無線室

無線通信、特に受信に関する考察、実験、感想などを‥‥。

G6 AVIATORの電池交換

2012-04-19 22:10:25 | 短波・中波・長波
 イートン社グルンディッヒブランドで出している短波ラジオ「G6 AVIATOR」を購入したのは、今から3年以上前の2008年12月。現在は生産が中止されたようで、公式サイトでは過去の製品扱いになっています。
 そんなG6は、電源が単3×2。ほかの機種では単3×4が多いのですが、G6は充電池を使用すると2.4Vで動くことになります。
 せっかくなので、電池をエネループにしてみたのです。購入直後にフル充電したエネループを入れ、月に3~4回、1回につき30分から1時間ほど使っていました。なかなか電池が減らないなと思い続けて約3年、先日、ようやく電池交換することになったのです。

 電池交換すると、メモリーがすっ飛んでしまう機種もありますが、G6はどうなのでしょう? 使い続けたエネループを外して充電し、再び装着してみました。
 結果は、メモリーは生きていたのです。中波の9kHzステップや、FMの下限を76MHzにする設定もそのままでした。
 ただ、時計はタイムゾーンとともにダメ。曜日を含めて、再設定の必要があるのです。

 正直、ここまで長持ちするとは思いませんでした。しかも、単3エネループ2本で3年以上も使える省エネ設計です。ほかのインプレッションでは性能でいまいちと評されたりしているようですが、この点は評価すべきでしょう。

JJYおおたかどや山の停波は長期化か?

2011-04-27 01:47:35 | 短波・中波・長波
 暫定復活と停波を繰り返していたJJY福島局「おおたかどや山標準電波送信所」は、4月25日にまた停波してしまいました。今回の停波は、この日12:06分の落雷によるもの。詳しくはこちらをご覧ください。
 停波の原因が落雷となると、アンテナや送信機に不具合が発生しているとも限りません。実際に現地へ行って確認する必要があるものの、福島第1原発の警戒区域にあるがためそれすら困難な状況です。
 これは、停波の長期化を意味します。早ければ数日で対応可能になるかもしれませんが、数週間から数か月単位の期間を要する可能性も否定できません。

 停波から点検までに時間がかかるか、このような事態が頻発するようなら、福島局の移転も検討した方がいいのではないでしょうか。もちろん、移転先の用地確保や予算などの問題もあります。
 ただ、原発問題はいつ収束するか先が見えません。仮移転だとしても、準備期間と収束までの期間を天秤にかけた場合、仮移転の方に分があれば検討に値するでしょう。
 正確な時を刻む電波時計が生活に密着して久しい昨今、標準電波の停波が生活に与える影響も甚大です。早急な福島局の復活を願ってやみません。

JJYおおたかどや山再び暫定復活

2011-04-24 20:34:22 | 短波・中波・長波
 昨日停波したJJY福島局「おおたかどや山標準電波送信所」は、18:49ころに暫定的に復活した模様です。詳細はこちらをご覧ください。
 復活まで時間がかかると思われましたが、速やかに対応したようです。今後も、不測の停波があるかもしれません。電波時計の電波が拾えていないと思ったら、情報通信研究機構(NICT)標準電波の送信状況をチェックしましょう。

JJYおおたかどや山再び停波

2011-04-24 08:18:27 | 短波・中波・長波
 4月21日に復活したJJY「おおたかどや山標準電波送信所」は、4月23日17:10ころに停波した模様です。情報通信研究機構(NICT)標準電波JJY送信情報には、詳しい原因は明記されていませんが、停波したことが記されています。
 復旧見込みは未定とのことですが、おおたかどややま山標準電波送信所が福島第1原発の警戒区域にあることから、エンジニアが送信所に行くこと自体が困難な情勢です。復旧までには、相当な時間がかかることが予想されます。

JJYおおたかどや山復活!

