AOBATO'S PHOTO

花や鳥たちの美しさや可愛らしい仕草などを写真に修めようと奮闘中です。

メジロと暮らした日々

2013-06-07 17:14:50 | エッセー

 

妻の日課

 メジロかごには、杉の薄板で拵えた上蓋(うわぶた)の無い幅20センチ、長さ30センチの長方形をしたかごに合わせた床箱が取り付けられている。その床箱の幅木の深さは3センチあって、その幅木に4カ所の穴が明けてあり、かごの材質である竹ヒゴの間から鋲(びょう)を差し込み、床箱をかごに固定してある。床箱面の上5センチにはかごの長さを活かして2対の止まり木があり、メジロらはこの止まり木に止まって排便をする。だから床箱には止まり木の下に山形に糞が溜まる。妻はこの糞の掃除がし易い様に、床箱面に合わせて新聞紙や折り込み紙などを切り揃えて置いて、毎日給餌の時には糞が山になっていれば底紙を取り替えてから給餌にかかる。餌椀はかごの内側にあるが、餌椀の耳には穴が明いており、耳の部分をかごから外に出して、その穴に爪楊枝(つまようじ)に似た棒を横向きに差し込むことで椀は固定できる。餌用と水用の二つの椀は、2本の止まり木の一つの両端にそれぞれ固定させてあり、それらの椀を掃除して餌と水を入れると餌やりは終わる。

 メジロは緑色をした美しい小鳥である。この美しさの源が何によって保持されているかは理解し難いが、この鳥はやたらと水浴を好むのである。週に1度か2度、小さめのどんぶり茶碗に水を入れて、2対の止まり木の間の床箱の板の上に置いてやると、メジロらは競う様にぴちぴちと両羽根をばたつかせながら、女性の沐浴(もくよく)ならぬ水浴を楽しむのである。暑い夏は当然の様に、寒い冬の日にもまた当然の様に浴びるのを拒まないのもメジロの特徴の様である。これによりメジロは本来の美白が美しいまん丸い目白と美緑がきれいな天然色を保持しているのかもしれない。晴れた日にはそのまま座敷に置いて日光浴をさせるのも妻の楽しみの日課であった。つづく