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雨宮智彦のブログ 2 宇宙・人間・古代・日記 

浜松市の1市民として、宇宙・古代・哲学から人間までを調べ考えるブログです。2020年10月より第Ⅱ期を始めました。

新・本と映像の森 270 中脇初枝『神の島のこどもたち』講談社、2019年

2019年06月10日 06時22分19秒 | 本と映像の森


新・本と映像の森 270 中脇初枝『神の島のこどもたち』講談社、2019年

 1月16日、183ページ、定価本体1400円。

 「新・本と映像の森 265 中脇初枝『神に守られた島』講談社、2018年」の続編。

 戦争は終わり、1952年。沖永良部島はアメリカ軍の占領下にある。カミやユキたちは高校生になり、島は奄美本土復帰の運動のさなかにある。

 少女カミは神戸に行ったまま戻らない幼馴染みマチジョーを想いながら青春をおくる。

 いちばん印象的なのはおとなたちの「しかたないね」ということばと、それに抗うカミやマチジョーらのいちずな心。

 集落の復帰集会でカミの「じゃーじゃ(おじいさん)」が言う。

 「「あなたがたは沖縄式を排除排除とおっしゃるが」・・・「沖縄は、わたしたちにとって、親島じゃないのかね」
 ・・・・・・
 「自分かわいさに、子が親を捨てるような、親の恩をありがたいとも想わないような、そんな考えでいいのかねー」
 「しかたないよー」
 ・・・・・・
 しかたない。
 わたしはこの言葉を聞いたことがあった。
 戦争中、わたしたちはそう言いあいながら、戦争を続けた。
 ・・・・・・
 数えきれないほどの犠牲の末に戦争が終わったというのに、まだわたしたちは、同じ言葉をくりかえしてあきらめようとしている。」
 (p108~109)

 ボクはもっと未来、結婚して子どもがいるカミやマチジョーらの姿を見たい。いまカミやマチジョーが長生きできたら、84才ぐらいになる・・・。

 


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