超人日記・俳句

自作俳句を中心に、自作短歌や読書やクラシックの感想も書いています。

<span itemprop="headline">裸の脳で夜に飛び込め</span>

2010-07-18 18:42:43 | 無題

先日、昔からの友人と喫茶シュベールで会い、様々な雑談をした。この友人は白隠禅師の座禅和讃が好きで、バンドで歌っているという。スティーヴ・ライヒのCDとインドのラーガのCDと奥村一郎氏の著書「断想―足元を深く掘れ」を貸してくれた。奥村一郎氏は神父だが仏教に造詣が深い。そしてエッセイの達人である。こんなふうに、芯がぶれずに話を突き詰めてゆくエッセイが書けないものかと思う。
奥村一郎氏は小さなエピソードから話を始めて、信仰者の確信を揺さ振り、信仰をより深めるための根本的見直しを迫る。これが「断想」の基本である。
だが話は自在に飛び、水のなかでは生きられるが氷のなかでは生きられない、とか海は母だが母には負の面があるなどと切り込んでゆき、マリアやイエスを思って生きることの肝要さに思い至るのである。
このようなエッセイが言葉を切り詰めて行く仕事をしている友人には訴えるものがあったのだろう。
そういう世界のおすそ分けを貰った気分である。
寝る前にこの「断想」をめくりながら過ごしているが、研ぎ澄まされた良い感じの文章である。
夜、あふりらんぽのホームページでプロモーション映像を見た。先日坂田明氏と共演したあふりらんぽのPIKAのドラミングとインプロビゼーションのボーカルが強烈だったので、あふりらんぽに興味を持ったのである。そこにはやりたい放題のガールズロックの世界が広がっていた。新作のウィ・アー・ウチュウノコはヨーロッパで絶賛発売中だという。だがこのあふりらんぽはもう解散したらしい。もったいないが、PIKAとユニットを組んでいたギター&ボーカルのONIのソロも良い。お互い一人で充分爆裂できるようになったのだろう。坂田明氏と共演したときのPIKAも、「いいな、いいな、ここにいるみんなの顔がいいな」で始まり「私もいい顔しているかしら」で終わる強烈な即興ソングだった。
最近、また前衛的なものを求めて、亀山郁夫氏の「終末と革命のロシア・ルネッサンス」を読んでいる。こういう世界を仕事に生かせたらと切に思う。前衛というと私はダダとかシュルレアリスムとか未来派とか構成主義とかフォルマリズムを持ち出してしまうが、現代の前衛は坂田明氏とPIKAの世界である。
「断想」の世界とPIKAの世界はかけ離れているが、どちらも上辺の自分を脱ぎ捨てている点が似ている。
掘り下げてどこに向かうか宇宙の子 裸の脳で夜に飛び込め



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