四季の歌と暮らす

 年齢ごとに「一度っきり」の四季と、
旬(しゅん)のヨコハマを味わう「くりごとの集」です。

私の20句

2022-06-06 15:36:00 | 生かされて今日

 飯村寿美子名誉主宰が起こされたあかざ俳句会の「あかざ」誌が創刊100号に達しました。そこで各人自選の20句を披露する企画があり、私も30年近い研鑽努力の結晶を選んで掲載して頂きました。

いまだ初心の域を顧みずにお披露目いたします。縦書きにしたいところですが・・・

 

あかざ100号記念20句

   「父の相伴」

啓蟄や半音あがる地下の街

袋掛そらに白波たちにけり

昭和の背広昭和のレコード黴にほふ

しんちやんの三輪車の声ひろしま忌

枝豆やうれしきことをのみ数ふ

籠枕の探してをりぬ風の筋

僕にない父の商才めだか飼ふ

失念の会より電話くる大暑

オール5の妻の検診秋うらら

離れ離れの今わかちあふ望の月

秋深し見覚えの字の帰らざる

にぎやかな熊手や裏のぶあいさう

早世の父の相伴走り蕎麦

冬日和靴の混みあふ誕生日

寒菊や遺影の君がやあといふ

予備校全館寒灯を放ちけり

たまはりし万両嫁の来るやう

飛火する房総の山初明り

家に初日ををがむ幸せ申しけり

赤人の富士のうた詠む淑気かな

 

 

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