雨宮智彦のブログ 2 宇宙・人間・古代・日記 

浜松市の1市民として、宇宙・古代・哲学から人間までを調べ考えるブログです。2020年10月より第Ⅱ期を始めました。

新・本と映像の森 214 ブレヒト『ブレヒト詩集』飯塚書店、1971年

2018年11月30日 10時10分24秒 | 本と映像の森

新・本と映像の森 214 ブレヒト『ブレヒト詩集』飯塚書店、1971年

 <双書 世界現代詩集 2>、B6版、190ページ、定価480円

 20代のころは、詩が好きで詩集をよく読んだ。これはそれらの詩人のひとり。ドイツの現代劇作家だが詩もいい。

 本を見ると、この本には訳されていない詩をボクの手書きで書きこんである。題名だけすこし紹介する。

 カール・リープクネヒトのための墓碑銘
 カール広場のポプラ
 息子の誕生にあたってー蘇東坡による
 「母」より劇中詩
 捜索
 詩人たちの移住
 動揺する者に
 解決

 本文では、20年代のワイマール時代、30年代のナチスの弾圧による亡命時代、そして東ドイツ時代と分かれている。

 いま読み返すと、「Ⅰ」の「快適な生活について」「マリー・Aの思い出」「水死したむすめについて」「商人のうた」などがいちばんいい。

 Ⅱの「ぼくたちだ党とは」「学習をたたえる」「コミュニズムをたたえる」などの詩は、いつ書かれたのだろうか。ボクの後知恵だが、これらは1920年代に書かれてもいい詩だと思う。いや、もっと前か。

 いま感じることは「Ⅰ」と「Ⅱ」は2つに分裂していて関連がない。もちろん現実の「Ⅰ」と「Ⅱ」は分裂してはいないと思う。これは主体の側の悲劇的な分裂だと思う。

 そういう意味では現代のシェークスピアはまだ出ていない。いやそうではなくてボクが見つけられていない。現代の小林多喜二や現代の宮本百合子も。

 あの頃読んで、ボクが心に残った詩の断片(p71)

 「正しい道でも、きみひとりでは行くな。
 ひとり離れて行く道は
 いちばん正しくない道だ。
 ………
 とどまって、ぼくらとともに思考せよ!
 ぼくらからわかれてひとりで行くな!」

 読み直して「Ⅲ」の「ドイチェ・マルジナリエン 1938」「東部戦線のドイツ兵たちに」がいい。

 いま2018年にブレヒトの詩集が手に入るだろうか?Amazonで検索したら、新刊本は品切れでも中古ではありそうです。

 


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