2011-04-22 01:32:52 | 短波・中波・長波
 3月12日から、東日本大震災による原発事故で避難指示が出されていたため停波していたJJYの福島局こと「おおたかどや山標準電波送信所」。その情報は以前お伝えしましたが、4月21日13:54に復活した模様です。
 JJYを運営する情報通信研究機構(NICT)によると、あくまで「暫定的に送信を再開」したとのこと。NICTの日本標準時グループのサイトに、詳細が記されていました。
おおたかどや山標準電波送信所(40kHz)は暫定的に送信を再開しました

 おおたかどや山標準電波送信所では、福島第一原子力発電所の周辺地域を対象に避難指示が出されたことを受け、標準電波の送信を3月12日19時46分から停止していましたが、必要な措置を実施し、4月21日13時54分に暫定的に送信を再開しました。

 今後、落雷や停電等により停波を余儀なくされる可能性もあります。標準電波をご利用の皆様にはご迷惑をおかけしますが、ご理解をお願い申し上げます。

 なお、はがね山標準電波送信所(60kHz)は通常通りの運用を行っています。

 福島局が復活したことにより、東日本でも安定してJJYを受信することができるようになったのです。特に、初期の電波時計は福島局の40kHzしか対応しておらず、九州局の60kHzは受信できません。そのため、停波していた約40日間は時刻合わせができずに、日に日に狂ってしまったのです。
 しかし、暫定的とはいえ復活したことで、古い電波時計でも正確な時を刻むことができるようになりました。一応の復活で、一安心といったところでしょう。
 
 ただし、本日0:00をもって、福島局を含む福島第1原発の半径20km圏内が立ち入り禁止となる「警戒区域」に設定されました。このことが、福島局のメンテナンスに少なからず影響を与えると思われます。
 落雷などで停波した場合、速やかに復旧できないことが予想されるのです。このあたりが、「暫定的」としている理由なのかもしれません。

JJYおおたかどや山停波

2011-03-13 13:29:27 | 短波・中波・長波
 3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震、いわゆる東日本大震災は、報道されているとおり各地で甚大な被害が明らかになっています。特に、懸念されていた原発にも被害が及び、福島第1原発の半径20km以内の住民に対し、避難指示が出されました。

 この影響で、3月12日19:46にJJYのおおたかどや山標準電波送信所が停波した模様です。こちらに詳細が記されています。
電波時計の時刻情報を伝える標準電波(JJY)、福島県の送信所が送出を停止

 情報通信研究機構(NICT)は2011年3月12日、福島県にある日本の標準時刻を伝えるための施設「おおたかどや山標準電波送信所」において、電波の送出を停止したことを明らかにした。福島原発に伴う避難指示に従い、3月12日19時46分に停波を実施したという。13日11時45分現在、復旧の見込みは「未定」となっている。同送信所は、福島県田村市と同双葉郡川内村境界付近の大鷹鳥谷山の山頂付近にある。

 一方、JJYの送信元である情報通信研究機構(NICT)のホームページでも、停波の告知がなされています。
おおたかどや山標準電波送信所(40kHz)は停波中です

3月12日19時46分、福島原発に伴う避難命令に従い、おおたかどや山送信所は停波措置を取りました。
復旧の見込みは未定です。
利用者の皆様にはご迷惑をおかけしますが、ご理解のほどお願い申し上げます。

 停波しているのは40kHzの標準電波。九州のはがね山標準電波送信所で送信されている60kHzの標準電波は、通常通り送信されている模様です。 それを裏付けるように、自宅にある4個の電波時計はいずれも本日は40kHzの電波を受信していません。
 今後の復旧の見通しは立っていないとのこと。今後の動向は、NICTのホームページで確認してください。

G6 AVIATORのタイムゾーン設定

2010-10-10 19:28:28 | 短波・中波・長波
 イートン社の短波ラジオ「G6 AVIATOR」。このブログでは、前回から、実に1年9か月ぶりの登場です。

