新・本と映像の森 141 海部宣男『星めぐり歳時記 ー 宇宙吟遊 光とことば ー』じゃくめてい出版、平成21年
2009年、127ページ、定価本体1500円。
天文・星と詩歌の両方を語った本です。ボクも知らない星の歌をたくさん紹介してくれて楽しい。
いくつか紹介します。
星合いや影どる水に人の老い 可都里(かつり)、江戸時代
天の川苗代水にせきくだせ あまくだります神ならば神 能因法師
流星も縄跳びすなつ子のように優しく見えて川風ぞ吹く 与謝野晶子
ところがあいつはまん円なもんで
リングもあれば憑きも七つもっている
第一あんなもの生きてもいないし
まあ行ってみろごそごそだぞ 宮沢賢治『暁穹への嫉妬』より
7個というのは宮沢賢治さんの生きていた1930年代までの話で、現在は土星の衛星は60個を越える。不確実なものが3個ほどあるため61個までは確実か、と。
海部さんは電波天文学者で野辺山の電波望遠鏡を作った人です。海部さんの宇宙の本はボクも何冊ももっていて、よく読みました。
こういう体になってしまい、もう当分は、直接星を見る機会はあまりないので「天文学(天+文学)」で楽しもうかな。