四季の歌と暮らす

 年齢ごとに「一度っきり」の四季と、
旬(しゅん)のヨコハマを味わう「くりごとの集」です。

人麻呂の恋歌

2020-04-18 09:32:49 | 歌の花束

 今日4月19日は万葉集歌人のナンバーワン、柿本人麻呂(かきのもとのひとまろ)の忌日、人麻呂忌だそうです。身分が低いために公の記録になく、生死おぼろげの大歌人です。山部赤人(やまべのあかひと)と双璧をなすそうです。死に場所、晩年について梅原 猛先生が『水底の歌』で従来の説(斎藤茂吉)を木っ端みじんに覆しました。

☆ささの葉は み山もさやに さやげども 

    われは妹(いも)おもふ 別れきぬれば

☆寄り寝し妹を 露霜の 置きてし来れば この道の 

    八十隈(やそくま)ごとに万度(よろづたび)

    かへり見すれど いや遠に 里は離(さかり)ぬ

    いや高に 山も越えきぬ 夏草の 思ひしなえて

    偲ふらむ 妹が門(かど)見む 靡けこの山

☆石見(いわみ)のや 高角山(たかつのやま)の木の間より

    わが振る袖を 妹見つらむか

☆春されば しだり柳のとををにも 妹は心に

    乗りにけるかも

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