無線室

無線通信、特に受信に関する考察、実験、感想などを‥‥。

鉄道無線とは?

2006-10-29 17:37:12 | 鉄道無線
 鉄道無線とは、その名の通り鉄道で使用される無線のこと。その中でも、大きく以下のように分類されます。

  • 列車無線
     列車と指令所を結ぶ無線。列車の運行管理に使われます。JRや大手私鉄ではほぼ100%導入されていますが、中小私鉄では未導入のところもあります。
     平時では通話もなく、あっても出庫時の通話試験くらいしか聞けません。しかし、ひとたび事故や車両故障などでダイヤが乱れると、通話が盛んになります。もし列車に乗っているときに聞けば、今後この列車がどうなるのかがわかるのです。また、駅で列車を待っているときに聞けば、いつ列車が来るかわかってしまいます。
     JR在来線では、主要路線に使われるA/Bタイプ、地方路線で使われるCタイプに分けられます。それぞれの違いは以下の通りです。

    タイプ方式周波数チャンネル数
    Aタイプ複信式基地局:352.5375~352.6250MHz
    移動局:336.0375~336.1250MHz
    Bタイプ半複信式基地局:352.5375~352.5875MHz
    移動局:336.0375~336.0875MHz
    5(Aタイプと兼用)
    Cタイプ単信式下り:415.2000MHz
    入換:414.4250MHz
    上り:414.5500MHz

     なお、A/Bタイプの基地局からは、通話のないときは「ピー」という空き線信号が送信されています。最近の受信機では、空き線信号をカットする「空き線信号キャンセラー」を内蔵したものも多くなっています。また、AタイプはJR東日本のみが、BタイプはJR東日本、東海、西日本の本州3社が使用しており、JR北海道、四国、九州の三島会社はCタイプのみが使われます。
     新幹線は多重無線を使用しており、通常一般の受信機では聞くことができません。しかし、基地局の周波数にあわせれば、一斉連絡は受信することが可能。なお、JR東日本管内の新幹線はデジタル化しており聞くことはできませんが、ミニ新幹線の在来線区間はAタイプが使われており、聞くことは可能です。
     大手私鉄では同時通話が可能な複信式や半複信式が、中小私鉄では同時通話ができない単信式を採用しているところが多いようです。一般的に、運転本数が多ければ複信式、少なければ単信式となる傾向があります。
     なお、首都圏の大手私鉄の複信式では、通話のないときは基地局から「ピーギャラー、ピーギャラー」という空き線信号が流れています。この方式を、製造メーカーから「NEC式列車無線」と呼びます。この方式でも、最近の受信機で空き線信号をカットできるものもありますが、完全に除去できないものも多いのが現状です。
     また、私鉄はほとんどが150MHzに割り当てられていますが、一部300MHzを使用しているところもあります。ほかにも、JRを第三セクター化した路線や、JRとの直通列車の多い路線では、JRと同じ周波数を使うところもあります。
     地下鉄は、トンネル内という環境から長波を使った誘導無線が用いられます。一方で、最近ではLCXを敷設してVHFの列車無線を導入するところも増えてきています。

  • 保守作業無線
     線路や信号のメンテナンス作業に用いられる無線。列車の運行時間外でも通話があります。鉄道会社によっては、列車無線と兼用しているところもあります。

  • 構内入換無線
     操車場や車両基地で、車両の入換作業に用いられる無線。操車場を見渡せる場所でこの無線を聞けば、自分が車両をコントロールしている気分に浸れます。この無線も、鉄道会社によって列車無線と兼用しているところもあります。

  • 防護無線
     列車を緊急停止させるための無線。防護無線を受信した列車は、ただちに停止しなければならないことになっていいます。実際に受信しても、信号音しか聞こえません。ある意味聞いていても面白味に欠けるかもしれませんが、この周波数で信号が聞こえるということは、近くで何か事故が発生していることになるのです。

     このほかにもいろいろありますが、詳細は他のサイトにもありますのでそちらをご覧ください。また、こちらでも今後も随時紹介していく予定ですので、お楽しみに。

  • 以前所有していた受信機

    2006-10-29 16:47:06 | 受信機・アンテナ
    かつて所有していた受信機は以下のとおりです。

  • IC-R1(アイコム)
     コンパクトにして、2~905MHzをAM/FM/WFMでカバーしたハンディ機。Ni-Cd電池も内蔵していましたが、数時間でバッテリー切れになってしまうため、泣く泣く単3×6本の電池パックをつけてコンパクトさを犠牲するハメに。しかしながら、そのサイズや受信周波数は、その当時としては画期的で、一世を風靡しました。
     アンテナコネクターをポッキリ折ってしまい修理したこともありましたが、AR8000の購入に伴い売却。

  • IC-R100(アイコム)
     モービル機。0.5~1800MHzをAM/FM/WFMでカバー。V/UHFには内蔵のプリアンプがあり、もともと抑え目の受信感度を上げてくれます。周波数によって、アンテナコネクター3つを使い分けました。
     初めて買った車(中古)に搭載し、今の車にも積んでいましたが、AR8600の購入に伴い売却。

  • AR8200(エーオーアール)
     ハンディ機。0.53~2040MHzをCW/LSB/USB/SFM/NFM/WFM/NAM/AM/WAMでカバー。オプションのカードで機能が向上します。しかしながら混変調がひどく、受信感度も前作のAR8000には及びませんでした。その後、改善されたmkⅡ、mkⅢへと進化していくのです。
     購入当初はAR8000を売却し、主用機にしようと思っていました。ところが、AR8200のあまりの「駄作」ぶりに方針転換、8200を売却してmkⅡを購入しました。

  • 所有受信機

    2006-10-29 12:52:56 | 受信機・アンテナ
    現在所有の受信機は、以下のとおりです。

  • AR8200mkⅡ(エーオーアール)
     ハンディ機で、0.53~2040MHzをCW/LSB/USB/SFM/NFM/WFM/NAM/AM/WAMでカバー。名前のとおり、AR8200のマイナーチェンジ版。前作では混変調がひどく、「駄作」との評判でしたが、mkⅡとなり改善されました。現在では3000MHzまで受信できるmkⅢが発売されています。
     出かけるときには、ほぼ必ず携行します。

  • AR8000(エーオーアール)
     ハンディ機で、0.53~1900MHzをCW/LSB/USB/NFM/WFM/AM/でカバー。メモリーに名前がつけられるメモリーネーム機能を搭載し、脚光を浴びました。限定版として青い半透明の筐体「スケルトンモデル」も販売。すでに絶版ですが、基本性能がしっかりしているため、現在でも人気機種となっています。
     今はAR8200mkⅡがあるため、予備機的な扱いとなっています。

  • AR8600(エーオーアール)
     小型の固定機で、受信周波数や機能はAR8200mkⅡとほぼ同じ。現在では数少ない車載可能な受信機ですが、今はAR8200mkⅢと同様のマイナーチェンジを施したmkⅡが販売されています。
     自宅用と車載用で2台所有しており、メモリー内容は一緒にしてあります。

    ‥‥以後、詳しい機能の紹介や使用感は、逐次ご紹介する予定です。