ブタちゃん
新年だね
◇
皆で元気に
暮らしてた?
◇
新年
大晦日
村の『影の総長』と
神社の
かがり火を
焚いていたんだ
◇
年越しのあと
村の役員の人が
引いて
長い
一夜
◇
総長と
薄い雪雲の切れ目で
星を探す
◇
◇
もう
網膜がわるく
全星空は見えない
私の目
◇
気遣う表情の
総長であったが
でも
頭上高く超えた
シリウスは
一目でわかった
われながら
ギリギリ凄い
◇
北斗七星は
総長が何度も教えてくれたが
見えなかった
◇
でも充分
◇
とくに
むずかしい話はせず
ひとばん
ばか話をしました
◇
雪が
降っちゃってね
最初
じょや の鐘の前
出かけるとき
暗い
駐車場で
クルマの雪を払って出る
でも
バリバリだったよ
◇
中止か?
いやそんなはずはない
総長は
ゴンゴンに
焚いているに違いない
◇
はたして
そうだった
◇
神社の中
遠くオレンジ色
ありゃ
暖かい
さみしくないね
◇
◇
ことさら
ウゾムゾを
火のまわりで
言わず
◇
それ
そういうの
自分で軽くこなせると
人々の対応が
笑顔になるよなあ
◇
もう少し
もう少し
◇
えがおわなあ
自分の笑顔の
返事で
あるのことよ
◇
総長
おおえい
空の色が変ってきたで
と言う
◇
◇
ブタちゃん
ごめん
朝
帰ってきて
風呂へ入って
厚く塗布された噴煙を
流して
村の元旦
賀賛会の当番で
家を出る
◇
◇
結構
この頃正月
いそがしいんだよなー
じじいさん
◇
◇
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