雨宮智彦のブログ 2 宇宙・人間・古代・日記 

浜松市の1市民として、宇宙・古代・哲学から人間までを調べ考えるブログです。2020年10月より第Ⅱ期を始めました。

自伝のための破片 10 十一月の惑星詩 PARTⅠ

2020年01月13日 13時32分36秒 | 青い銀河とオレンジの花

自伝のための破片 10 十一月の惑星詩 PARTⅠ

 1975年春に浜松へ帰ってきた。1978年(昭和53年)5月に56ページの同人雑誌『零 ー サークル零 創刊号 ー』に詩のようなものを2つ書いた。

 これはその1編。「藤井智則」はボクの以前のペンネーム。

 下手な「詩のようなもの」だけど、当時の自分の気分は出ていると思う。

 ちなみに「十一月の惑星詩 PARTⅡ」以降は、ついに書かれませんでした。いま書いてもいいな。


「十一月の惑星詩 PARTⅠ

藤 井 智 則
生誕は腐食の都市
半透明な耐熱ガラスのビル街で
 ぼくたちは育った
空ははるかに灰青色に
治平から治平へ飛行体がよぎる

  湖面に 陽の影は長く
  波間を秋が去っていく

沼地の泥に沿って歩いていくと
赤茶けた岸にギラつく陽ざし
ほおをくすぐる風だけがさわやかで
地蜂がうなりをあげていた時間
沼蛙たちが合唱している

  ビル街の窓から女たちが手をふっていた
午後 人々が路上を埋めつくした

ポプラのつったった夕ぐれ
枝のざわめきがぼくたちの口にのぼる
苦悩の六十年代からまだ近く
ゆきかう男はふりっむきもしないで
花屋のバラは血をしたたらせる」


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