四季の歌と暮らす

 年齢ごとに「一度っきり」の四季と、
旬(しゅん)のヨコハマを味わう「くりごとの集」です。

お盆の読経

2013-07-18 05:39:20 | 生かされて今日

 お盆の法事は盂蘭盆会(うらぼんえ)と言い亡くなったご先祖、友だちへの感謝の供養を捧げる法要です。盂蘭盆の原義は、逆さに吊るされる刑罰の苦しみのことです。

お釈迦さまの高弟、阿那律(あなりつ)は神通力に恵まれた大菩薩で「天眼阿那律(てんげんあなりつ)」と称された人格者でした。その天眼で見ると亡くなったお母さんがナント地獄界で苦しんでいることが見えました。阿那律は釈尊におすがりして救い出すすべをお聞きしますと、衆僧をもって法華経を読誦する外に手は無いと指導されました。それがお盆法要の始まりだそうです。

 7月15日立正佼成会横浜教会でのおごそかな法要に参列、両親はじめご先祖と友人知人の御霊に感謝を捧げました。とくに新盆(にいぼん)を迎える50余のご遺族は、釈尊のまします聖壇に進み献灯献花をされました。歩む遺族の先頭には若くして妻を失われた教会壮年部長が、また足元の不確かな杖をついた方、子どもたちの参列もあり「愛別離苦」の苦しみに耐える姿にしんみりいたしました。私は太平洋戦争によって尊い命を残酷に断たれた方々、3.11の犠牲者のことも思い出して読経しました。いずれ私も皆にお別れする定めです。死はひとりとして避ける事が出来ない掟です。

 式典の最後に佼成ウインドオーケストラのサキソフォン四重奏曲の奉納演奏があり、素晴らしいお盆法要となりました。

 その後に私を若いご婦人と女子高生の親子が訪ねて来ました。

『寒菊や遺影の君がやあといふ』の句を捧げた亡き友人の娘と孫さんでした。遺された家族や知人がすごく感動して立派なケースに納めて仏壇に安置したそうです。今日の式典には孫の女子高生がご爺ちゃんのために献灯に参加したそうです。俳句作者がどんな人かと尋ねてくれたのです。ふるさと新潟のお米をお礼に頂きました。誠にありがとうございました。方便品に「言辞柔軟にして衆の心を悦可せしむ」とあり、ここが俳句の理想境と考えています。

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