昨日に続いてエビネのはなしである。
日本の蘭でありながら、大凡蘭の名にふさわしくない名前のような気がしている。
エビネは地下茎である球茎から新芽が出て開花するとともに、この球茎(バルブ)から根を伸ばして養分を吸収して葉を成長させ、光合成により澱粉を生成させバルブにエネルギーを蓄えて来季の新芽の成長に備えている。
この昨年伸びたバルブから新芽が伸び、伸びた新芽の根元になる部分が丸く膨らんで新たなバルブが形成される。
このバルブは、写真下の丸で囲んだ部分のように、一つの方向に向かって年に1個ずつ増える。
だからこのバルブの数を数えることで、前回植え換えてから何年目かが解る。
このバルブが連なっている形が、海老の腹部に似ているとして海老根と名が付き、その後エビネになったと言われている。
エビネに限らず、花は多くの部品からなり、その各部の名称は意外と複雑である。
そのため、通常は5弁の花弁を弁、唇弁を舌と呼んでいる。
丸で囲んだ部分が数を増やした形が海老に似ているとしてエビネの名が付いた