エビネの原種や自然交雑種は、数十年前まで日本各地の山に自生していました。
今では、乱獲されたり、自生地が開発されるなどして日本中の自生地からエビネの大部分が消えてしまいました。
現在でも自生しているエビネが写真にある「地エビネ」かキエビネくらいだと聞きます。
エビネは楚々した清楚な美しさから茶花として楽しまれていたと聞きます。
その楚々としたエビネの魅力こそが写真の「地エビネ」とされていたとも聞いています。
写真上の花は自生地に咲いていたエビネを真上から撮ったものです。
写真下は、上のと同じエビネですが、楚々として冷涼感もあり、素晴らしい雰囲気がありました。
そもそもエビネを園芸種として楽しんでいるのは、我々日本だけなのです。
その花の魅力に虜になったアメリカなどでも、日本のランとして重宝していると聞いています。
エビネは、日本だけではなく、東アジア、メキシコ、アフリカの一部に自生していますが、日本以外は、どちらかと言えば緑色の単色に近いものがほとんどで、これらの国々では、自生種を楽しむという風習は、差ほどなく、むしろ日本のエビネと異なる遺伝子を求めて外国のエビネを日本のエビネに交配して、新種を作っている程度です。
エビネの共通語は、カランセと呼ばれていますが、日本では、自生しているエビネの根が年ごとに一つずつ増えて一列に並んだ格好をしています。
その形が海老の腹に似ていることから海老根とされ、通称エビネになったとされています。
カランセは美しい花という意味だそうです。
写真は、エビネの原種の一つでサルメンエビネ(猿面)です。