四季の歌と暮らす

 年齢ごとに「一度っきり」の四季と、
旬(しゅん)のヨコハマを味わう「くりごとの集」です。

芭蕉翁の名文

2021-12-21 08:29:50 | 生かされて今日

『さゞ波の音近く、三井の鐘聞こゆるあたり、暫く旅の宿りを求む。

あるじは高橋瓢千といふ。志、風雅を好み、身貧をいとはず。

風雅(俳諧のこと)はわが好むところにして、貧は我友なり。

栖は膝を入るるのみにして、狭きうれへ有りといへども、

馬・車の通ひすぎにあづからざる悦び有。

足らざるを楽しみて淋しきを又友とす

「此宿は水鶏も知らぬ戸ぼそ哉」ばせを』

 琵琶湖近くの貧家に泊めてくれた風雅な友を讃えた名文である。少欲知足を忘れ物欲に猛る現代人に耳が痛い文章です。


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