青い銀河とオレンジの花 断片資料 2 原告の思い 中谷信和(第4次原告団、浜松市)、第6回口頭弁論20121001にて 20201117
「2012年10月02日 06時00分26秒 | 原告・支援者の思い
原告の思い 6 中谷信和(第4次原告団、浜松市)、第6回口頭弁論(10/1)にて
原告意見陳述の全文を掲載します
「浜岡原子力発電所永久停止請求事件
第6回口頭弁論 2012年10月1日 静岡地方裁判所浜松支部
第4次原告団 中谷信和
意見陳述書
第4次原告の中谷です。原水爆禁止の市民団体の立場から、放射線が人間に与える影響について発言します。
日本人が受ける自然放射能は年間で2から3ミリシーベルトです。国際組織による外部被曝の線量の低めの評価では、年間2000人の日本人がガンで亡くなっていることになります。
もちろん、私たちに与えてきた放射線の影響は、自然放射線だけではありません。広島・長崎以後、核実験と原発の放射能が地球を汚してきました。
1954年,アメリカによるビキニ水爆実験1回だけで、太平洋を広島原爆の1000倍の死の灰で汚しました。全世界で2000回以上繰りかえされた核実験によって、40年前のピーク時には、日本でも、放射性降下物は3.11直前の1万倍もありました。
核実験の人間への影響を明らかにした一例をあげます。アメリカのスターングラス教授はアメリカで1才未満の乳児の肺炎とインフルエンザによる死亡率が、1950年代から6〇年代に、その前後は急激に減っているのに、異常な停滞をしているのを公表し、核実験の死の灰の影響であると推定しています。
国際組織の推計では、1945年から半世紀で放射線によって失われた命は、全世界で117万人または6500万人です。
核実験だけでなく、すべての原発も、日常的に低レベルの放射能を放出し続けています。アメリカのグールド博士は、全米の原子炉や原子力施設の周辺160kmの3000の郡で、女性の乳癌が他地域より数倍高い発生率であることをつきとめました。
浜岡原発でも日常的に低レベルの放射能を大気と海に放出しています。静岡県と中部電力が1980年におこなった調査で松の葉とカキの貝殻からコバルト60とマンガン54が検出されています。
たとえ微量でも、内部被曝と生物濃縮を考慮すれば、安全とは言えません。
原発1基で1年間に広島原爆千個分の死の灰がつくられ、大事故では、その一部が環境に放出されます。チェルノブイリ事故から25年目の昨年、ウクライナ政府の「調査報告書 未来のための安全」は、子どもや大人の甲状腺ガン、慢性疾患、白内障、心臓・血管疾患などの多発と、子供たちの多数の健康悪化を報告しています。
福島県では子どもたち4万2千人の43%に甲状腺異常が見つかっています。
この大地が、放射能で汚染されていくことを、黙って見ていられません。もともと地球の生きものは40億年前、放射線から守られた海のなかで生まれました。そして、大気や磁場ができたことで上陸してたくさんの種が繁栄することができました。わたしたちの青い地球は、いのちと生態系を守るオアシスです。
いのちと未来を守るために、まず私たちに一番近く、一番危険な浜岡原発を永久停止させる決断をする時です。国民のいのちを守るための、司法としての責任が果たされることを心から願って、私の陳述とします。」」