『因縁というと抹香(まっこう)くさく聞こえるかもしれませんが、これこそ仏教の中心的な教えです。また因縁というと暗いイメージを抱く人がいるのですが、これも誤解です。
AさんにはAさんの因縁があり、BさんにはBさんの因縁があります。別の言葉で言えば、AさんはAさんでなければならない因縁、つまりその人なりの特色や役目があるということです。
たとえば、Aさんが私に、私がAさんになろうと思っても、それはできません。AさんはAさんになるような、さまざまな環境、出会いによってAさんになっているからで、それがAさんの因縁です。そして、人それぞれに自分でなくては果たせない役目があるのです。
お釈迦さまは誕生されると、「天上天下(てんじょうてんげ)唯我独尊(ゆいがどくそん)」と宣言されたと伝えられています。私は天にも地にも、ただ一人しかいない存在、自分にしかできない役目をもってこの世に生を受けた存在である、という宣言とも考えられます。
私たちも一人ひとりが、それぞれ尊い役割、使命を持ってこの世に生まれてきているのです。それを自覚しなくてはなりません。』
庭野日敬著『開祖随感』より
4月8日は灌仏会(かんぶつえ)、花まつり、釈尊の誕生された日です。最寄りのお寺の「花御堂」に参じて、甘茶を誕生仏にそそぎお祝いしてください。
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