000系を副都心線対応改造しています。これらの車両は、2012年度に実施予定の東急東横線との直通運転に対応すべく、列車無線の制御器(受話器)を共用できるようにしてあるのです。

 これまでの直通運転は、自社と乗り入れ先それぞれの無線機を搭載する必要があることから、自社用と乗り入れ先用別々の受話器を設置してきました。例えば、東京メトロ日比谷線の車両は、東武伊勢崎線と東急東横線に乗り入れているので、東京メトロ用・東武用・東急用の計3つの受話器を運転台に設置していたのです。
 しかし、1990年代に入り、京急・京成・相鉄を除く首都圏の大手私鉄は、いわゆる「NEC式列車無線」を相次いで導入。周波数も、これまで150MHz帯に点在していたものが、147MHz台後半の旧沿岸船舶電話だった周波数に集中的に割り当てられました。
 これにより、一部の仕様の違いはあるものの、ほぼ同機能が各社の列車無線に搭載されたことから、複数の会社に乗り入れる車両に共通の制御器を導入することができたのです。なお、東京メトロは南北線を除き誘導無線を使っていますが、最低限の機能である通話と非常発報ができればよいので、NEC式列車無線の受話器を共用できます。

 話がそれてしまいましたが、ここで本題に。副都心線では、誘導無線を使って司令所から車内に遠隔放送ができるようになるそうです。ワンマン運転であるため、異常時に正確な情報を乗客に伝える役目があると考えられます。
 また、データ専用波の誘導無線を新たに使用するとのこと。鉄道雑誌によると、その周波数は205kHzだそうです。

 では、副都心線の音声系はどうなるのでしょうか? あくまで推察ですが、有楽町線と線路を一部共用することから、現在の有楽町線そのままの基地局145kHz、移動局190kHzとも考えられます。
 和光市~新線池袋でこの周波数以外でキャリアを受信できれば、副都心線用の周波数となるのは確実。副都心線の試運転が開始されれば、その答えが出るでしょう。