『頭の回転が速く、どんな仕事もてきぱきと処理していく人を見ると、「あの人に比べて、自分はなんでこんなに鈍いんだろう」と、うらやましくなってしまいます。しかし、才に走りすぎると、つい人を見下したり、先が見えすぎて一つのことに打ち込むことができなくなったりしがちです。
「人生、成功のコツは、運・鈍・根」といいます。一つのことをねばり強く、うまずたゆまず続ける根気を保つのには、鈍さも大事なのですね。その努力の積み重ねが、運を呼び寄せるのです。
孔子のもとには大勢のすぐれた門人が集っていましたが、師のあとを継いだのは曽子という人でした。その自分のあとを継いだ弟子の曽子について孔子は、「参や魯なり」と言っています。
参とは曽子のことで、彼の魯鈍なところがいい、それが曽子のすぐれているところだ、というのです。
賢も鈍も、一つの能力なのですね。ないものねだりをするのでなく、自分に与えられた資質をどう生かしていくか、そこが大事だと思うのです。』
庭野日敬著『開祖随感』より
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