徒然俳句・羽衣の花

日本橋喫茶ゲルボア暖かし
あれこれの仕事を終えてわらび餅
偶然が明け広がりて小蒲公英

具沢山ミニピザぱんや鬱金香
散歩道紫陽花すでに芽吹き出し
捨てる神拾う神あり花野かな

町の奥夢見て咲くや木瓜の花
牧開き乗馬倶楽部は馬休み
ダッフルをまだ着る程の余寒かな

いつまでも春の思いは未完成
道端に羽衣という小薔薇咲く
公園の河津桜にそよぐ髪

徒然俳句・花曇り

郵便を待ちて身に染む余寒かな
朝比奈を数枚聞きて花曇り
データーを作り直して春の午後

余所行きの春服で行く同窓会
豆腐バー飽きれば春のわらび餅
仕事用小型パソコン春忙し

梅の香も雨に消されてやや寂し
七沢の蟹も驚く春の雪
春めきて薔薇の芽がまた顔を出し

以前より二倍の価格春の米
春陰や心の襞を書く日記
春昼に与謝野源氏は三回目

徒然俳句・余寒

冬服を出して着るほど余寒かな
底冷えに凍えて歩く花曇り
金具店二十六円春ぬくし

久々の米粉ドーナツ春甘し
バソコンが早く届いて春の空
先回りして愁いても早桜

パン店のミルクココアや暖かし
帰宅してカイルベルトや春障子
パソコンは悲しき玩具春届く

懐かしき顔が浮かびて春日記
蜂蜜をトーストに塗り春楽し
厚着でも庭先に咲く小梅かな

徒然俳句・銀斗雲

中古品春暖房を修理する
花曇りチャーリーパーカー午後三時
新しいバソコンまでの春休み

近隣の金具品店春やさし
バソコンで一仕事終え春のお茶
春最中忙し過ぎて身も細る

大山が羨ましいと春の兄
ドトールの粉珈琲や年度末
何気ない顔で暮らしている春日

同窓会軽量化には気づかれず
老人に何故か人気や春掃除
ジャズ喫茶気取って淹れる春の部屋

徒然俳句・寺に花

父親の十三回忌枝垂れ梅
遠方に住む兄と会う三月忌
下手な絵も自分らしいと春のペン

住職の般若心経　梅も聞く
あれこれが皆整いて寺に花
故郷や七年振りの春の町

うららかな春の陽差しに木魚かな
兄弟で華屋与兵衛の春御膳
春の山歩き始めて兄若し

法事から帰りて春の仕事かな
懐かしき人に届けむ春便り
ハリスンを聞く兄弟や山笑う