四季の歌と暮らす

 年齢ごとに「一度っきり」の四季と、
旬(しゅん)のヨコハマを味わう「くりごとの集」です。

河野裕子短歌賞・・・家族を歌うから

2013-12-31 07:58:36 | 歌の花束

 惜しまれて亡くなった歌人・河野裕子の名を冠した短歌顕彰で今年は第2回となります。その受賞作品から私の好きな歌をご紹介します。

あの大震災の日から大津波や放射能汚染で家族が崩壊、崩れかけている方々、この理不尽な仕打ちに我慢されている方々を思うと・・・。家族は最小の社会、こまやかな人間味を取り戻す場です。その家族間の思いやりを歌つています。


★遠からずどちらかひとりの残る家ふようが咲いてむくげが咲いて   岡山県 河田朝子

☆息子には連れ添ふ女(ひと)のゐることを藍の日傘をかざして聞けり  京都府 大石悦子

★病得て家離れゐるわが妻に庭の木蓮咲きしを告ぐる         福岡県 堀江英毅

☆就職の決まりし孫は初刷りの名刺百枚仏壇に供ふ          千葉県 旭 千代

★施設にて父は幾たび泣いただらう貧しい昔の家族を恋ひて      京都府 坂根美和子

☆娘(こ)の連れて来しこの男何者ぞ交す会話に五感めぐらす     香川県 上久保忠彦

★しわしわでふにゃふにゃしててちっちゃいが君も今日から「田中」なんだね  京都府 田中                                                  佐和子


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