〚みなさま、明けましておめでとうございます。
人は生きているかぎり、「もっとこうなりたい」「こうあってほしい」というように、いろいろと願いを持ちます。新しい年を迎えて、みなさんも、いろいろな願い、祈りをされたことと思います。
とりわけ信仰者にとって祈りは大切です。しかし、新年早々厳しいことを申し上げるようですが、その祈りが、自分のことだけをお願いするものになっていないかどうか、自分の心に問うてみてほしいのです。
大事なのは、まず祈りに値する自分であるかどうか顧みることです。そして、「かなえてもらいたい願いにふさわしい自分になれるように、精いっぱいの努力をいたしますから、どうかお見守りください」とお祈りするのが、本当の祈りなのではないでしょうか。
正月とは正す月と書きます。己の心の姿勢を正して、新しい一年を踏みだす大事な月、それが正月です。どうか、その決意をもってお屠蘇を祝っていただきたいものです。〛
庭野日敬著『開祖随感』より