 G6 AVIATORは時計が内蔵されており、時刻が設定できます。もちろん、海外への持ち出しも想定しているので、現地のタイムゾーンに合わせれば時差も自動的に設定できるのです。
 タイムゾーンは、電源がオフの状態で「8」キーを長押しすることで設定が可能。画面には「Tzone」と表示され、都市名が3レターコードで現れます。ジョグダイヤルを回すと都市名が変わりますが、並びはあくまでアルファベット順。そのため、目的のタイムゾーンに設定するには、最寄りの都市を選ぶ必要があるのです。
 そこで、タイムゾーン順で都市名を並べてみました。
表示都市名国・地域UTCとの時差日本との時差
WLGウェリントンニュージーランド+12+3
NOUヌーメアニューカレドニア+11+2
SYDシドニーオーストラリア+10+1
TYO東京日本+9±0
BEG北京中国+8-1
HKG香港中国+8-1
BKKバンコクタイ+7-2
DACダッカバングラデシュ+6-3
DELデリーインド+5-4
KHIカラチパキスタン+5-4
DXBドバイUAE+4-5
JEDジェッダサウジアラビア+3-6
CAIカイロエジプト+2-7
PARパリフランス+1-8
LONロンドンイギリス±0-9
GMTグリニッジ標準時±0-9
RIOリオデジャネイロブラジル-3-12
CCSカラカスベネズエラ-4-13
NYCニューヨークアメリカ-5-14
CHIシカゴアメリカ-6-15
DENデンバーアメリカ-7-16
LAXロサンゼルスアメリカ-8-17
ANCアンカレジアメリカ-9-18
HNLホノルルアメリカ-10-19

 全部で24都市が登録されているものの、人がほとんど居住していないUTC-1、-2、-11は設定できません。その代わり、UTC+8には北京と香港、+5にはデリーとカラチ、±0にはロンドンとGMTになっています。不思議なのが、ロンドンがあるのにわざわざイギリスの標準時であるGMTもあるのです。どうせなら、UTC(協定世界時)にしておけばと思うのですが‥‥。
 なお、G6 AVIATORは時刻と曜日が設定できますが、サマータイムは設定できません。サマータイムは、手動で設定する必要があるのです。
 また、3レターで表示される都市のうち、本来「PEK」となるはずの北京が「BEG」となっています。英語圏では、やはり「Peking」よりも「Beijing」でないとピンと来ないのでしょう。

 今後も、G6 AVIATORのTIPSをお届けする予定です。

G6 AVIATORその2

2009-01-07 14:06:16 | 短波・中波・長波
 前回に続いて、短波ラジオ「G6 AVIATOR」のインプレッションをお届けします。

 さて、我が家はAFN(810kHz)の送信所から数kmに位置しており、フィルターの甘い安物ラジオだと全帯域でAFNがカブってくるのです。そのため、ある意味中波の受信実験に適しているかもしれません。
 G6は多少の混変調や相互変調があるものの、深夜になると韓国や北海道など、1000kmもの彼方からの放送をキャッチしてくれます。また、音質も良好です。音質は「MUSIC」と「NEWS」で切り替えられるようになっており、「MUSIC」にすると高音だけでなく低音も強調される「MEGA BASS」に。特にイヤホンで聴くと、その違いがはっきりとわかります。
 ただ、このブログにもあるように、1350kHz前後でバックライトを点灯させるとノイズが乗ってしまうのです。少し弱い局を受信しようとすると、このノイズにつぶされてしまいます。

 肝心の感度ですが、以前ネットオークションで落としたソニーのICF-7601と比べてみました。G6とICF-7601はさほど感度の違いはありませんが、中波放送の少し上の東京マーチス(1665kHz)は、ICF-7601はかろうじて受信できるものの、G6では受信できません。
 G6はSSBも受信できますが、SSBにしても結果はダメ。結果として、ICF-7601に軍配が上がりました。

 続いては、中波ラジオの下、航空無線標識(NDB)をチェック。首都圏ではもっとも出力の高い館山(373kHz)をはじめ、羽田(337kHz)も受信することができました。
 ただし、荏田(357kHz)は中波放送の相互変調を受けてつぶされ気味に。それでも、IDはなんとか受信することができました。
 こちらも、ほかの機種と感度の比較を。ICF-7601では520kHz以下は受信できないため、誘導無線の受信に向いているアルインコのDJ-X8で比較してみました。
 G6では上記の局が受信できましたが、DJ-X8では内蔵アンテナでのみ館山を受信。羽田や荏田は受信することができず、アンテナをティーアール無線研究会のIRアンテナにつなぎ替えると、今度は中波ラジオの混変調で全く受信できなくなってしまいました。
 NDBやロシアの長波放送は、G6の方が適しているようです。

 ひとまず、中波以下はこんな感じです。短波以上はまた追って報告したいと思います。

G6 AVIATORその1

2008-12-15 15:59:07 | 短波・中波・長波
 イートン社がグルンディッヒブランドで出している短波ラジオ「G6 AVIATOR」。その、アメリカの宇宙探査50周年を記念したBUZZ ALDRIN EDITIONを、ボーナスが出たので買ってしまいました。
 この機種の魅力は、何といっても小型であること。そして、単3×2で動作するのです。
 ほかにも、なぜかVHF帯エアバンドも受信できます。そのせいか、ボーイング社の通販サイトでも売られているのです。

