徒然俳句・浮浪雲

春暁にメープルトースト暖かし
春光に黄色のコート忘れ物
丘陵が幾つも続き山笑う

豆腐バー魚肉のような味の春
ワードでも編集できる春の宵
窓からは桜に止まるセキレイも

スーパーに切り株残る年度末
町の鐘合わせて歌う春の暮れ
花好きの家の庭には梅八分

新米は春も下がらぬ物価高
二十記事上げて満足春の巻
白銀や風も光りて浮浪雲

徒然俳句・春ぬくし

独り食うチョコ羊羹や春二月
街路樹のイルミネーション春の宵
春以降書く日記買い栞かな

春の駅　乗馬倶楽部の人集め
県民の人も知らない春の菓子
文房具売り場の人や春ぬくし

二十年眠りて春の図書カード
春使うピーター兎カードかな
給料日　ATМに春の列

サラダ豆流石に飽きて桜餅
駅の傍　都市開発の春寂し
盛況の町公園にビオラかな

徒然俳句・ユキシズク

自分用二月のチョコはほろ苦し
分岐路に立たされて尚春野かな
春色の編み込み靴は欲しけれど

春窓やクリームパンの柔らかさ
人の庭ほぼ満開の梅薫る
菜の花の階段を抜け帰宅する

春眠や途切れずに朝迎えけり
春暁や測量計も好い兆し
二三日休むのも良し春仕事

春の本栞の花が咲き乱れ
湯浴みして芯までほぐす暖かさ
片恋の涙の様なユキシズク

徒然俳句・薄毛布

春暁に青くそびえる春の山
帰り道梅の花へと誘われて
岐路に立ち花野に一人春の風

バソコンがフリーズしても菫咲く
思うまま行かぬ日もあり薄毛布
春光やシフォンケーキの柔らかさ

運命がどう転んでも山笑う
春浅し安いコートで町歩き
窓を開け獅子座満月部屋に入れ

春餅を頬張りながら交響詩
春五冊草場に持って行くつもり
雲の渦楽しんでみる春の空

徒然俳句・春の空

春薬師本堂前で諸事祈願
春の空透けても見える昼の月
銀色の雲ぞ眩しき春の空

久々に春の外食辛チキン
もう直に半ばが見える春の本
春風にやや渋すぎるシューベルト

龍の吐く水が溢れて春薬師
下校時の子が球を蹴る花広場
春の川恋に敗れた青いサギ

雪溶けに相好崩す雪だるま
春の宵まぐろ三貫　三九八
交差点薄青緑　風光る