 円高なので海外の通販サイトでの購入も検討しましたが、「面倒そう」という理由でベストカカク.comで購入。ここでは、送料別で13,800円でした。

 さて、ざっと使ってみての感想を。日本の通販サイトでの購入でも、日本語の取扱説明書が付属するわけでもないので、英語の取説との格闘です。
 とはいえ、難しい英語を使っているわけではありません。そのため、何となく雰囲気は伝わってきます。

 ただ、メモリーの仕方が独特で、ちょっとうろたえてしまいました。この機種には700chのメモリーが用意されていますが、実質的には100ch×7という構成です。
 しかも、広帯域受信機のような「7バンクで100ch」ではありません。1つのバンクに7ch分書き込め、それが100個あるイメージとなります。
 これは、短波の放送形態を考えれば理にかなっているのです。1つの局でも、時間帯によって複数の周波数を使い分けて送信するため、1つのメモリーネームに複数の周波数を書き込めた方が効率がよくなります。広帯域受信機の考え方でメモリーしていくと、100chしかメモリーできなくなってしまうことになり、「看板に偽りあり?」となってしまいそうです。

 まだまたじっくり受信していないので、受信性能のチェックは次回以降とします。

自動車内で聞く短波

2008-10-14 01:55:01 | 短波・中波・長波
 私の自動車には、AR8600を積んでいます。余談ですが、メモリーカードEM8200で、自宅用のAR8600とメモリー内容が完全に同一になっているのです。
 自動車に取り付けられたアンテナは、144/430MHz帯用のモービルホイップ。しかも、長さはたかだか60cmという短いものです。

 そんなモービル環境では、短波の受信は絶望的といえるでしょう。ノイズ対策もしっかりしていないので、エンジン回りのノイズもひどいのです。しかしながら、これが意外と短波を受信できてしまいました。

 私の車では、AR8600の電源はバッテリー直づけ。つまり、エンジンをかけなくても電源が入るのです。
 そこで、エンジン回りのノイズを防ぐためにエンジンを切った状態でAR8600をオン。すると、海外の短波放送がそれなりに聞こえてくるのです。

 実は先日の夕方、何気なく上記の状態でメモリースキャンをかけていたときのこと。13282kHzでボルメット放送が受信できたのです。
 てっきり東京ボルメットかと思っていたら、手元の時計は17:18。東京ボルメットは毎時10分と40分から5分間の放送なので、東京ではないのです。
 放送の最後に「香港」と聞き取れたので、自宅に戻ってスケジュールを調べたら、やはり香港ボルメットを受信できたことが判明。1mにも満たないモービルホイップでも強力に受信できて、思わず驚いてしまいました。
 「これなら海外の短波放送でもクリアに受信できるだろう」と思い、41mb(7100~7500kHz)や25mb(11500~12200kHz)などの短波放送の周波数にあわせると、中国や韓国、北朝鮮やロシアなどの近隣諸国の放送が聞こえて来るではありませんか。短波に同調しているはずのないアンテナでも、しっかり数千kmの彼方からやってくる短波放送が受信できてしまうのが、電波の不思議といえるのではないでしょうか?

 では、より短波に適したアンテナに接続するとどうなるのか‥‥以前実験してみました。
 モービルホイップを外して、長さ5mほどのコードをワイヤーアンテナとして接続。AR8600の電源を入れると、何とこれが激しい混信で使い物にならなくなってしまうのです。アマチュア無線の7MHz帯なんかはただでさえ混んでいるバンドなのに、上下から激しいカブりを受けてしまいました。
 AR8600は本格的な短波受信機とは違い、混信除去機能が実に貧弱なのです。オプションでコリンズのフィルターが用意されていますが、標準ではせいぜいアッテネーターがある程度。設計段階でも、余り短波の受信を念頭に置いていないように思えます。

 このようなことから、むしろ短波に同調していないアンテナの方が快適に受信できるかもしれません。皮肉な結果ですが、車に積むにはこの程度がちょうどよいのではないでしょうか。